北海道親子自転車旅行2002

■8月11日(日) 摩周→茅沼 曇りのち一時晴れ

 霧で有名な観光ポイント「摩周湖第一展望台」まで向かうことにした。 展望台まではただひたすら上り坂。霧はどうか? 坂のどこまで走れるのか? 期待と不安な1日のスタート。

4:00

 ふと目が覚めた。隣のベッドで寝ていたタカヒロがベッドから落ちかけて、 無意識のうちにはい登っている姿を目にした。
5:30

 起床。やはり天気が気になりテレビのスイッチを入れる。今日の天気は曇り。 摩周湖を見ることができるか、気になって仕方が無い。雨でも霧でも、展望台まで行く ことは、昨夜のうちに二人で確認していた。しかし、坂を登って何も見えなかった時を思うと、 タカヒロがどう感じるものか、気になってしまう。
6:20

牧場の敷地内で  すぐ隣の牧場の乳搾り見学に伺う。そこでは約100頭の牛の乳を毎日搾るとのこと。 1頭ずつ搾乳器を付けていく。牧場主に自分達の親指を搾乳器に入れる様指示され、恐る恐る指を入れて みると、「痛いッー」。 定期的にキツク締め付けれらて、痛みを感じたのだ。なにやら牛の心臓の鼓動に合わせて動いて いるらしい。またひとつ勉強になった。自由研究課題その(3)とする。
7:00

 朝食。またもや夕食同様、敷地内のレストランでの食事。牛乳は、先ほどの牧場 のものを使う。自慢の焼きたてパンもまた牛乳入りでおいしい。ハム&卵とサラダで、パンも牛乳も 食べ&飲み放題。北海道で初めてパン食の朝を迎えた。
8:30

摩周YHの前で  チェックアウト。天候は霧。バイクの旅人は次々にエンジンを温め、出発していった。 きっとサーッと摩周湖第一展望台まで走り、サーっと次の目的地へ向かうのだろう。 自転車に荷物を載せ、チェーンにオイルをスプレーし、「のんびり行こう!」、「ウン」で、 走り始めた。
9:00

摩周湖まで4キロ  出発。第一展望台までは約6キロ。ユースの方には「摩周湖までの4キロの坂がキツくなるヨ」と、 教えてもらった。平地で歩けば1時間のところを、これからどれだけの時間がかかるのか、 ・・・・・・・だ。 出発して約2キロ。霧雨が降り、カッパを着ていたが蒸れて暑い。 そして言われた通り、坂がキツくなってきて、タカヒロの 「チョッと止まって!」が始まった。 タカヒロは漕ぐことが苦しくなってきたのだ。 摩周湖まであと4キロのところで、早々と休憩。記念に写真を撮ろうとしたが、「コッツーン」っと、 カメラがアスファルトを跳ねた。カメラの三脚に付ける父の手が滑った・・・・・・。 (2年前に「さくらや」で買った最、保険を付けておいた。修理費は保険で?良かった。) 撮影する上で支障が無いようだが、フィルム装填蓋に隙間が見えるため、バンドエイドを 貼って撮影した。 ここからは、カッパを脱いで自転車を押して進む。
10:00

摩周湖まで1キロ?  あと何キロだろうか? 日差しが差してきて暑さを感じる。霧雨に濡れた アスファルトが乾き始め、水蒸気になって消えていくのが見える。 眼下左手の川湯温泉方面の雲は厚いが、湖側と思える右側は晴れている。 父は「見えるかもしれない、摩周湖が見えるかもしれない!」を連発し、タカヒロを急かす様に、 自転車を押すペースを上げた。
10:30(5.8キロ)

摩周湖から  とうとう摩周湖第一展望台到着。野上峠もキツかったが、摩周湖展望台まで来た。 展望台からに立つ人々の姿に、摩周湖が見える気配が感じられ、大急ぎで展望台へ向かった。 「・・・・・・・・・・。」感激!の一言。 快晴ではない。摩周岳や、遠く斜里や阿寒方面の景色は見えないが、摩周湖の湖面がはっきり 見える。父は夏の摩周湖3回目にして、初めて湖面を見ることができた。 しかも今回は、自転車で一歩一歩自分の足で押して上って来たのだ。 歩いた4キロも無駄ではなかった。頑張ったタカヒロにも、摩周湖を見せてあげることが でき、責任を果たせた気がしてホッとした。 時間とともに刻々と変化する風景。瞬く間に霧が流れ、霧の摩周湖も見せる。 まさに神秘の湖である。 売店でメロンを1切れずつ(200円)買って食べる。タカヒロは エゾシマリスにひまわりの種を あげるのに夢中になる。思いっきり摩周湖の傍で過ごす。 そういえば、「摩周の霧水」という単なる「水」を買って飲むのを忘れてしまった。残念!
11:55

