第4話「夢の箱の中には・・・」
(昼寝の前、大騒ぎだった。子供たちが、今日こそ、夢の箱の鍵を開けてほしいというのだ・・・。ストーリーは思い浮かばない・・・どうしよう・・・と思うがまま、自分の口が動くままに、子供たちの心を感じるままに身をまかせて語りはじめた・・・)
「にわとりさん、こんにちわーーー。鍵をもらいにきましたーーー」ボールを持って、にわとりさんの家に遊びに行きました。そして、その日は、とても運が良く、1個目の卵を割ると、ボールにチャリー−−ンと音がして、簡単に鍵がみつかりました。
その鍵を持って、嬉しくて走って帰りました。ところが、家についたら、ポケットに鍵がないのです・・・・
(子供たちから、「そんなのダメーーーー。めんどうくさいからでしょ・・・眠いからまた、おはなしをおわらせるんでしょーーー」などの文句が出る。)
「わかったわよ!!じゃあ、鍵は落とさないわよ・・・」
その鍵を持って、嬉しくて走って帰りました。目の前には、夢の箱があります。その鍵の穴に、鍵を入れました。ピッタリです。それを、右がわに、クルリとまわしました。鍵は、カチャリと、いい音がしました。何と、夢の箱が・・・・夢の箱が、あいたのです。私はドキドキしながら、中をのぞいてみました。「うわーーーーーっ」思わず、声が出てしまいました。
夢の箱には・・・夢の箱には、いったい何が入っていたでしょうか・・・・。それは・・・・
それは・・・・それは・・・・
なーーーんにも入っていなかったのです。だって、あなたたち、みーーんな目を開けているでしょ。目を開けている人には、夢は見えないのよ!!!
おっすまい!!!
(このあと、なぜかシー−ンと しずまりかえったのも、おかしくてたまらなかったが、こどもたちの中の不満足を思うと、もっとおかしかった。この日、全員昼寝をしたのだ・・・・)
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