パッケージ package
すぐに違いがわかるのはこの部分。商品外観となるパッケージである。
旧シリーズにおいて、パッケージはゾイドの設定変更と商品展開の方針により少しずつ変化してきている。その意味からすれば、今回新シリーズとして登場する上でパッケージが変化しているのは当たり前のことである。幾度と無く変化を重ねている旧シリーズと今回の新シリーズのみを比較することは単純には出来ないので、ここでは、旧シリーズには採用されず、今回初めて採用されたパッケージの作り方をあげてみることにする。
一番の大きな違いは、商品に対する注意書きの書き方である。これは、PL法の施行に大いに関係してくるであろう。1995年7月に施行されたPL法を受け、おもちゃにはパッケージに注意書きがされることとなった。同時にその注意書きは、決められた絵記号により大きく表示することとなり、旧シリーズとは、この有無がそのまま大きくパッケージの違いになってくるのは当然のことといえる。同時に、このPL法を受け、STマークのあり方も、それ以前と変更があったと思われる。尚、この辺のことは、惑星政府の不得手とする分野であり、こちら「日本のおもちゃ情報」を参照してもらいたい。
さて、もっとゾイドにのみ限定した部分で言うと、政府が特に指摘したいのは、ギミックの紹介が枠の中で大きく行われているという事である。旧シリーズでは、ギミックの紹介はパッケージ裏面に言葉で説明があるだけであったり、大きく目立つ部分しか紹介されていなかった。しかし、新シリーズでは、矢印を合成し、細かくそのギミックを説明していることは、ブームになったと言われて久しいフィギュアとは違った、電池やゼンマイで動くおもちゃであるという趣を与えようとしていることが見て取れると言える。
実際には、旧シリーズの最後期の一部のB/Oゾイドにもこのような矢印を合成したギミックの説明がパッケージになされていた。しかし、ここで注意しなければならないのは、B/O、Hiパワーユニット(新シリーズには、この定義はありませんが、当惑星では、新シリーズも旧シリーズの定義において述べていきます。)、パワーユニット搭載ゾイドのいずれにも例外なく同じ紹介方法がとられているという事が新シリーズの新しい方法・試みであると定義できるのある。
また、新シリーズでは、パッケージの大小にかかわらず、ゾイドストーリーが掲載されている。これも、新シリーズの新しい試みの一つであるといえる。そのストーリーを一部紹介してみることにする。
ZAC2099 ガイロス帝国は「大陸間戦争」でのヘリック共和国との決着をつけるべく、西方大陸へ奇襲部隊を送り込んだ。「トライアングルダラス」は強電磁海域と化して渡ることが出来ないため、帝国軍は西方大陸へ迂回する作戦にでたのだ。これを察知した共和国軍も西方大陸へ進軍。西方大陸の西側は帝国軍、東側は共和国軍の勢力圏となった。西方大陸の中央南に位置する「メルクリウス湖」。その湖の中央には大陸全土が見渡せる「オリンポス山」がある。西方大陸で一番高い山だ。この山を征した者がこの戦争を征する。この西方大陸を舞台に新たな戦いが始まった。 600円ゾイドパッケージより転載 |
ここで注意しなければならないのは、このストーリーの中に、マンガやテレビに登場する具体的キャラクター名が出てきていないと言う点である。既にアニメの第1話で、主人公のバンが搭乗したシールドライガーであるが、そのパッケージに「バンが初めて操縦したゾイド」という解説は載っていない。また、パッケージの右下もしくは左下に、キャラクターが合成されているという事もない。この辺の話しは、「新旧シリーズの比較」という点からするとそれた話しではあるが、以後の結論へ向けての前置きとしてこの場で紹介しておきたい。
旧580円シリーズ、旧780円シリーズを統合した、新600円シリーズについて、取り上げてみることにする。
既に周知の通り、新600円シリーズは、旧シリーズとパッケージのタグのつき方が異なっている。旧シリーズにおいては、縦長にしたパッケージ本体にかなりの長さを持ってタグが着いている。しかし、新シリーズでは横長にしたパッケージに、短いタグが着いている。もちろんパッケージ本体の大きさはランナーの大きさに比例しているので、変わることはない。だが、縦横の違いとタグの大きさの違いから、新シリーズの方が何となくこじんまりとした印象を受ける。これは、そのまま小売店での陳列にかかわってくると言える。
旧シリーズにおいては、その最盛期、MZ系列のゾイドを型式番号順にまとめて陳列しておく専用の釣り下げ台があった。さすがにあれだけの数のゾイドを陳列するのであるから、それなりの大きさになるわけで、大規模小売店にのみ見ることが出来たモノである。旧シリーズはあの黒地のタグの長さの分、商品のディオラマ写真を映えさせるのによいモノであったかも知れない。しかし、釣り下げて陳列するにはスペースを取りすぎるのである。これに相対するのが、新シリーズのタグの付け方ではないだろうか。結果、少ないスペースで、かなりの600円シリーズを陳列することが可能となるのである。
海外版のZOIDS2では、旧580円シリーズのゾイドは、横長の箱にタグのないモノであった。しかし、このシリーズは、モノによって、透明プラスチックのタグを後で接着剤で張り付けるなどの対応により、やはり釣り下げることを可能とする処置が取られている。
ゾイドは組立キットであるモノの、玩具としての展開が続けられている。その意味では、釣り下げ式の形態は、プラモデルとはちがう玩具然とさせる良い手段であろう。旧シリーズをふまえ、小売店側の意見を反映させたつくりとなったと見るのがよいと思われる。
バリゲーターパッケージより転載