 摩周湖を離れる。国道の摩周の交差点まではほとんどペダルを漕ぐことなく、 約9キロほどの距離を30分で下りてきた。
12:30(14.7キロ)

 交差点のコンビニで、昼食に弁当を食べる。 交差点では、続々とバイクが、摩周湖への坂に向かって曲がって行く。 2人の今日の予定はあと約40キロ。大きな峠は無いが、3時間はかかる距離だ。
13:00

 のんびりと休憩も取らず、午後のスタートを切った。「摩周湖でのんびりと し過ぎたかもしれない」と、反省しながら走行。 途中、先ほどのコンビニで話しをした2人組のサイクリストに追いつかれ、 ダラダラと続く上り坂で追いつかれてしまった。 しかし、その2人組が大きな交差点で戸惑った隙に、再度、逆転。そして、また抜かれる。
13:50(29.2キロ)

思い切り走って休憩で  二人組みを必死に追走するが、影も形も見えなくなり、休憩。 50分で15キロ。今回の自転車旅行で、親子のサイクリストにとって、初めてスピードを出した、 連続走行だったかもしれない。
14:00

 再スタート。途中、標茶の風牧場のヨーグルトを食べに休憩。ちょっとミーハー?
15:25(47.7キロ)

 南標茶のコンビニで休憩。ここでも風牧場の飲むヨーグルトを発見。 タカヒロはまた飲む。辺りはすっかり平坦地になった。釧路湿原に入った様な感じを受ける。 あと10キロ程でホテルへ着くはずである。あとひと頑張り! 五十石橋を渡る。しかし、またもやダラダラと長い坂が邪魔をする。 ここまで二人が頑張ってきたのは、ホテルの温水プールで遊ぶためで、 「温泉!」「プール!」を合言葉に、励まし合い、走ってきた。 「早くホテルに着きたい。」「早くホテルの温水プールに入りたい・・・・・・。」 JR茅沼駅の入り口を過ぎ、坂が下りに入ったところで、ホテルの看板を発見。 ホテル手前、最後の1キロが、急な上り坂になっていた。
16:20

 ホテル:むらぎし到着。ホテルまで競争しながら走った。「あー、疲れた」が2人の言葉。 今日も自転車は、別棟の建物(研修用?倉庫?)を開けてくれ、大切に保管していただいた。 今日もまた優しい心遣いに感謝、感謝。 早々とチェックインを済ませ、ホテルの温水プールへ向かった。 タカヒロが「?????」 プールの水を見て固まった。温泉によるプールのため、プールの底が 汚れて見えた。モール温泉のため、水が茶褐色なのだが、タカヒロには理解できない様で、 すぐにプールでの泳ぎを止め、すぐ隣の温泉へ疲れを癒しに向かった。 ここは付近の方々も、温泉とプールを楽しみに訪れる場所の様だ。宿泊客は、案外と少なかった。
18:30

ホテルむらぎしの夕食  夕食。海の幸か、山の幸か気にはしていたが、テーブルに並んでいた食事は、 刺身、チャンチャン焼き、毛がに、白身魚と海の幸が並んだ。ここで毛がにが食べられるとは 思っていなかったが、明日向かうゴールの釧路までは、50キロ弱。 新鮮な海の幸あるゴール釧路はすぐそこなのだ。
19:30

 テレビを見て過ごす。夜、星を見に外に出ようと思っていたが、何時の間にか 雲が覆い、空気も冷たかった。タカヒロは、「今日も星は見られない・・・・・・。」と、 残念がった。 しかし、テレビの天気予報は、明日の天気は晴れ。雨を心配する必要はないようだ。 北海道を自転車で走るのも、あと1日。短い期間ではあるが、お尻も痛くなり、 体全体の疲れを感じる。でも、もう少し走っていたい。そんな気持ちだ。 言葉には出さないが、タカヒロも足にエアーサロンパスをスプレーしている。疲れているみたいだ。
22:30

 就寝。タカヒロは、「もう少し遅くまでテレビを見たい。」と、言っていたが、 テレビを消し、電気を消すとすぐに寝息が聞こえた。 ただ一言、「お疲れ様!」だ。今日は摩周湖が見られて良かった。北海道に来て良かった。

■本日の走行距離:56.1キロ

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