25.オーバーブッキング(後編)

搭乗時間までまだ時間があったので、ヘレスの友達にヘレス行きの飛行機に乗れるかどうか分からないからと電話をした。ユーロの小銭がぜんぜんなかったので、電話をするのも一苦労だ。土産の手荷物がたくさんあるから、移動もかなり疲れる。

やっと搭乗ゲートの番号が表示され、搭乗が開始した。私を含め6人がオーバーブッキングで待たされたが、運のいい4人は搭乗が許され、私とマドリッドの男性が取り残された。
「今日はマドリッドに滞在して明日の朝の飛行機でヘレスに飛ぶか、セビージャ行きの最終便に乗るか、どちらにしますか?」と聞かれたので、私は今日中にヘレスに行きたいとお願いしたところ、別のイベリアインフォメーションカウンターに行くよう指示された。
そこもまた人で溢れていて、手続きに時間がかかるのが一目でわかった。やれやれ。この国は時間というものを、本当に無駄にして過ごしすぎる。

マドリッドの空港に到着してから約5時間経過して、何とかセビージャ行きの最終便に乗ることができた。
搭乗する前に、職員からセビージャの空港でヘレス行きのタクシーを手配しておくからと言われたが、これは当てにしないよう心に決めた。みんな適当なことを言って、いい加減な仕事をする人があまりにも多いからだ。
飛行機の中で、夜中にセビージャに着いてタクシーでちゃんとヘレスまで行けるか、不安で一杯だった。無理して飛行機に乗らないで、マドリッドに泊まればよかったと後悔もした。

不安を胸にセビージャに到着したのは夜11時過ぎ。私のスーツケースは予想していた通り無くなっていた。予想を反したことは、イベリアが手配したタクシーの運転手が出口で待っていたことだ。イベリアの職員が言ったように、本当にオーバーブッキングをした私とマドリッドの男性をヘレスまで送ってくれたことには驚いた。ごめんよ!疑ったりして。ちゃんと仕事をしてくれる人もいるんだと、感心した。
しか〜し、ヘレスのいつも滞在している友達の家までどう行くか、道がよく分からず家に到着するまでは本当に怖かった。夜中12時半、やっと友達の家に到着した時は大声を張り上げて喜んだ。日本を出発してから21時間以上経過していた。こんなに疲れた旅は生まれて初めてだ。そして、二度と同じ経験はしたくない。

これから旅をする人へ。スペインでオーバーブッキングをして搭乗できなかったら、  Justificanteという証明書を必ず発行してもらい、ホテルに滞在するなら必ずホテルバウチャーをもらってください。職員によっては、ホテル代は後で請求して、という人もいますが、それでは後でお金がもらえないらしいので、必ずねばって証明書をもらいましょう。

追記:次の日、友達がヘレスの空港に電話してくれて、私のスーツケースがそこにあることが判明。しかし何故か取りに来いと言われ、友達の車で取りに行く羽目に・・・。
まぁ、見つかっただけありがたいと思わなきゃね

2004.11.07.

back
next
>踊ってみよう!フラメンコ トップページへ