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決算委員会

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1993/06/14

西岡瑠璃子君 ぜひ前向きの御検討を積極的にお願いしたいということを申し上げまして、外務省を終わらせていただきます。ありがとうございました。
 次は、厚生省にMMRワクチンの問題について、もう時間がございませんので非常に簡単にお尋ねをしてまいりたいと思います。
 厚生省は五月の十八日、新三種混合ワクチンMMRを製造しておりました阪大微生物病研究会の研究所を立入調査されたそうでございますけれども、その容疑はどういうものであったのか、またその結果を御報告いただきたいと思います。
 そして阪大微生物病研究所というのは、これは大阪大学医学部と非常に紛らわしい呼称でありますね。これはどういう組織であるかということ、そしてもう一つは、日ごろからこの阪大微研に対して厚生省がどのような指導監督をしてこられたのかということをお聞きしたい。
 そして最後に、これはきのうの新聞にも出ておりますけれども、MMRの無断変更の阪大微研の理事が予防接種健康被害調査委員会に参加をしている、これはどういうことでございましょうか、そういったことをお尋ねいたします。
政府委員(岡光序治君)
 まず、阪大微生物病研究会の研究所の立ち入りの件でございますが、財団法人阪大微生物病研究会からの報告によりますと、いわゆる統一株MMRワクチンに用いられましたおたふく風邪ワクチンの原液とそれから自社株のMMRワクチンに用いられた原液とで違いがあるということがわかりました。厚生省ではこの内容をチェックしておりますが、内容的には、統一株の方につきましては羊膜培養を経て製造されたものと細胞培養により製造されたものと混合したものを用いていた、自社株の方につきましては細胞培養により製造した原液を用いているという、こういう違いでございます。

 私どもはこの製造方法の違いに問題があるんじゃないかということで調査をしているわけでございますが、同法人は、培養方法の違いであってウイルス学的に同等との認識のもとに問題はないというふうに説明しております。現在、そういうことで立入調査をして入手をしました資料それから報告をもとに、検定の受検状況も含めまして事実関係、それから薬事法上の法的な問題につきまして最終的な検討を行っている段階でございまして、早急に適切な対応をとってまいりたいと考えております。
 それから、二点目の阪大微研の組織の問題、阪大との関係でございますが、所管の文部省に照会いたしましたところ、この財団法人阪大微生物病研究会といいますのは、昭和九年六月に文部省の主管する公益法人として設立されたものだそうでございます。そういうことで、大阪大学とは別個の組織でございまして、管理運営には大阪大学は関係していない。

 なお、設立の経緯から、役員の多くは大阪大学の微生物病研究所とかあるいは医学部出身の名誉教授が兼任しておるということだそうでございます。

 薬事法上の位置づけでございますが、昭和二十六年六月に医薬品の製造業の認可を得ているわけでございます。

 それから、この阪大微研に対してどういう指導監督をしてきたかということでございますが、薬事法上の医薬品の製造業者としての位置づけでございますので、その位置づけとして私ども年に一回程度の監視を行っているという状況でございます。

西岡瑠璃子君 副作用の発生がかねてから問題になっていたにもかかわらず、厚生省が適切な措置を講じないでいるうちに犠牲者が続々と後を絶たない。そして最近になってようやく接種の中止をされたわけですけれども、こういう事柄について厚生大臣はどのように受けとめておられるか、最後にお聞きをいたしまして私の質問を終わります。
国務大臣(丹羽雄哉君)
 MMRワクチンは、接種後に無菌性の髄膜炎が一定の割合で発生するということが導入後になって初めて明らかになったわけであります。このため、平成元年の十二月から、保護者から希望があった場合のみ接種をするとか、あるいは副作用のモニタリングを始めるほか、その時点で比較的被害の少なかった自社株の導入など、その時点に応じた適切な対応を私どもはとってまいりました。
 導入段階でこのようなことは実は予測できなかったものでございますけれども、各方面に不安を与えておりますことに対しましては遺憾に思っておるような次第でございます。
西岡瑠璃子君 終わります。