アイブズ

交響曲第2番
 これまでの有名な2曲と較べると、この交響曲は無名と言ってしまってもいいでしょう。アイブズはちょうどラフマニノフと同じ時代、日本でいえば明治の初期に生まれ、第2次世界大戦後に亡くなったアメリカの作曲家です。彼は、専業の音楽家ではなく、保険会社の経営者としてビジネスの世界で成功した実業家でもあります。
 大学で作曲を勉強していたものの、保険会社に就職したアイブズにとって、自分の作曲した交響曲を演奏してもらう機会などあるはずもないわけで、20才そこそこの時に作曲したこの第2交響曲も、初演されたのはなんと50年後。バーンスタインがアイブズを評価して、積極的に作品を演奏したからです。
 この曲がニューヨークフィルによって初演されたとき、アイブズはすでに70才以上でしたが、隠居生活の山荘でラジオの中継放送を聞いたのだそうです。
 曲は5楽章からできていますが、1楽章と第2楽章、4楽章と5楽章は続けて演奏されます。第1楽章は、ほぼ弦楽器だけで演奏され、最後にオーボエが主題を吹くとそのまま軽快な第2楽章に入っていきます。第3楽章はゆっくりとした楽章。第4楽章は、第1楽章と同じテーマで第5楽章につづきます。第5楽章は、フォスターの名曲、賛美歌、行進曲等の有名な旋律が、それこそちりばめられていて、最後は不協和音で終わります。
(488)


トップへ   曲目解説目次のページへ  

MAN man@leaf.email.ne.jp