6.たいようは、なにいろ


皆さんも子供の頃(幼稚園とか)、

お絵かきをしたこと、ありますよね。

よく描くのが、"山と太陽と川と・・・"という風景(?)です。

わたしも幼稚園の頃、描いたことがあります。

初めて幼稚園で絵を描いた日、迎えに来た母に、先生はこう言いました。

「みぃちゃんは、太陽をきいろくぬっているんですよね、みんなは赤いのに・・・」と。

たしかに、教室に張られた絵、私以外の子のはそろいもそろって、

「まっ赤なたいよう」

が描かれていました。

家に帰ると母に、

「なんでたいようをきいろにしたの?」と聞かれました。

(これは怒っている訳じゃないですよ、一応。)

なんでって・・・。

「たいようはきいろいんだよ」と、わたしは母に言いました。

母は、「そう言われればそうねえ、なんでみんなは赤いのかな?」

と言いました。

否定されなかくて良かったですよねえ。

そんな小さいうちに「否定」ということをされたら、

絵を書くことがいやになっちゃいますから。

わたしからすれば、他の子が、「たいようをあかく」ぬっていることに驚いていたくらいです。

だって、さっきわたしが言ったように、太陽は赤くない、

「きいろかった」から。

誰かに教わったのではなく、

「自分で見た」から・・・。

そう、太陽を見ていたのです・・・。

見たといっても、まぶしくって、一瞬でしたが、見たのです。

その太陽は、「きいろ」でした。

正確に言うと、白っぽい黄色・・・。(細かいですね。)

「太陽を見ると目が悪くなるから、直接見ちゃダメなのよ」

と母に言われていたのですが、見たいものは見たい。

たまに”ちらっ”と見るんです。

そうすると、しばらくの間目の前に黒い影が見えて、目をつぶると太陽のような色の光が見えました。

それがおもしろかったのかな?と今になっては思うのですが・・・。

で、そういう経験から、

「たいようはきいろ」

と、わたしは思ったのです。

当時のことは良く覚えていませんが、とにかく、周りの人はびっくりしていたような気がします。

わたしは逆に、

なんで自分の目で見たままを描いちゃいけないんだろうって、思いました。

まあ、今思うと、太陽なんて直接見るのは「夕陽」くらいだから、赤いのかなあ・・・とか。

その後、学校で「地学」の授業があり、先生は

『太陽のような恒星は、青白いほど温度が高く、若い星、赤くなるほど温度が低い、年寄りの星。

それでいうと、太陽は中年だから、黄色く光るんですね。』

とのたまった。

ほーら、やっぱり!

わたしは、「自分が正しかった・・・」と思いました。

でも、大人になってから友達などに聞くと、何人かの子は

「きいろいたいよう」

を描いた、と言っていました。

わたしだけじゃないじゃな〜い。

しかし、「きいろいたいよう」の話は、今でもよく話題に上ります。

みなさんは、「太陽」、なにいろで描いていましたか?


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