こだわりの描き方にツッコミ

【ツカミで見せる?!】

 TV版を忠実に再現した各ライダーのコスチュームやマシンの造形などは、長年のファンならずとも「おお!」と思わせるものがあります。放映当時は生まれていなかった私でさえ、2号登場シーンの後ろ姿のベルトに「わあ、本当に“コスチューム”だ!!」などと思ったくらいですから。

 では、素顔のライダーは。村枝氏の絵柄で特徴を押さえて描きつつ、服装も番組中のものを再現していたりするので、そう違和感はないと思われるのですが、顔の描き方をずっと見ていくと始めと終わりでは結構変わっていたりします。1号とライダーマン編以外は月刊での前後編掲載ですしね。
 が、ファーストインパクトで「ああ、本郷猛だ」と読者に飲み込ませるためか、初登場コマのみは相当似せて描かれていることに気が付きます。……あー、一文字の登場シーンは置いといて。大体、まずアップで登場してくることにはなりますが、顔のディティールの描き込みも細かく役者の顔立ちを再現することに腐心しているようです。で、そこで掴んでおいて、進むにつれて村枝流になっていくと…。
 特にそれを感じたのはアマゾン。初登場コマと最後のニッと笑うコマを見比べると別人に近いかもしれない(^^;
 また、あまり似ている感じのしない風見志郎も一コマ目に注目。風見志郎は、ウェーブのかかった長髪や切れ長の目、くせのある眉のラインなどの特徴は押さえているわりに、どうも村枝さんの描く美形といった感じで違和感があったのですが、まずV3で登場して変身が解けた直後のコマだけは確かに宮内洋の顔なんですよ。どこの差なんだ!? 微妙なバランスか?? それが以降は見られないあたりはホントに掴みだけで行っているのかも。
 結城丈二の場合、おそらく村枝さんの得意でないタイプの顔立ちだと思われるのですが、初登場コマのアップがそのまんま山口暁の顔!!! 結城さんというよりとにかく山口暁ホンモノ。今や山口ファンの私がそのコマ見るたび「山口さん〜v」とか言っているくらい(←それはバカが重症)。が、一コマ目で掴みすぎなのに、それ以降の描き方がどうも安定していないあたりやっぱり不得意分野? 山口暁は目に特徴がある人なのでそこが外れると途端に似なくなるし。劇画調の初登場コマ以外、普段の村枝タッチで一番似ていた結城となると、ストロンガー編の1カットかと思います。
 本郷は初登場シーン以降は素顔の出番が少ないのですが、カラーページでは見せ場でもあり雰囲気が出ていますが、ラストに出てくるときはそれほど顔が濃くないですね。休載の号の描き下ろしポスターを見ても村枝流本郷の顔はあっさり顔の方の模様。
 あまり似ていないと言われるのが一文字隼人と神敬介ですが、一文字はたまにタレ目が強調されているコマだと佐々木さんに見えるような。個人的には、傷が浮かんで子供達が脅えるシーンと「マズイ、診療所が…」の目のアップは一文字の顔と思える気が。それに、村枝氏が舞台「戦闘員日記・2」のポスターを手がけた際には、一文字の顔の描き方がまた違っているあたり、SPIRITS版の一文字は少年漫画のヒーローっぽさを出したアレンジということなのでしょう。
 神敬介は優男っぽさを前面に出しすぎ…かなあ。描き分けの都合も当然あるのでしょうが。
 村雨良は…まだ洗脳中ですが、目の鋭さなどは菅田さんと思わせる感じは出ているのでは。しかし彼の場合、凄みのあるヤクザ顔より先にまずはパンチパーマ…だし。



余談メニューへ
仮面ライダーSPIRITS部屋TOPへ