安全性 safety 

 

 ゾイド新シリーズと旧シリーズの間には、PL方の施行という、生産者の生産責任を明確にした法律が作られている。その結果、新シリーズのパッケージには、大きな注意書きがされるようになっている。では、注意書きがあればそれですむというのであろうか? やはりゾイド本体にもそれなりの安全性への配慮はされている。

 

 安全性においての注意すべき点は、とがった先端部分である。まずは、シールドライガー、セイバータイガー(サーベルタイガー)のキバを見てみることにする。

左が旧シリーズ、右が新シリーズ。

 これだけでその違いはわからないかも知れないが、側面から見るとその違いは大きくわかる。

旧シリーズは、鋭くとがっていないとは言え、キバ本来の形を損なわない、シャープなラインをしっかり再現している。対する、新シリーズは、正面から見えにくい、内側(裏側)の方に少し厚みを設けて、先端の鋭さをなくしているのである。結果、先端の鋭さは損なわれるが、刺さる心配のない配慮がされているといえる。

 

 もう一つ大きく目立つのは、アイアンコングのミサイルである。

左が旧シリーズアイアンコングMk-2量産型のミサイル、右が新シリーズのアイアンコングのミサイル。先端をすっぱり切り取ったような、実際には旧シリーズの先端のまわりに継ぎ足しているわけであるが、フラットなノーズコーンは、ミサイルとしては、違和感を拭えない。しかし、確かに安全性という点では、向上していることも否定できない。

 なお、アイアンコングのミサイルの先端の変更は、ZOIDS2の時に既に確認されているモノであり、今回の日本での新シリーズのための改修ではないことは指摘しておかなければならない。

 

 アイアンコングのミサイルの先端の改修を見る限り、安全性への配慮は、海外版ゾイドが出来たことによってなされているとみるべきかも知れない。実際、日常生活のかなりの部分における安全基準は、日本よりも、アメリカ、ヨーロッパの方が高い位置にすえられている。ゾイドにおいては、海外での安全基準を満たすモノが上手く再生産され、結果現在の日本の安全基準を満たすことが出来ていると言える。

 これをふまえ、逆な見方をすると、今後の再販ゾイドのラインナップの可不可が判断できるかも知れない。つまり、旧ゾイドで現在の安全基準を満たせないゾイドは、再販が難しいと言えるのである。しかし、上のような部分的な改修を加えて、安全基準を満たすようにしさえすれば、再販のめどを立てるのは難しくないことも証明されていると言える。問題は、安全基準を満たした結果の丸みをどうするかということになるのであろうが、ここに訪れる入植者の大部分が、旧シリーズを知るユーザーであることを考えれば、自分でシャープさを演出すればよいわけで、大した問題とはならないであろう。 

 

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