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4タイプ別の適した飲用温度例

日本酒の個性を生かすため、そしてより美味しくいただくため非常に大きな要素となるのが温度設定です。
日本酒は他の種類と比較すると、飲用温度帯の幅の広さが持ち味ですが、香りと味わいで分けた日本酒の4タイプ分類を基に適した温度設定があると判断されます。次の図表は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が考案したものです。


温度帯 オススメ度
適した飲用温度:10℃前後(8〜15℃)
清涼感のある香味が特徴的で、冷やすことによって爽快さが映えます。しかし、あまり冷やしすぎると持ち味である華やかな香りが感じにくくなったり、酸味や苦味などの刺激要素が突出したりする場合があるので注意が必要です。香りが控えめで旨味成分が割としっかりしたタイプなら、ぬる燗も可能です。
温度帯 オススメ度
適した飲用温度:5〜10℃等
爽快な酒質と爽涼な飲み口、フレッシュな味わいが特徴的なこのタイプは、しっかりと冷やすことで特性が生きます。また、味わいの成分中に苦味や酸味などの刺激的な要素が少ないため、冷やしすぎてもこれらの要素が突出することがありません。このタイプの中で熱燗に向くタイプも存在します。
温度帯 オススメ度
適した飲用温度:15〜18℃または40〜55℃
飲用温度帯が最も広く、飲用温度の違いによって様々な変化を見せるタイプです。コクと旨味成分をしっかり持っているので、この要素を生かすことがポイントに。旨味のふくらみが映えるやや高めの温度設定が好ましいでしょう。
温度帯 オススメ度
適した飲用温度:15〜25℃または35℃
軽快なものから重厚なものまで様々で、温度設定はそれぞれ異なります。重厚な旨味成分を持つものほど高めの温度設定と考えればよいでしょう。また、大きく嗜好が分かれる傾向が見られるので、好まれる方には高めの温度帯で、そうでない方には低めの温度帯で、強い香りと旨味を抑えて飲みやすくする工夫が必要な場合があるでしょう。燗にする場合でも、温度が高すぎるとバランスが崩れるので、低めの設定にします。

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