ナンバリング numbering

 

 ゾイドがアッセンブルプラスチックキットモデルある以上、各パーツは、名称が与えられる。もちろん単純に順番に数字がうたれていくナンバリングである。ここに何らかの変更はあったのであろうか? もちろん変更があったからこそ、ここで取り上げるのであるが、まずは、旧シリーズにおけるナンバリングを十分に理解し、その上で新シリーズのナンバリングを見てもらいたいと思う。

 

 ゾイドは当初から、組立手順の順番に部品にナンバリングされている。これは、当初のゾイドにあった、分解組立が簡単、という特徴を生かすために必要な措置の一つであった。つまり、一度組み上げたゾイドを分解して再度組み立て直すときに、部品を部品に刻印されているナンバーの順番に組み立てていけば、またもとの形に戻ることが出来るように配慮されているという事である。しかし、これの結果生まれてしまったのが、ランナーレイアウトへの弊害で、どうしてもランナー上から部品が探しにくくなってしまったのである。そこで、トミーが見いだした打開策が、各ランナーへのアルファベットのネーミングであった。

 新シリーズはこの過去の教訓をふまえ、ランナーにネーミングが行われているのである。周知の通り、ゾイドの本体の金型は当時のモノを使っているので、その当時の金型に、ランナーへのネーミングの加工を施しているのである。このように、ランナーに新たにネーミング部分が加わっているのがわかる。

旧シリーズゴジュラスのランナーパーツ

新シリーズゴジュラスのランナーパーツ

 これに伴い、取扱説明書も、各パーツにアルファベットを加えたモノに修正されている。

       

旧シリーズゴジュラスMk-1の作業手順9の部分。

パーツにナンバーは表示されているが、アルファベットはない。

    

新シリーズゴジュラスの作業手順9

パーツにアルファベットとナンバーが表示されている。

 こうして、新シリーズは、旧シリーズのナンバリング方法が時代とともに変わっていったことをふまえて、旧シリーズが最終的にたどり着いたナンバリング方法を、スタート時から採用することにしたのである。結果、組み立てやすく、部品も探しやすい、キットモデルになっているはずである。ただし、部品は探しやすいと言っても、一つのランナーの中のレイアウトは必ずしも隣り合っている部品同士が連番になっていないので、旧シリーズの弊害が全く持って解消されていると言うわけではない。

 ランナーへのネーミングがされたと言っても、各部品への刻印は数字のみで、金型の改修は、最小限に押さえられていると言える。なお、金型の改修について少し触れると、生産国がJAPANとなっていた部分は、全て、B/OゾイドはTHILAND、ゼンマイゾイドはCHINAに改修されている。

 

 ところで、もしトミーのゾイド担当者の方が入植してらっしゃるのであれば、ここで公開質問いたします。

 当惑星政府研究室が、ゾイドのナンバリング方法の研究発表を行ったのは、1999年1月です。この時に5週にわたって連載いたしました。新シリーズのランナーへのネーミングの決定はいつ行われたのでしょうか?

 ちなみに、1998年に発売された、ゾイドを彷彿とさせる、スーパーアクション、カメックスとリザードンには、ランナーへのネーミングは採用されていません。

 海外版のZOIDS2では、説明書上においては、各ランナーにアルファベットでネーミングされていますが、ランナーには改修は行われていません。

 

 もし、惑星政府研究室の研究発表を見た後に、急遽採用したのであれば、少しは新シリーズに向けて役に立てたと思いたい。(1999/10)

 

 

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ゾイドゴジュラス取扱説明書より転載