黒い予感(こゆめの初登場)
ワタシはキャリーを受け取るとすぐに、フロシキをめくって中をのぞいてみました。 入ってる入ってる! 中でちっちゃいイキモノがふたつあやしくうごめいています。とても元気そうです。 あー、よかった。 とにかくキャリーを持って車に乗り込み、改めて2ひきの仔猫を見ると! む、むむっ。 ・・・・・・・ どっちがどっち?(笑) なんと今回空を飛んできた子たち、どっちもシルバークラシックタビー&ホワイト。もぞもぞ動いてるところをちらっと見ただけではよくわかんないのです。まだ我々には、一緒に飛んできた男の子ちゃんを札幌駅まで送迎するという任務が残っているので、渡す段になって「ど、ど、どっちだぁ?!」と混乱の坩堝に叩き込まれるようなことだけは避けねばなりません。 そこで、まずはこゆめだけを我が家から持参のキャリーに移すことにしました。 キャリーをあけてみると、いっぴきの可憐なこねこが「みゃー!みゃーー!」と高くてかわいい声で叫んでいます。ああっ、ちょっぴりこわがっているわ。かわいい♪ほらほら、こわくないよー。うんうん、気がやさしそうな子だねぇ。もしやこれがこゆめちゃん?! ・・・違いました。しっかりきっぱり違いました。 かわいい声で心細げに鳴いていたのは、男の子ちゃんのほうでした。 かわいくてやさしくて控えめでちょっぴり弱気なゆめちゃんの子、お母さんにそっくりになれよかし!と願いをこめて「こゆめ」と名づけられた小さな女の子は!! なんだかうさんくさそ〜な目でワタシにガンつけていたのです。 こ、これはいったい・・・ ワタシはちょっぴりイヤな予感を感じながらも、それを振り払わずにはいられませんでした。 いやいや、度胸があっていいじゃないか。それにほらほら、やっぱりお母さんに似てるような気がするし! 「こゆめちゃーん、こっちに入ってねー」 こゆめはワタシにびろーんと持ち上げられてもこわがりもせず、淡々と我が家のキャリーに落ち着いたのでした。 ・・・すでに日記ではさんざん語られているので、ご存知の方も多いでしょう・・・このときの黒い予感は、のちに現実となって我々に重くのしかかってくるのですが、それはまた別の話。(「王様のレストラン」風) その後我々はぶじに男の子くんを新しい飼い主さんにお渡ししました。余談ながら、なにもそんなにあわてることなかったのに、その時はその方もワタシも妙に気があせってしまって 「こんにちは!はじめまして!はい、はい、お連れしました!」 「あっ、あっ、こんにちは!ありがとうございます!」 ・・・と怒涛のようなやりとりをして、まるであやしい取引かなにかのように大慌てで仔猫ちゃんをばばっと渡して、すごい速さで別れてしまったのでした。 なんで猫を連れてるときってなんとなくココロの余裕がなくなるんでしょうねぇ。 まぁ、そのような二、三のヘンな経緯(?)はあったものの、我々はついにこゆめを連れて無事におうちへ帰り着いたのです。 さあっ、そのときスオミは?!アイノは?!?! |