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「豚舎・設備のお悩み解決!」(47)「
細霧に代わる、煙霧による空間除菌消臭」 昨年は餌単価が下がったため、結構利益が取れたところが多かったようです。 しかし今年は昨年よりも相場が下がることと、餌の値上げが予想されています。 そのような厳しい環境で利益を出して行くには慢性疾病を低減するする事も重要なファクターとなります。 そのためにはオールインオールアウトにするのがベスト、とはわかっているけれども資金が足りない。 という事情の農場さんも多々あるようです。 では、細霧消毒ではどうでしょうか。 ある程度の効果は有りますが、ノズルの近辺が濡れすぎることや、薬液が届かない場所が出来てムラが出ます。 それでは煙霧消毒機を使ったらどうでしょうか。 たしかにムラなく隅々まで消毒する事も可能ですが、普通のエンジン式では人が肩に掛けて消毒して回らなければいけませんので、 手間と労務コストが大きくなってしまいます。 全自動で部屋中満遍なく散布できる煙霧装置はないものかと思っていましたら、見つけましたので今回ご紹介します。 超音波式煙霧ミスト装置AG-500というものです。
エンジン式やコンプレッサー式に比べて、音が静かで動力費も安く抑えられます。 また、酸性の薬剤も使えるように主要部品はステンレスやプラスチックで出来ており、腐食による劣化の心配がありません。 外部の薬液タンクからの連続供給も可能で、タイマーによる間欠自動運転も出来ますから、手間なく簡単に空間除菌消臭が可能です。 さて、これを使って何を散布するかと言いますと、次亜塩素酸水です。 次亜塩素酸ソーダと混同されがちですが全く違うものです。 どちらも殺菌、殺ウイルス、消臭効果に優れていますが、次亜塩素酸ソーダは人畜に刺激が強いので不向きです。 次亜塩素酸ソーダはハイターに代表される塩素系漂白剤です。 こう聞けば皆さんも納得がいくことでしょう。 では次亜塩素酸水とは何かと言いますと、化学式がHClO(エイチシーエルオー)で、食塩水を電気分解して作られます。 食品添加物にも指定されているくらい刺激が少なく、安全なものです。 次亜塩素酸は有機物や菌、ウイルス、臭い物質に触れると、相手を酸化分解して水に戻る性質があります。 だから安心して使えます。 それでいて、ありとあらゆる菌やウイルスを死滅させる効果が有ります。(注:使い方により効果が出ない場合もあります) 養豚場での使い方としては、分娩舎や離乳舎での下痢を減らす目的で煙霧散布することが効果的と言えます。 メーカーによる農場テストでは、15分間隔で噴霧するとちょうど良いそうです。
連続散布では次亜塩素酸水が無駄になるし、コストも掛かりすぎますから。 次亜塩素酸水を作る時は特殊な電気分解装置が必要なので、家庭で使う時や農場で試しに使う時は購入した方が安いです。 ただ、一般のお店には売っていません。 インターネットショップでは数多くのサイトで販売されています。 ノロウイルスやインフルエンザにも効果が有ると言うことで、一般家庭でも使うところが増えているそうです。 購入する際に注意すべき事があります。 次亜塩素酸水は紫外線で分解されやすいので、遮光容器に入れた状態で販売されているものを選びましょう。 また、製法も「2液法」と「電気分解法」がありますが、品質は電気分解法が上なのでこちらを選びましょう。 濃度表示も重要です。濃度の高い製品を水で薄めて使う方がトータルコストが安くなりますから、 販売単価が安いだけの濃度の薄い物はやめたほうがよいです。 さて、次亜塩素酸水は脱臭効果も高いので、豚舎の脱臭目的で使うのはどうでしょうか。 効果とコストのバランスを検証しなければいけませんが、バイオフィルター式脱臭装置の欠点をうまく補えるものと考えています。 バイオフィルター式脱臭装置の欠点は、ホコリで目詰まりしやすいことと、換気効率が落ちるので、換気扇を追加すれば電気代が増えることです。 超音波煙霧装置の消費電力は微々たるものですから、あとは次亜塩素酸水をどれだけ安く調達できるかが勝負だと思います。 農場で脱臭目的に使うなら、電気分解式次亜塩素酸水製造装置を購入した方が長期的に見て安上がりになるはずです。 是非、皆さんもトライしてみてはいかがでしょうか。わたしも積極的に普及に力を入れたいと思っています。 |
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