1 三毛猫ってどんな猫?
「三毛猫党の三毛学講座」(←?)、記念すべき第一回のテーマは「三毛猫」の定義についてです。 まえがきにも書きましたが、我が党を旗揚げして以来、党執行部の元にはたびたび「うちの子は三毛なんでしょうか」という問い合わせのメールが舞い込むようになりました。そうなんです、猫好きさんでも意外と知らないのが「三毛」の定義なのです。 しかし誰に聞けば「その模様は三毛ですよ/三毛ではないですよ」という答えがもらえるのかわからない。どこにも三毛猫の毛色の定義なんて書いてないので、これまで飼い主さんはひたすら悩むしかありませんでした。 そこでここでは具体的に色を示しながら ・三毛猫とはどんな毛色の猫のことをいうのか ・三毛と間違いやすい茶系の子の毛色の見極めかた までをお話ししたいと思います。これで悩める猫好きさんの長年の疑問も一気に氷解!・・・するといいなぁ。(笑) さて、誰もがみけ三毛とひとくちに呼びますが、いったいどんな模様の猫が「三毛」なのでしょう。 三毛・すなわち三色の毛ということだから、毛並みに三種類の色の毛が混じっているのが「三毛猫」だな!ということは大抵の人が想像するところです。しかしここで問題になるのは、 どの色とどの色の組み合わせなら三毛と呼べるのか? ということではないでしょうか。 そのへんを説明していくために、まず猫の毛色の呼び方を定義しておきましょう。 毛色の基本の四色は黒・白・赤・茶です。
ここで特に注目していただきたいのは「赤」と「茶」のちがいです。いわゆる「茶トラ」の色が「赤」であり、「キジトラ」の色が「茶」であることをよーく覚えておいてください。 それではいよいよ三毛のお話です。 まず結論からいいますと、「三毛」とは「黒・白・赤」もしくは「茶・白・赤」の入り混じった毛色のことを指します。 百聞は一見に如かず、さっそくモデルさんに登場してもらいましょう。
党員149番・ぽんちゃんです。鮮やかな「黒・白・赤」の三毛であることがおわかりいただけると思います。コントラストがとても美しいですね。 もうひとつの三毛パターンに「茶・白・赤」があります。ここで注意していただきたいのは、茶色の部分には通常かならずシマシマが出ることです。たとえばこのような感じになります。
こんどは党首スオミ様にご登場いただきました。いうまでもなくすおちゃんは「茶・白・赤」の三毛です。 すおちゃんの顔のあたりにご注目ください。目の上と目の横の茶色部分に、明らかに縞模様が出ていることが見てとれますね。つまりスオミはいわゆる「縞三毛」と呼ばれる三毛であります。 ちなみに、「黒・白・赤」の三毛猫を「黒三毛」などと呼ぶこともあるらしいです。まぁいずれにせよ、黒三毛も縞三毛も「三毛」であることには間違いありません。 これらのベーシックな三毛模様のほかに、ちょっと変り種のカラーパターンも存在します。それは、毛の色を変化させるシルバー遺伝子やダイリュート遺伝子の作用で生まれてくる「銀三毛」や「青三毛」などの三毛猫ちゃんです。 ここでもまず色をおさらいしましょう。銀と青はそれぞれこんな感じの色になります。
・・・めちゃくちゃわかりにくいですね。(笑) 「銀」、すなわちシルバーについては有名なアメリカンショートヘアのシルバークラシックタビーの子の色を思い起こしてみてください。「銀」という色の感じ、わかりますよね。 また「青」、すなわちブルーについてはロシアンブルーの光沢のあるグレイのような色を想像していただければなんとなくイメージがつかめるかと思います。 では三毛の話に戻りましょう。銀三毛の場合は黒か茶色のかわりに「銀」が入って「銀・白・赤」の三色になります。
党員61番・プリンちゃんです。明らかに茶色でも黒でもない、銀色と赤の組み合わせの三毛であることがわかりますね。とてもノーブルですてきな三毛模様です。 では青三毛とはどんな感じなのでしょうか?
