事務局
〒710-1301 岡山県吉備郡真備町箭田2387
相談室 藤井
   第87号  2000年11月発行
《9月定例会の報告》
 9月は病院との合同研修で、倉敷市総合福祉事業団 玉島ホームヘルプステーションの西井主任とヘルパーの藤田さんをお招きして、現在実施中の精神科訪問介護モデル事業の概要と訪問の実際について話していただき、その後2班に別れて意見交換を行ないました。
 まず、西井さんから概要について説明していただきました。 同事業団の登録ヘルパーは210名でうち常勤は30〜40名、 ホームヘルパーの業務内容として 洗濯・買い物・掃除などの家事援助 身体介護 生活をしていく上での相談援助があり、これらの援助を通して生活全般を支えている。身体障害、知的障害、高齢者、精神障害者が対象で勤務時間は月曜から金曜までの7時〜21時。
 現在取り組んでいるこの事業は「精神障害者訪問介護(ホームヘルプサービス)試行的事業」といい、平成11年6月から国の予算を受けて開始。平成14年から市町村単位で実施される障害者基本計画(さまざまな障害者に対しての取り組み)に移行するためのモデル事業として県内では岡山市、倉敷市、津山市が取り組んでいる。
 訪問対象は精神保健福祉手帳をもっている人で、保健婦さんが関わっている人の中から選んでおり、ヘルパーは精神保健の研修を受けた上で訪問、炊事、洗濯、掃除、買い物などを行なっている。今はモデル事業なので利用は無料であるが本格実施では有料となる。訪問した成果を評価委員会というところで検討し、本格実施に向けての参考にしている。保健婦さんも関わっているので訪問してもらい、“チームで支える”という意識が強い。14年度からの利用希望される場合は市町村単位で異なるので住居地の市町村役場に問い合わせてください。
 援助を通して感じたことは信頼関係づくりが大切であり、来てもらって良かったと思える援助を心がけている。また一人で支えるというのは難しい。作業所のような受け皿があったり、地域の人の助けがあって成り立っている。家事援助だけでなく心のケアもしていると思う。
 次に、藤田さんから実際に訪問している高齢の親と2人暮らしの方の報告をしていただきました。
 訪問は週2回2時間程度で依頼された品物を買いに行ったり、一緒に炊事をしたり話し相手やトランプをしたりと家事援助以外の関係づくりもしている。訪問する人によっては家の中になかなか入らせてもらえなかったり、自分自身にも病気に対する差別や偏見もあったがつきあっていくうちになくなっていった。在宅生活の自立は急がず徐々に援助しているつもり。(担当ヘルパーの交代は半年ごとが目安)年2回保健婦さんとの情報交換を行なっている。
 この後2班に別れて意見交換を行ないました。
話題の中心は
 実際にサービスを行なっていて難しいことは起きないのか、問題が起きたときにどんなふうにフォローしているのか、親なき後、本人の自立にむけてホームヘルプサービスが頼りになるサービスとして期待できるのか、どういう手続きでいつから利用できるのか、もっと利用回数は増えないのか、またホームヘルプサービスのほかにグループホームや利用できる社会資源はあるのか、今ある資源は少ないので行政に訴えてどんどん増やしていこうといった意見が出されました。
 また、実際にヘルパーさんと共同で訪問している病院職員からは「最初、戸惑いがちにヘルパーも訪問してくれていたが訪問回数が多くなるにつれて本人との関係も取れてきて本人の立場で細やかな援助をしてもらえるようになり、病院の訪問だけでは行き届かない部分への援助が心強い」との感想も聞かれました。

10月定例会は家族の方のみによる自由討議(クローズドミーティング)でしたので議事の記録はありません。

お知らせ
 11月の定例会は全家連大会他各種研修のため、振り替えとさせていただきます。
 12月定例会は10日(日)13時30分よりマインドホールで、自由討議と研修報告を行ないます。