○ 内容 文部科学省では、昨年「教育御意見箱」を設け、学校現場における教育活動について、日頃感じた疑問や御意見などを国民から広く募集したところ、学校における男女の扱い等について、様々な事例とそれに対する御意見が多数寄せられた。 そこで、各学校の実態を全国的に把握するため、その状況について調査を行った。 ○ 調査事項 次の各項目における男女の扱い等に関する平成17年度の状況 ・ キャンプや林間学校、修学旅行などの宿泊を伴う活動の状況 ・ 内科検診などの身体検査の状況 ・ 水泳時や体育時における着替えの状況 ・ 運動会や体育祭等での騎馬戦や徒競走の状況 ・ 児童生徒の名前を呼ぶときの呼称の状況 ・ 桃の節句や端午の節句といった行事の状況 ・ 学校での男女の扱い等に関する保護者等からの苦情や問い合わせの状況 ○ 調査対象 全国の公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園(本校と分校は1つの学校として、また、在籍している児童生徒が男子のみ又は女子のみである学校は対象外) 平成18年 6月30日 文 部 科 学 省 注)各学年の数を合計したものは当該学校種の総数とは一致しない。%は各学校種の全国の数に対する割合を示す。 【キャンプや林間学校、修学旅行などの宿泊を伴う活動】 キャンプや林間学校、修学旅行などの宿泊を伴う活動で、男女同室で宿泊している学校数(体育館や公民館等で宿泊を行っている場合などを含む) <小学校>
(状況や理由) ○ 学校の体育館や公民館、講堂等の広いところで、両端に男女分かれて宿泊。 ○ 昼間の活動班(学年縦割り班を含む)が宿泊時も継続している。 ○ シーズンによって確保できる部屋が限られる(小規模校など)。 ○ 2〜3段ベッドが部屋の左右に分かれているような部屋で男女分かれて宿泊。 ○ 保育所等から同じ仲間である小規模校の場合。 ○ 仲間と協力する、友だちと仲良くする、男女の協力、という行事のねらいから。 ○ 従前もそうしてきたから。 <中学校>
(状況や理由) ○ 学校の体育館で、両端に男女分かれて宿泊。 ○ 小・中併設校で、昼間の活動単位である学年縦割り班でそのまま宿泊。 <高等学校、中等教育学校> 0校 <盲・聾・養護学校> (中学部及び高等部は0校) (小学部)
(状況や理由) ○ 障害が重く介助の必要があり、教員の数も限られているため。 【内科検診などの身体検査の状況】 内科検診などの身体検査を男女一緒に同室でいっている学校数 <小学校>
<中学校、高等学校、中等教育学校> 0校 <盲・聾・養護学校> (中学部及び高等部は0校) (小学部)
【水泳時における着替えの状況】 水泳時における着替えを男女一緒に同室で行っている学校数 <小学校>
○ 更衣室や空き教室はあるが、行くのが面倒なので、着替え用のタオルなどを使って教室で着替えしてしまっている。 ○ 着替え用のタオルなどを使用してうまく着替えられるため。 ○ 更衣室や空き教室がない。(→着替え用のタオルなどを使用して着替えている) <中学校、高等学校、中等教育学校> 0校 <盲・聾・養護学校> (中学部及び高等部は0校) (小学部)
【体育時における着替えの状況】 体育時における着替えを男女一緒に同室で行っている学校数(体操服の上に着ている制服や上着などを脱ぐだけのような場合も含む) <小学校>
○ 体操服の上に上着などを着ているだけなので、教室で着替える児童が多い。 ○ 更衣室や空き教室がない。(→教室等で肌が出ないように上手に着替えている) ○ 更衣室や空き教室はあるが、行くのが面倒なので(肌が出ないよう上手に着替えられることもあって)、教室で着替えてしまっている。 <中学校>
○ 更衣室や空き教室はあるが、行くのが面倒なので(制服の下に体操服を着ていることもあって)、教室で着替えてしまっている。 ○ 更衣室や空き教室がない。(→制服の下に体操服を着てくるなどしている) ○ 制服の下に体操服を着てきているため。 <中等教育学校> 0校 <盲・聾・養護学校> (小学部)
○ 体操服の上に上着などを着ているだけなので、教室で着替えている。 【運動会や体育祭等での騎馬戦の状況】 運動会や体育祭等での騎馬戦を男女混合で行っている学校で、騎馬の構成が混合である学校数 <小学校>
○ 小規模校のため少人数であり、男女の人数のバランスが悪いため。 ○ 以前から男女混合で行っているから。 ○ 学級全体の団結力を高めるため、またはクラス対抗で行っているため。 ○ 男女協力・男女平等の意識を育てるため。 ○ 小学校と中学校の合同の運動会であり、騎馬の下を中学生と小学校高学年が作り、騎馬の上は小学校低学年にし、男女区別なしで騎馬を組んでいる。 <高等学校>
(高等部)
○ 男子の手のひらの上に足を乗せて帽子を取り合う形で行っているため、身体接触が少ない。 ○ 女子生徒が少ないので男女混合で騎馬を組んだ。 <中等教育学校> 0校 騎馬の構成は男女別であるが対戦を男女混合で行っている学校数 <小学校>
(小学部)
○ 小規模校のため、男子(あるいは女子)だけでは競技が成り立たない。 ○ 以前から男女混合で行っているから。 ○ 帽子を取ったり、頭に風船を付けてそれを新聞紙で割ったりする形なので、身体接触が少ない。 ○ 男女区別する必要がない、他の行事も男女一緒だから。 <高等学校>
○ 参加を希望する者だけで行っているから。 <中等教育学校> 0校 【運動会や体育祭等での徒競走の状況】 運動会や体育祭等での徒競走を男女混合で行っている学校数 <小学校>
○ 小規模校のため、学年の人数が少ない、または男女の人数のバランスが悪い。 ○ 走力別に行っているので、結果的に男女混合となる。 ○ 体力差がなく、別に分ける必要がないから。 ○ 男女平等の意識から。 <中学校>
○ 小規模校のため、学年の人数が少ない、または男女の人数のバランスが悪い。 ○ 走力別に行っているので、結果的に男女混合となる。 ○ 他の行事も男女一緒だから。 <高等学校>
○ 女子が少ないため、女子の単独種目が成り立たないので、希望者が参加。 などであった。 <中等教育学校> 0校 <盲・聾・養護学校> (小学部)
○ 障害の程度に応じて行っている、または学年の人数が少ないため。 【児童生徒の名前を呼ぶときの呼称の状況】 児童生徒の名前を呼ぶときに、男子も女子も統一的に「○○さん」と呼ぶようにしている学校数 <小学校>
(小学部)
○ 社会に出るとみんな「○○さん」で呼んでいるので、それに合わせている。 ○ 一人一人を大切にする、相手を尊重するといった考え方から。 ○ 男女平等の意識を育てる、男女で分ける必要がない。 ○ 丁寧な言葉遣いを指導していくため。 <中等教育学校> 0校 【桃の節句や端午の節句といった行事の状況】 桃の節句(ひなまつり)や端午の節句(こいのぼり)といった行事を男女平等という観点からとりやめている幼稚園は、46園(0.87%)であった。 【学校での男女の扱い等に関する保護者等からの苦情や問い合わせの状況】 ほとんどが小学校及び中学校に対するもので、小学校については、水泳・体育時の着替え、都競争、「さん」付け呼称に関すること、中学校については、水泳・体育時の着替えに関することが多かった。 |