4.着物ショーに出た!(後編)



準備が終わって控え室で待っていると、お昼が出てきました。

といっても着物を着ているし、そんなに食べられないということで、サンドイッチなど。

ふと横を見ると、鏡を手に、必死にメイクを直している子が…。(たぶん高校生)

自分でやらなくてもメイクさんに言えば、直してくれるんですけどね。

そんなことをしているうちに、リハーサルの時間になりました。

順番にホールへ移動します。

しかし、これも大変。

なにしろ人数が人数だし、みんな着物だし、エレベーターに乗れる人数の限界もあるし。

移動だけで時間をくうのです。

移動すると、会場はすでにセッティング済みでした。

ちょっと緊張するのです。照明とか本物だし客席もけっこう広いし…。

で、歩き方とか、右向いてから左向いて、後ろ向いて…などと細かい指示があり、

モデルのわれらは必死に覚えます。

しかしモデルさんは百何十人という人数、しかもシロートなので、主催者の人も大変そうでした。

ショー自体のリハーサルが終わると、次に表彰式のリハーサルがありました。

審査員の方がグランプリなどの賞を決定し、表彰するのです。

ここらへんは普通のショーにはありませんね。ちょっとオーディションっぽい。

そのリハーサルの表彰で、わたしは’グランプリ’に選ばれました。

(司会の人が適当に選んだ番号がわたしだっただけ。)

これでリハーサルは一通り終わり。わたしたちはいったん控え室に帰ります。

(このころすでに、わたしは慣れない髪形のせいで頭痛がしていて、つらかった・・・。)

入れ替わりにお客さん(モデルさんの関係者ばっかりです)が入場。

ここでわたしたちは、帯、ヘア・メイクなどを直して待ちます。

客席が落ち着いたところで、出番です。

番号順に並んで再びエレベーターで移動。

(この頃は、まだ余裕がありました。)

そして舞台裏に並んで、自分の順番が来るのを待ちます。

舞台には4人一組で出ました。

その4人となんとなく励ましあったりしてしまうのです・・・。連帯感とでもいうか…。

この時にはもう、みんな緊張してますからねえ。笑い声も引きつってたりして…。

わたしの出番は真中辺りだったので、出番を終えた人たちが横を通り過ぎていくんです。

「もう終わったのかあ、いいなあ・・・」なんて思ったりしつつ、緊張は高まっていきます。

そしていよいよ舞台袖につくと、ドッキドキです。

そこでもう一度、段取りを確認するのですが、足はかくかく言ってるし、冷や汗も出てくる…。

もう、「なるようになれ〜」って心境でしたね。

なるようになれ〜、の出番はあっという間に来ます。

照明がまぶしくて客席はほとんど見えませんでした。

しかも、段取りどおり歩くことに集中してるのと、倒れそうな緊張と、頭痛とで、

笑っている余裕などありませんでした・・・、とほほ。

(後で家族に聞くと、「怒ってるみたいだったよ、笑えばいいのに」と。笑えるかあ!)

数分の出番が終わって舞台裏に行くと、モニターがあって舞台を見られるようになってました。

次の人をモニターで見つつ、

「ああ、終わったよ〜、もういやだあ〜〜〜!」とココロの中で叫んでいるわたくしでした。

プロのモデルさんを尊敬します。

そのあとの表彰式は、つつがなく終わり、(わたしは表彰されませんでしたが)

集合写真をとって、やっと終了。

もう夜になっていました。へとへとです。

控え室にたどり着くと、急いで着物を脱いで服に着替えました。

「ほっ」

やっぱり、着慣れた洋服がいい。

"日本全国着物化計画"は到底無理だ、と確信したみぃでした。




おまけ(画像がちょっと重いかも…)


キンチョーの本番中 全員集合〜。
右のほうでたすきをかけているのが賞を取った人。
これでも全員じゃないんですが、壮観!
本番前、まだヨユウのころ。

    


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