イラクへの派兵 本当に良いの?

 派遣を受けるイラク国民の気持ちになって考えれば、幾ら独裁政権が続いていたからといって、ロケット砲や劣化ウラン弾の爆撃にさらされ、多数の死傷者を出した。老若男女を問わず身内や親族知人まで、社会基盤を含めた建築物も攻撃され壊滅的打撃を被った。アメリカ軍の死傷者数とは比べ物にならないほどの被害が発生している。しかも、大量破壊兵器を製造準備していたからとの戦争発生責任は、未だ解明すらされていない。
 現在のグローバル社会では、日本やアメリカ自国のみの幸福追求は許されない。地球全体の幸福追求を考慮した上で、イラクの人々が何をどの様に望んでいるのか、今一度考えてもらいたい。
 「日本はアメリカと同盟関係にあり、対北朝鮮の問題も背景にあるので、そして、何と言っても中東の石油に依存しているので」と、自国(自己)の利益を追求するあまり、不本意ながらも戦場下のイラクへ自衛隊派兵(国際法上軍隊)を進めている。公共の福祉(社会全体の共同の幸福)との調和を考えれば、矛盾する派遣であり、後の歴史に禍根を残すこととなろう。
 世論調査が示す程に多くの国民が反対であるならば、政府や国会議員への電話やメール、新聞などへの投書など、反対の意思表示をすることが肝要である。一人の意見は小さいからと声を上げなければ、結果的にイラク派兵を黙認することとなる。悪魔と軍需関係者を喜ばしては成らない。 以上

 2003年12月30日 写真家 縄田賴信
 
 
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