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| 「豚舎・設備のお悩み解決!」(80)「農場の防寒と凍結対策」 皆さんの農場の豚舎は冬に結露しますか? 「する」豚舎では防寒設備に不備があるかもしれません。 結露する水分のほとんどは豚の呼吸によって室内に放出される水蒸気です。 それが、断熱が悪くて冷たくなった天井や壁に冷やされて水になったものです。 結露した水が給餌器に落ちて餌が固まったり、カビが生えたり、床が濡れて豚の体温を奪ったりすることで、疾病や発育遅延に繋がりやすいものです。 結露がある豚舎ではアンモニア臭もキツイことが多いです。 それは、換気不足が原因しています。豚舎の断熱が足りないから閉めきって換気も出来ない状態です。 このような豚舎では屋根や天井の断熱材追加施工や壁断熱材または断熱カーテンの施工が必要です。 あわせて最低換気の施工も必要です。 天井が無い豚舎に天井を施工する工事は面倒でコストも比較的高くなるので、そのような豚舎では、現在の屋根の上にカバールーフを施工した方が安上がりです。 豚舎側面のカーテンが巻上げ式1枚の豚舎では、その内側に巻下げ式カーテンを施工して2重カーテンにするのが効果的です。 こうすることによって寒い外気が豚に直接当たることを防ぐことが出来ます(図1)。 断熱カーテンに交換する方法も有効ですが、ネズミ対策をしないと、せっかくの断熱カーテンがネズミの穴だらけになってしまいます。 換気設備では、排気ファンのシャッターが破損したままになって、外気が逆流しているケースが時々見受けられます。 これも寒気が豚に直接当たる原因にもなります。 母豚では流産、肉豚では尾かじりや脱肛を誘発することがあります。 プラスチック製のシャッターは壊れやすいので、予備を購入しておくと遅滞なく修理できますのでお勧めです。 また、価格は高くなりますがステンレス製のシャッターに替えた方が長持ちしてよいです。 次に豚舎の断熱以外のところでの凍結防止対策についてです。 最近のCSF対策として皆さんの農場でも防疫対策を強化していることと思います。 まず第一歩は農場に出入りする車両の消毒です。 入り口に洗浄機を置いているところが多いと思いますが、洗浄機は断熱のしっかりした小屋に納めて、室内が0℃以下にならないように保温しましょう。 プレハブの物置に収納している農場もありますが、断熱が不足します。 その場合は内側に50mm厚ぐらいのスタイロファームを貼付けると良いです。 凍結防止とは関係ないですが、消毒効果を高めるために、車両消毒スペースはコンクリートまたはアスファルト舗装にしましょう。 さらに、消毒機は動噴ではなく、温水洗浄機にしましょう。 設備代は高くなりますが、防疫効果は高くなります。 豚舎の洗浄に使う高圧洗浄機は機械室に据え付けておき、豚舎へ高圧配管をしている農場も多いと思います。 洗浄機を持ち運ぶよりも便利です。 しかし機械室が寒くなる農場では、使用後に水抜きをする必要があります。 この不便さを解消するには、洗浄機をコンパネなどで作った箱を作って収納しておくとよいです。 但し、ネズミのすみかになる恐れがある場合は、洗浄機収納箱の中に写真2の様なネズミ避けを入れておくと良いです。 次に防疫がらみでもう一つ。 肉豚出荷トラックの洗浄と消毒です。 豚舎もそうですが、消毒よりも大事ですが乾燥させることがもっと大切です。 トラックの荷台に、凍結した洗浄水が残ったまま次の出荷に使ったりしていませんか。 このようなケースでは、外気をシャットアウトできるトラック車庫とジェットヒーターがあれば解決できます。 扉の無い車庫しかないのでしたら、扉またはシャッターを追加しましょう。 ジェットヒーターをタイマー運転にしてトラックの荷台と運転台を乾燥させて下さい。 次に汚水処理施設です。 給水配管はたいてい保温材を巻いておくので凍結はしないでしょう。 保温ヒーターも併用する場合は毎月1回は通電されているかどうか点検しましょう。 汚水配管の方は直径が太いので保温されていないことがほとんどです。 傾斜の緩い配管が長い間に垂れ下がっているところはありませんか。 そこが凍結すると管が狭くなって通りが悪くなります。 垂れ下がっているところは修理しておきましょう。 凝集剤を使った脱水設備がある農場では、機械室の断熱が悪くなっていないかどうか点検しましょう。 建屋に隙間風が入る箇所があれば修理して下さい。 もし建物の保温が間に合わない場合は、凝集剤配管も保温しましょう。 私のお客様農場で凝集剤配管が凍結して凝集剤ポンプが停止した例がありました。 最後に豚舎とは関係ないですが、融雪剤(塩化カルシュウム粉剤)があると、車両のスリップ防止や、従業員の転倒防止などに役立ちます。 ホームセンターでも売っていますので、是非買い置きしておくことをお薦めします。 |
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