春爛漫の

  (第十一回記念祭寮歌・明治三十四年・西寮)

 作詩 矢野勘治  作曲 豊原雄太郎



       
  春爛漫の花の色    紫匂う雲間より
  紅淡き朝日影     長閑けき光さし添へば
  鳥は囀り蝶は舞ひ   散り來る花も光あり
  
  秋玲籠の夕紅葉    山の端近くかぎろへる
  血汐の色の夕日影   岡の紅葉に映ろへば
  錦榮えある心地して  入相の鐘暮れて行く
  
  それ濁流に魚住まず  秀麗の地に健児あり
  勤倹尚武の旗の色   自治共同の笛の聲
  白雲靡く向陵に    籠るも久し十余年