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Q).new 小学校で英語の授業が必修化されると聞きましたが・・・?
A).2011年度から小学校5,6年生で週1コマ外国語活動が必修化されます。必修化の目的は英語のスキルではなく、言語や文化に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとするする態度の育成です。
文部科学省では2010年度までは移行期間として、児童向けの教材「英語ノート(試作版)*」とそれに付随するCDや絵カード、教員向けガイドブックなどを各小学校に配布し英語活動を始めてもらうようにしています。
指導の中心となるのは担任の先生ですが、指導者の育成として都道府県や自治体が主体となった教員研修が行われます。これは各校から代表1名が参加して、研修を受けた代表の先生は自校で2年間約30時間の校内研修を行います。
*英語ノートの教材 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gaikokugo/note/index.htm
Q).家庭で英語教育をしたいのですが、なにから始めたらよいでしょうか?
A).もし幼児のお子さまでしたら、興味を持った事から始めていけばよいと思います。
ブロック遊びからでも、パズルでも、歌でも、興味を示したものからとりあえず始めてみましょう。絶対にABCのアルファベットから、ということはありません。
例えば、絵本から始めてみてはいかがですか。そこに登場する物を英語で言ってみる練習をしたり、アルファベットを認識したり、一冊の本でいろいろ楽しめます。幼児は聴いた英語の音をテープレコーダーのように再生できる能力を持っていますから、読み聞かせているうちに文章を反復できるようになります。ここでご紹介しています"Mouse Finds a House"を例にとりますと、ここではいろいろな動物が登場しますので、動物についての単語が学習できます。また、その動物の色や大きさについてまで発展させることができます。この絵本では"May
I〜?"の表現が繰り返し出てきますので、これを応用してさまざまな場面での言い方も練習できます。例えば"May
I go to the bathroom?" ,"May I borrow your pencil?" などはすぐに使えますね。また、幼児は本は必ずしも読む物、アルファベットパズルはアルファベットを学ぶ物、という認識はありませんから、教える側も固定観念を捨てて幼児示した好奇心や興味を更に広げてあげてください。
Q).さまざまな教材がありますが、どのようなものを選んだらよいでしょう。
A).確かに何百円かで買えるアルファベットのワークブックのようなものから、何十万円もする教材セットまでいろいろありますね。本人が喜んで使いこなして、ご両親も本人も満足できるのならどれを選んでも間違いではないとは思います。ここで私がアドバイスをさせて頂くのなら次のようなものが良いと思います。
Q).幼児のレッスン、集中させるのが難しく計画したようにレッスンが進みません。
A).そもそも幼児期は集中力が長続きしません。幼児向けの教育番組を見てください。
次々に場面が変わるのがわかるでしょう。幼児のレッスンはあまり一つのテーマにこだわりすぎるとすぐに
飽きられてしまいます。短時間でできるものをいろいろ組み合わせてテンポ良くレッスンを進めていきましょう。
短時間の学習では内容が定着しないのでは、と心配されるかもしれませんがそこはご心配なく。幼児は繰り返す
ことが大好きです。覚え始めて興味を持ったり自信を持ち始めると、自分から「もう一度やりたい」と必ず言うはずです。
また、今日のレッスンは絶対こうしなければならないと、あまりにも窮屈にレッスンプランに忠実に進めようとすると
うまくいきません。子供の興味は思わぬ方向に向くことが多々あります。無理矢理大人のペースに合わせようと
するのではなく、子供の興味に合わせて臨機応変にレッスン内容を変えていっても良いでしょう。
月単位で学習目標を設定するなど長期的なスタンスで取り組むのが良いと思います。今日これを覚えなかった、
と焦る必要は全くありません。
A).小学校から英語の教室に通い始める生徒さんは多いのですが、私はこの時期がいろいろな意味で一番難しい時期だと
思います。幼児期はとにかく遊びだとか学習だとかいう区別なく、スポンジが水を吸うかのようにどんどんいろんなことを覚えてくれますし、テープレコーダーのような能力も持っているので、耳で聴いた音はその通りに発音してくれます。
中学生になれば学校で文法の学習もしますし、文の構造などもよく理解出来るので、後はいかに練習を積むかにかかっています。
さて、その間にある小学生の英語への接し方ですが、私は二つ考え方があるように思います。ひとつは、これから英語に興味を持ってもらう段階として捉えて楽しみながら英語を学習しましょうというものと、しっかり家庭でも学習して、英検にも挑戦してみるというような考え方です。
私はどちらのからのアプローチでも良いと思いますが、「小学生にうちに英語嫌いになってしまうと困るから」(という声を実際たくさん
聞くのですが)といっていつもお遊びで終わってしまっては、どうなのかなぁという気もします。ましてやそれが週に一度一時間の話だとすると、"英語を勉強したような気分" 程度に終わりかねません。
日本人が英語が話せないのは文法中心の暗記主義の英語教育せいだと言いますが、私は語学は暗記と練習の世界だと思っています。
知らない単語を何回聴く練習しても意味ありません。日本にいて、知らず知らずのうちに外国語を覚えるなどということはまずあり得ません。
あまりに楽しさばかり強調していると、苦労して何かをわざわざ覚えたり考えたりするのが面倒になってしまうような気がするのです。
こんなことを言ってますと、怖い鬼講師のように思われてしまうかもしれませんが、私もゲームもしますし、歌も毎回唄っていますし、
楽しくと、いうのは非常に大切な要素だと思っています。小学生は楽しくなければすぐにやめてしまいますよね。
ただいつも言っているのは、宿題は毎回必ずきちんとしてくることと、家でも必ずテキストに付いているCDやテープの後について
センテンスを言う練習をしてくることです。小学生のうちは特にリスニングに力をいれておくのが大切です。
生徒さんによっては、中学年以上からは単語テストも毎回しています。小学生でも覚えることはある程度は必要です。
ただ教室に通っていることに満足してしまって、自分で何もしなければ効果が上がらないということは小学生のうちから理解してもらって
いいと思うのです。小学生は英語だけでなく他の塾通いもあってとても忙しそうです。そこであきらめてしまわず、毎日10分でも、お母様と
一緒にテープに合わせて、読む練習でもしてくだされば間違いなく効果は現れます。夕食後ご家族で5分ほど英語のゲームする事もとても有意義です。お子さまが英語学習しているのでしたら、それに興味を示して一緒になって協力してあげてください。
楽しく、でもしっかりコツコツ、これがいいのではないでしょうか。
Q)ゲームを楽しく取り入れコツは?
