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「豚舎・設備のお悩み解決!」(13) 豚舎の火災予防
空気が乾燥する冬は全国的にも火災が多く発生する季節です。
表1は昨年1年間の畜舎の火災件数です。
表2が近年の養豚場火災の原因をまとめたものですが、 次いで多いのが暖房機器の過熱や暖房機器からの引火で、これも約1/3です。
それでは、原因別に防火対策を見ていきましょう 【配線からの漏電やショート】
漏電の原因は@ネズミによる食害、
天井裏の配線がかじられても、普段は目にすることの無い部分ですから、気づかないことがほとんどです。
対策としてはネズミ駆除業者に依頼してネズミの繁殖を、
ただ、豚舎には豚の餌という、ネズミにとってもご馳走が沢山ありますから、
ネズミが多い豚舎は大抵、このような餌の管理が不徹底な農場のようです。
また、配電盤や操作盤の中にネズミやゴキブリや蜘蛛などが巣を作っていることがあります。
また、電線の引き込み口も点検して下さい。 Bの水分による漏電は、ネズミにかじられた場所や、経年劣化でヒビが入った電線、電線の接続部分などで発生します。電線管を通した配線であれば前者2つの原因は抑える事が出来ます。要注意は電線の接続箇所です。新しい時は電気工事店がきちんと接続ボックスに入れて囲っているはずですが、配線を追加したり、修理したりした時に、防水処理がおざなりになっていることがよくあります。心当たりのある農場では、電気工事店にお願いして、接続部分の防水処理を総点検してもらうことをお勧めします。 いずれの対策も費用が少なからずかかることです。しかし火事になってしまえば、何百万、何千万という損失を被るわけですから、しっかりと点検しましょう。
次に、すべての電気回路に漏電ブレーカーが設置されているか点検しましょう。
また、漏電ブレーカーをバイパスして器具を追加配線するなどの、
昨年の豚舎火災の1例では、何棟かある豚舎の中で、
漏電ブレーカーには黄色い点検ボタンが付いていますので、
【電気器具の加熱やショート】
まず第1にコンセント回りから点検しましょう。
中には重いACアダプターもぶら下がっていて、
そこにホコリが溜まると、湿気を吸った時に火花が散って発火します。 使用器具数が多い場合は、必要な数が間に合う口数があるテーブルタップを使って下さい。
また、延長コードを使用する場合は、
また、巻き取りドラム式延長コードは許容電流の半分以上電気を流す時は、
巻いたままですと放熱が悪いので、許容電流内でも発熱してコードが溶ける場合があります。
(図6)は三相200Vプラグです。
使用後に素手で触れないくらいに熱くなっていたら、
また、電源コードを引き伸ばしたまま長い間使っている場合は、
これは危険ですから絶対にしないで下さい。
また、よくある電気器具の発火箇所は
高圧洗浄機などが要注意品です。
電源スイッチがガタついていたり、その周辺が熱くなっている時は、
例えば、洗浄機が動かなくなった時に、 【ガス暖房器具】 代表的なものはガスブルーダーとガス温風ヒーターです。
ブルーダーの場合、何らかの原因でつり下げている金具が外れて
保温箱の蓋をする場合はガスブルーダーではなく、
更に、古くなるとつり下げチェーンが錆びてもろくなっている
ガス温風ヒーターでは吹き出し口近くに燃え安いものがあると危険です。
この他にガス器具全てに共通することですが、ガス管が錆びて穴が空いていたり、
ホースの引き回しに注意をするとともに、ホースが堅くなっていたり、 【火花が飛ぶ作業】
表2にも2例ありますが、溶接の火花(火玉)は200℃以上の高温になっていますから、
コンパネなどは直ぐに発火せず、作業が終わって、人が離れた後に発火することがあるので
また、グラインダーで金属を削った火花も要注意です。 【たばこの不始末】 総務省統計の一般の火事原因では3位に入っています。 農場に於いては喫煙場所と喫煙時間を指定するのが最善の策と言えます。
くわえたばこのまま仕事をしている人を見かけたことがありますが、
また、喫煙所でも、吸い殻は水につけて火を消して、 たばこの火をただもみ消してゴミ箱に捨てた事による発火が各地で報告されています。 【まとめ】 万が一火災が発生した場合に備え、日頃から用意しておくべきもの
まずは火災をいち早く察知するための警報システムまたは火災報知器が必要です。
次に初期消火に備えて1部屋に1本以上の消火器を備え付けてください。
一定規模以上の農場では毎年、消防署の立ち入り検査があるはずです。 最後に、不幸にも火災に遭ってしまった場合にも再起を図れるように、火災保険の加入も忘れずに確認しましょう。
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