党員83番・クレアちゃんです。いかがでしょう、黒でも茶でも銀でもない感じがおわかりいただけますでしょうか。これまたなんとも不思議な美しい三毛ちゃんですよね。 さて、ここまで見てきたところで「三毛」ってどんな色?という最初の問いについて一度まとめてみましょう。 ・三毛とは、白と赤ともう一色(黒、茶、銀、青など)から成る三色が入り混じった毛色である。 そうなんです、三毛猫には「赤」が不可欠なのです。この「赤」の見極めがむずかしいことから、茶色のシマシマ系の子を見た場合に「この毛色は三毛じゃないのかな」という勘違いが生まれやすくなります。つまり、茶色の縞の濃い部分を「茶」、うすい部分を「赤」と見誤ってしまうわけです。 では次に茶色のシマシマの子のいろんなパターンを見て、三毛との違いを考えてみましょう。 茶色の縞とひとくちにいいますが、もちろんその色合いは千差万別です。一目で「キジトラ!」とわかる子もいればシマシマが薄い子もいますし、こげ茶に近い色合いの子もいれば、「赤っぽい部分があるから三毛なのかな?」と悩んでしまうような子もいるわけです。 まずは典型的キジトラさんに登場してもらいましょう。
党員154番・ともひろくんです。とてもきれいな茶色の男の子ですね。 しかし、それでも耳のあたりに赤っぽい部分があるのがわかるでしょうか。短毛のキジトラ模様の場合、毛並みが薄くなる耳のあたりやおしりのあたりにかなり強く赤っぽい色合いが見えることがあります。 次の写真からはそのあたりがかなりはっきりと見て取れます。
党員44番・たまくんです。彼のしっぽのつけねのあたりにご注目ください。すごく赤っぽく見えますよね。しかしこれは「赤」ではありません。茶色の縞がつくる模様の一種なのです。 それではなぜ茶色の毛色の子にこのような赤っぽく見える部分が出来るのか? これはおそらく、その子が「アグーティ」という要素を持っているからではないかと推測されます。たまくんの飼い主さんに見ていただいたところ実際にその通りだったのですが、たまくんのような子は、毛をよく観察すると一本一本が濃淡を持っていたりします。この濃淡のために尻尾のつけねのような毛が薄い部分が赤く見えたり、動きにつれて「あれっ、少し赤っぽいかな?」というふうに見えたりすることがあるのです。 しかしこれはあくまでも「茶」の毛色の濃淡ですので、「赤」の要素を持っているわけではありません。すなわち「三毛」ではないと判断することができます。 他に間違いやすいパターンとしては、「茶色の色合いが薄い」ような場合があります。これは単に全体的に色が薄めなために、縞の濃い部分を茶色、うすい部分を赤と見誤ってしまうわけです。
党員127番・れもんちゃんに登場していただきました。どうですか、れもんちゃんの毛色。上のともひろくんやたまくんに比べるととっても淡い色合いです。もしかしたら三毛かな!?と思ってしまう方もおられるのではないでしょうか。でも、ここでもう一度「赤」の毛色を思い出してみてください。
うちのカールばかお、いえカールあかおです。 ねっ、これが赤なんです。こうして並べてみると「なるほど、赤とはちょっと違うな」というのがよくおわかりいただけると思います。 さて、ここまで長々と説明してきましたが、これでどんな色の子を「三毛」と呼ぶのかはだいたいご理解いただけたでしょうか。 次回はいよいよ「三毛猫のつくりかた」、すなわち遺伝の話に踏み込んでいく・・・かもしれません。いきなり弱腰です。(笑) どこまで説明できるか不安ですが、とりあえずがんばってみますのでご期待・・・はあまりしないで軽く読み流してくださいね。あははは。(・・・・・) |
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