準備が終わって控え室で待っていると、お昼が出てきました。
といっても着物を着ているし、そんなに食べられないということで、サンドイッチなど。
ふと横を見ると、鏡を手に、必死にメイクを直している子が…。(たぶん高校生)
自分でやらなくてもメイクさんに言えば、直してくれるんですけどね。
そんなことをしているうちに、リハーサルの時間になりました。
順番にホールへ移動します。
しかし、これも大変。
なにしろ人数が人数だし、みんな着物だし、エレベーターに乗れる人数の限界もあるし。
移動だけで時間をくうのです。
移動すると、会場はすでにセッティング済みでした。
ちょっと緊張するのです。照明とか本物だし客席もけっこう広いし…。
で、歩き方とか、右向いてから左向いて、後ろ向いて…などと細かい指示があり、
モデルのわれらは必死に覚えます。
しかしモデルさんは百何十人という人数、しかもシロートなので、主催者の人も大変そうでした。
ショー自体のリハーサルが終わると、次に表彰式のリハーサルがありました。
審査員の方がグランプリなどの賞を決定し、表彰するのです。
ここらへんは普通のショーにはありませんね。ちょっとオーディションっぽい。
そのリハーサルの表彰で、わたしは’グランプリ’に選ばれました。
(司会の人が適当に選んだ番号がわたしだっただけ。)
これでリハーサルは一通り終わり。わたしたちはいったん控え室に帰ります。
(このころすでに、わたしは慣れない髪形のせいで頭痛がしていて、つらかった・・・。)
入れ替わりにお客さん(モデルさんの関係者ばっかりです)が入場。
ここでわたしたちは、帯、ヘア・メイクなどを直して待ちます。
客席が落ち着いたところで、出番です。
番号順に並んで再びエレベーターで移動。
(この頃は、まだ余裕がありました。)
そして舞台裏に並んで、自分の順番が来るのを待ちます。
舞台には4人一組で出ました。
その4人となんとなく励ましあったりしてしまうのです・・・。連帯感とでもいうか…。
この時にはもう、みんな緊張してますからねえ。笑い声も引きつってたりして…。
わたしの出番は真中辺りだったので、出番を終えた人たちが横を通り過ぎていくんです。
「もう終わったのかあ、いいなあ・・・」なんて思ったりしつつ、緊張は高まっていきます。
そしていよいよ舞台袖につくと、ドッキドキです。
そこでもう一度、段取りを確認するのですが、足はかくかく言ってるし、冷や汗も出てくる…。
もう、「なるようになれ〜」って心境でしたね。
なるようになれ〜、の出番はあっという間に来ます。
照明がまぶしくて客席はほとんど見えませんでした。
しかも、段取りどおり歩くことに集中してるのと、倒れそうな緊張と、頭痛とで、
笑っている余裕などありませんでした・・・、とほほ。
(後で家族に聞くと、「怒ってるみたいだったよ、笑えばいいのに」と。笑えるかあ!)
数分の出番が終わって舞台裏に行くと、モニターがあって舞台を見られるようになってました。
次の人をモニターで見つつ、
「ああ、終わったよ〜、もういやだあ〜〜〜!」とココロの中で叫んでいるわたくしでした。
プロのモデルさんを尊敬します。
そのあとの表彰式は、つつがなく終わり、(わたしは表彰されませんでしたが)
集合写真をとって、やっと終了。
もう夜になっていました。へとへとです。
控え室にたどり着くと、急いで着物を脱いで服に着替えました。
「ほっ」
やっぱり、着慣れた洋服がいい。
"日本全国着物化計画"は到底無理だ、と確信したみぃでした。
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キンチョーの本番中 | 全員集合〜。 右のほうでたすきをかけているのが賞を取った人。 これでも全員じゃないんですが、壮観! |
本番前、まだヨユウのころ。 |
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