■ 03.3.3付坂口大臣宛「要求書」とそれに対する電話による回答(03.4.21)

○2003年3月3日厚生労働大臣あての要求に対する厚生労働省健康局結核感染症課からの回答が2003年4月21日に電話でありました。(口頭での回答をMMR被害児を救援する会事務局の責任で書き取ったものです)

(補足説明)この要求書は、03.3.13の判決を前に提出したもので、判決後の03.3.14衆議院会館において判決報告集会の場で交渉場面を設けて可能な限り回答をもらうべく準備されたものでした。種々の事情がありましたが、結局その場ではなんらコメントされることがなかったため、3月20日までに回答をもらうことで終わっていたという経過がありました。
-------------------------------要求書の各項に太字で回答をはさみました-----------------
2003.3.3

坂口厚生労働大臣 様

MMR訴訟原告三家族
MMR被害児を救援する会
事務局長 勢馬 彰
ワクチントーク全国
事務局代表 藤井俊介
全国薬害被害者団体連絡協議会
代表世話人 花井十伍

<連絡先> MMR被害児を救援する会事務局長 勢馬(せいま) 彰
 豊中市職員組合事務所内
TEL06−6858−2596
FAX06−6846−5851
〒561−8501 豊中市中桜塚3−1−1



MMRワクチン被害の責任等について(要求)

 3月13日に本訴訟第一審の判決が大阪地裁で出されます。1993年の提訴以来9年以上の年月を要したのは、貴職が情報を開示せず、被害の因果関係を争い、徹底的に国の責任を否定したためであり、その責任は被害の深刻さに重ねて極めて大きいものです。今後の予防接種行政に責任を負う立場から次の点について3月14日に交渉に応じるよう要求します。

1 本訴訟三原告の被害についてその責任を認め、速やかに謝罪し、損害を賠償すること。
2 本訴訟係争中、重大な事故を含む副作用情報、各種審議会の審議内容を隠したことを謝罪すること。
3 本訴訟係争中、原告に死亡、障害の責任を転嫁したことを謝罪すること。

回答:1〜3 係争中でコメントを差し控えます。

4 MMRワクチンによる健康被害は他のワクチンと比較して際立って多いが、この原因と責任を明らかにすること。
回答:責任については係争中でありコメントを差し控えます。原因についてはおたふくかぜワクチンに含まれるムンプスウィルスが原因と指摘されていますが、科学的根拠については現時点では判明していません。

5 MMRワクチンの「当面接種見合わせ」後になされた同ワクチンの医薬品としての評価及び導入から中止までの行政のありかたについて検討した内容を明らかにすること。

回答:予防接種法に基づく予防接種については、審議会等において専門家及び有識者の意見を踏まえつつ最新の知見に基づき対応しているところです。MMRワクチンに関しても審議会にて論議がなされ意見が出されており、それに応じて対応がとられていたものです。

6 MMRワクチン健康被害認定者の現在の状態を明らかにすること。

回答:(1)MMRワクチンの認定者数に関しては、死亡一時金受給者3名、障害児養育年金4名、医療費医療手当1032名であります。(2)平成9年までは障害児養育年金及び障害年金受給者には現況調査を毎年行っていましたが、受給者の負担軽減の目的から現在行っていません。その認定者について予防接種が原因と考えられる他の疾病にり患した場合には再度給付申請を行っていただくことにしており、その際に現状を把握できるものと認識しています。

7 上記MMRワクチンをめぐる問題を詳細に調査、解明することなくMMRワクチンの接種を再開しないこと。

回答:MMRワクチンに関しては課題が指摘されており、これらの問題が解決されない限り、MMRワクチンが再開されることはありません。

8 ワクチンと健康被害の因果関係判断では予防接種集団訴訟で判例上確定された白木四原則を適用すること。

回答:(1)予防接種と健康被害の因果関係判断については、各々の事例について疾病・障害認定審査会の意見を基に判断することとしています。(2)そのため、白木四原則を含め一律的な基準を適用することは考えておりません。

9 過去と今後のワクチン製造承認にかかわる中央薬事審議会及び関係部会、委員会の審議内容を公開し、市民の意見を聴取すること。

回答:現在、通常の薬事・食品衛生審議会については原則公開となっているところですが、医薬品等の製造(輸入)承認にかかる審議については「個人の秘密、企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益又は不利益をもたらすおそれがある場合」にあたるとして非公開にしています。

10 過去と今後のワクチンの副作用、健康被害にかかわる公衆衛生審議会及び関係部会、委員会の審議内容を公開すること。その際、発言者の氏名を明らかにすること。

回答:(1)健康被害にかかわる行政上の施策について論議する公衆衛生審議会及び厚生科学審議会の関係部会については公開ですることが原則になっています。(審議録は5年保存となっており平成10年が最古の文書になります。)(2)予防接種による健康被害に対する個人給付について審議する疾病・障害認定審査会については個人情報に基づいて審議されるため非公開としていますが、要旨についてはホームページで公開しております。

以上

*引用者注:最近の疾病・障害認定審査会の議事要旨一例
03.6.11疾病・障害認定審査会感染症・予防接種審査分科会予防接種健康被害認定部会議(平成15年6月11日09:30〜11:30厚生労働省4階専用第11会議室) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/06/s0611-3.html