たとえ目的が単語を覚えるため、ある表現を定着させる為、という学習効果を期待したものであったとしても、子供達にとってゲームはゲーム、楽しめなければ効果はゼロです。楽しくゲームを取り入れるには次のような点に留意するとうまくいきます。
1.遊び方やルールがシンプルで、一度やり方を説明したらすぐに出来ゲームを取り入れる。
レッスンの時間は限られています。何度説明してもなかなか理解しにくいような複雑なゲームは、時間ばかりを取る上にレッスンのテンポを乱してしまいます。
2.できなくても気にしない。ゲームのルールを守らせる。
ゲームで間違えたり負けたからといって、それを責めたりするようなことは決してしてはいけません。チーム対抗のような形の場合、ミスをした生徒を他の子供がなじったりすることもありますが、そのような態度を取ったらゲームは中止する、などあらかじめ生徒達と約束を決めておくことも大事です。ゲームは楽しく遊ぶものです。みんなが楽しめるルールを決めておきましょう。
3.飽きる前に切り上げる。
どんなに楽しいゲームでも、延々とやっていると集中力もなくなってきて、あまり効果がなくなります。もう少しやりたい、また今度も
やりたい、と思うくらいで切り上げておきましょう。
Q)クラスマネージメントがうまくいきませんが・・・
これは英語教室の先生方が多かれ少なかれ抱えている問題だと思います。
生徒達全員が楽しく集中してレッスンできれば良いのですが、なかなかうまくいかないこともあります。
まずは、レッスンの進め方を振り返ってみたいと思います。進度にとらわれ過ぎて生徒達がうまく理解できていない
のにどんどん進めてはいないか、レッスンがワンパターンになって退屈なものになっていないかなど、慣れてくれば
くるほど気をつけなければなりません。また、ちょっとした変化を取り入れることで、生徒達の気分を変えることもできます。
例えば、
机の並び方を変えてみる
週・月ごとにstar studentを選んで表彰してあげる。(発言を頑張った、欠席をしなかった、ゲームで頑張った、宿題を忘れなかった
等)
教室のポスターやデコレーションなどを新しい物に替えてみる。
生徒の興味を惹くような教材を取り入れてみる。
など、目に見える形から変えてみるのもひとつの案です。
また、生徒の態度が悪くて困っている、という先生方の声もよく聞きます。
講師やクラスメートに対して乱暴な発言をしたり行動を取ったり、レッスンの流れを乱すような
振る舞いをする、というものです。このような態度をとられた場合、カーッとなって生徒を叱りつけたとしても
あまり効果がありません。その時は一時的に大人しくなっても、また同じ事の繰り返しです。
自分の取っている行動を客観的に認識して、それが人に対してどんな影響を与えるのかを知ってもらうことが
必要ではないかと考えます。商品の宣伝ではないのですが、Super Citizens というゲームをお勧めします。
ゲームを通して日頃の行動を見直すきっかけとなるものです。
また、レッスン毎の自分の態度を評価できるような簡単なチャートを作って、自分で評価してもらうというのも
良いと思います。not good ・good・very good の中からその日の自分の態度に当てはまるものに丸をつけたり
シールを貼ったりします。 小さい生徒さんなら、にこにこマーク(泣き顔のマーク)などの絵で表現してもいいでしょう。
幼児の生徒には私がレッスンの最後に、にこにこマークなどの絵で評価をあげていたことがありましたが(良く出来た日には
にこにこマークの顔におまけでリボン等を描いてあげると大喜びでした。)、ある日、生徒のひとりがチャートを持ってきて
「今日はうるさくしたから、このマーク(泣き顔のマークを指さして)だよね。」と言い、ハッとしました。
好き放題ただ騒いでいるのかと思っていたら、自分ではちゃんと自覚しているのです。ほんの1〜2分でも自分の行動を振り返る
時間を持つと言うことは意味がありますし、こちらが考えている以上に生徒達は真剣にどこにマークするかを考えて
いました。
クラスマネージメントについては状況もさまざまですが、そればかりに気持ちや時間を奪われてしまうというのも
本末転倒です。英語のレッスンに来ている、という前提の範囲を越えるような状態になってしまうことがあったら
ひとりで抱え込まず、本人・保護者の方とよく話し合ってみた方が良いでしょう。