事務局
〒710-1301 岡山県吉備郡真備町箭田2387
相談室 藤井
   第91号  2001年7月発行
<5月総会の報告>
 5月20日、第13回定期総会が開かれました。(会員の方には別紙を同封していますので参照してください)
 午後から「これからの精神保健福祉体制について」と題して岡山県精神保健福祉センター、指導主幹の本田政憲氏に講演していただきました。本田氏は昭和52年から県立内尾センター、平成3年から現在の職場でケースワーカーとして勤務されています。以下は講演の概略です。当日配られた資料がありますので、必要な方は事務局までお申し出ください。
 「20年以上前に精神科の病院に体験入院してみたら、入院の必要のない人たちが大勢おられたことが疑問だった。今は患者さんが生活している場所で支援する方向になっている。グループホームやホームヘルパー事業、不調時の短期入所、精神障害者手帳などがそれである。来年度より精神保健福祉の担当窓口が県から市町村へ移行することになっており、サービスがより身近になった反面、プライバシーが本当に守られるのかという問題が残っている。例えば、ヘルパーが入ることによって家事は助かるが近所の目が気になるという人がいるかも知れない。しかし今のところヘルパーさんたちは意欲的に精神保健福祉の研修に参加してくれている。岡山県は国の規定よりも大幅にヘルパーの研修時間を増やして対応しているところ。
 また今までの時代は利用する本人の気持ちよりも医療の一方的・指示的なものだったが、これからは“ケースマネジメント”といって本人の気持ちに沿ったサービスの提供をするようになる。(ケースマネジメントについてのビデオ学習を6月の定例会で行ないます)家族も高齢化して負担が大きかったが、地域全体で支えようということで地域生活支援センターが現在の3カ所に加えて次々に立上げられる予定である。これらセンターの運営についても利用する本人や家族の意見を取り入れてもらうよう申し入れをしている。
 国は社会福祉法人設立の規制緩和を図ることによって家族会などの資本が乏しい団体でも小規模作業所などの施設を作れるようになった。例えばこれまでは設立に1億円必要であったがこれからは年間1100万円の補助金が出され、かつ施設の土地は借地でも良いことになったので県下でも申請されてきている。法人格が取得できれば作業所だけというのではなくグループホームやほかの事業を同時にしやすくなり、補助金もアップする。自宅をグループホームとして提供し、家賃を本人の生活費に充てるとか、運用の仕方次第では上手にやっていける時代になった。また、かつて作業所は就労訓練所のような性格だったが、今はくつろぐために設けられても良いという柔軟なものになってきている。
 この春保健所が統廃合されたことにより、保健婦の訪問を受けるのが不便になってきた。私も訪問をしているが強い期待のもとではいい関係は築きにくい。いい関係ができるまでには長い時間が必要とされる。家族の方は病院や保健所に任せきりにするのではなく、自分の地元で運動を展開してほしい。必死でやると燃えつきてしまうから困ったことを通じて横のつながりを広げるような地域づくりをしてほしい。

<6月定例会の報告>
 6月は『精神保健福祉ケアマネジメント』(全家連監修)のビデオ学習を行ないました。すでに介護保険制度で実施されているケアマネジメントと同様に精神科の分野においても来年度から取り組まれるもので、これまで当事者の方が利用したい社会資源を知らずに終わってしまったり、その人のニーズにそわないままの不十分な活用で終わっていました。これにともない多面で系統的なサービスの利用を行なえるよう、当事者と契約を結ぶ形でその都度ケアマネジメントを通して関係者が確認していきます。
 ビデオではケアマネジメントの概要と実際の2巻に分けて収録されています。ご覧になりたい方には貸し出しもいたしますので事務局までお申し出ください。

お知らせ
 7月定例会は20日(祝)13時30分よりマインドホールにて山内医師による病気と薬についてのお話をしていただきます。特にこれまで直接お医者さんに聞きにくかったり、疑問に感じていたことなどがありましたらこの機会にご参加ください。
 8月定例会は病院の夏祭りに自主参加となります。