■ 92.7徳洲会宇治病院小児科のMMR接種とりやめ

 私が信頼する宇治徳洲会病院小児科のスタッフはMMRを強行する厚生省の見解を批判して接種をとりやめた事実がある。一時はMMR研究班の調査に協力する意向を示したが、92年7月5日発行の「小児科ニュース bU」(小児科外来に掲示)紙面で、MMRワクチンは「幼児に接種するワクチンとして許容される限界を越えていると判断し」「当院での接種は本年9月より当分中止いたします。」と発表した。

 その根拠として次の4点をあげた。

@新三種混合ワクチン接種後の髄膜炎の頻度は実際の調査よりもっと高い可能性がある。(髄膜炎の軽い例がもっとあるのではないか)

A自然におたふくかぜにかかった時の髄膜炎の頻度が自然にかかったときより“かなり”少ないとは言えない。

B医薬品として考えるなら副反応としてのワクチン接種後の髄膜炎の頻度は現在わかっているものでも高すぎる。

C幼児の髄膜炎は後遺症がないと言いきれない。

 私は93年6月、このニュースをスタッフから入手した。この見解が時期的に遅いことは否めないが、今改めて妥当な見解だと評価する。根拠4点はことごとく厚生省の続行の見解に反論ないし疑義を呈するものであった。特にAは、千人に一人の無菌性髄膜炎発生は、自然感染後の発生率2.4%(25)より少ないとした公衆衛生審議会・厚生省の算数的ごまかしを当然ながら見破っているものである。MMR接種は接種児全てに軽く感染させるが、その後の発生率を自然感染後のそれとストレートに比較する事には明らかな誤りがある(岡氏の指摘と同じ)。MMR接種該当年齢の子供達全員が感染するわけではなく感染率が無視されているから。そもそも国内のデータではないのである。Cの指摘も先述の通り。

 統一株を使い続けた医師がいる反面、私はこのような当たり前の判断をした医師・医療機関が全国にたくさん存在すると信じている。

出典:MMRワクチンを問い直す−「お上の」予防接種は安全なのか?−  1996 MMR被害児を救援する会々員 栗原 敦