YAMAHA

K-750a

ヤマハのリバースデッキK-750aです。

2ヘッドでリバース、普段なら見向きのしないハズですが、カセットデッキなのにスピーカー端子があるという事を知り、これは一度入手しておく必要があると捕獲リストに入れておいたところ、たまたま通 りかかったH/Oでまぁ許せる価格で有ったので保護してきました。

やはり、狙っているブツは焦らず待っているほうが良いようですね(^^)

もちろん不動品のジャンク品ですので復活を試みることにします。

 

ホルダーはこの頃のヤマハによく見られたアクリル一色です。

年式のわりには外装も良かったです。

 

 

 

 

 

操作スイッチ類も独特ですね。

NRにdbxまでも搭載されている事もあってか、レベルメーターもワイドスケールでカッコイイです!

 

 

 

 

 

機能的にはリバースデッキとしては標準的といえますね。

でも、上位モデルならバイアス微調整くらいは欲しかったなぁ。

 

 

 

 

 

噂通 り、スピーカー端子が装備されています。

一体中身はどうなっているのか...開けるのが楽しみです(^^)

 

 

 

 

 

ワクワクしながら開けてみると...

あれぇ??思いっきり普通です(^^;;

一体何処にパワーアンプが??電源トランスは.....??

謎だらけでビックリですが、じっくり見ていきましょう!

 

 

 

再生イコライザ回路です。

オペアンプ一発のシンプルなもので、NJM2043Dが使われていました。

ヘッド切り替えはリレーやスイッチではなくトランジスタで行っているので安心です。

 

 

 

 

録音アンプです。

これも特別どぉって事はありませんね。

 

 

 

 

 

しかし!ドルビーHXプロはK-1xと同じくディスクリートで組んでありました!

専用の1チップのほうがコスト的には有利だと思うのですが、アイワ同様に音質重視なのでしょうか?それともプライド?意地??

 

 

 

 

K-1x同様、NR基板はプラグインでした。

ドルビーICはAN7370K、dbxはAN6291が使われていました。

 

 

 

 

 

さて、問題のパワーアンプですが、それ以前にトランスが小さすぎます。容量 も15VAでとてもアンプを駆動できるものではないです。

 

 

 

 

 

 

パワーアンプ回路を発見!!

って、コレ実はヘッドホンアンプですね。

石はAN7116ですので出力は良くて1W、でもトランスがアレですから、やっぱりヘッドホンアンプですね(^^;

パワーアンプというよりもヘッドホン出力端子装備といったところでしょうか。なるほど納得。ホっとしました(^^;

 

 

問題のメカです。

とりあえず、キャプスタンモーターが動いていません!!

手で軸を回そうにも回りません。固着しています!!

 

 

 

 

いつものようにメカを取り出してバラします。

 

 

 

 

 

 

振り子はアイドラーではなくギア駆動でした。こちらは固着もなくスムース!

ギア駆動だとソニーの最高級高額クソデッキのように巻き戻しなどで音がやかましくなりがちですが、このデッキは静かなほうだと思います。

ギア駆動でも、ナカミチのように地味に良く出来ているのかもしれません。

 

 

 

固着したモーターですが、手でグリグリ回したところ動くようになりました。

しかし、回転音がゴロゴロとやかましく、とても実用になりません。

試しに軸受け部分に軽く給油してみたところウソのように静かになりました。

単なる油切れだったようです。古いから仕方ないですね。

 

 

 

リールセンサはホール素子による磁気式でした。

K-1xは光電式でしたが...同じメーカーでもこうも違うものなのでしょうかね。

 

 

 

 

 

キャプスタン軸にはスリップ防止加工がしっかりと施されていました。

いいですね。地味にしっかりと作ってあります!

 

 

 

 

 

カセット検出スイッチはタクトスイッチが使われていました!

ここにタクトスイッチを使っているモデルは初めて見ました。

 

 

 

 

 

経験上、タクトスイッチは経年で接触不良を起こしやすいのと構造上接点研磨が出来ないので念のため新品に交換しておきました。

これで安心です。

 

 

 

 

 

ピンチローラーやヘッドなどは念入りに磨き上げます。

入手時はほこりまみれでしたが、やっと見れるようになりました(^^)

 

 

 

 

 

最後にアジマス調整時にどこからドライバーを入れるのか分からず悩んでしまいましたが、走行方向表示ランプの飾りを外すと調整できるようになっていました。

その他、再生レベルや録音レベル等も微調整を行いました。

 

 

 

 

完成!かと思ったら、表示が消えてしまいました!

ああ、やっぱりそう来ましたか.....(^^;

 

 

 

 

 

やはり表示管のハンダが割れまくっていました。

古い製品ですから仕方ないですよね。

 

 

 

 

 

 

ついでに全体的にハンダが弱そうな箇所も対策しておきました。

あとでやるとなると面倒ですからね。やれる時にやっておきましょう!

 

 

 

 

 

とくに、こういうプラグイン基板の場合、コネクタ部分が割れやすいです。ハンダ対策は必須ですね。

以上で作業は完了です!

 

 

 

 

 

試聴...

まず再生音ですが、とっても普通です。いや、良い意味で普通ですね。2ヘッドにしては高域も良く伸びていますし、クセもなく素直なカセットの音です。

普通に音楽を楽しむなら十分なレベルだと思います。3ヘッドと比較してしまうと辛いですが、リバースデッキとしてはかなりの高音質モデルとなるのではないでしょうか。

しかし、録音性能はちょいとショボいですねぇ...。正直ガッカリです。

機能面でも、バイアス調整すら装備されていませんので、ひょっとするとこのデッキは録音能力を犠牲にしつつ思い切って再生能力に振った設計ではないかと思います。

2ヘッドでここまで高域を伸ばすとなるとヘッドギャップも思い切った設定になるはずです。だとすると録音では完全に不利です。バイアス調整も付いていないところから、割り切った設計なのかもしれません。

長時間録音には向きませんが、長時間リバース再生という用途には最適なデッキだと思います。

スピーカー端子も付いていますしね(^^)