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米メルクと化血研 日本での各種ワクチン開発・販売で提携

1993.12.02 日刊薬業 7頁 (全696字) 


米国メルク社と化学及血清療法研究所は一日、各種ワクチンの日本での開発・販売について提携することで合意し、同日合意書に調印したと発表した。合意書は、新規ワクチンの共同開発と米国メルク社の開発した各種ワクチンの日本での開発・販売を、今後両社で推進していくことを確認したもの。具体的な対象ワクチンには、米国メルク社が開発した麻疹、おたふくかぜ、風疹の三種混合ワクチン「MMR2」があり、化血研がこれから同ワクチンを開発していくことになる。このほかのワクチンについては現在両社で検討中。なお今回の米国メルク社の提携先は萬有製薬ではなく化血研となったが、化血研と提携した理由については、「ワクチン全体での提携をのぞんでいた。そのためにはワクチン専門の化血研が一番よいと判断された」(日本MSD)ことがあげられている。「MMR2」は、これまでに一億五千万投与以上が接種され、販売国は世界三十五か国にのぼる。ただ日本では三種混合ワクチンは、おたふくかぜワクチンによる副作用の問題から発売を一時中断、今後の方向性を厚生省で検討中にあり、化血研では「MMR2」の臨床試験も厚生省の議論をみながら検討していくとしている。このほかに、現在米国メルク社ではB型肝炎、B型ヘモフィルス インフルエンザ、肺炎などの各種ワクチンを取り扱っており、ワクチン部門の世界での売上げは四億八千五百万ドル(九二年)。このうち、B型肝炎は萬有、塩野義製薬から、肺炎球菌は萬有から日本で販売されているが、これらは今回提携の対象外となっている。化血研の九二年度売上げは百七十億円、うち人体用ワクチン二十億円、動物用ワクチン三十億円。

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