不用品、分ければ資源、混ぜればゴミ!
有料化の前に、分別リサイクルの徹底実施を!

 日本全国的に、地方自治体が回収する一般ゴミ有料化が近年増えている。焼却場や埋め立て処分場の費用捻出のため、処分費用負担金として有料化が実施されている。しかし、このシステムでは有料化実施で、一時的にゴミの排出量が減少しても、数年後には増加することが、過去、有料化実施を行った札幌市の統計などで実証されている。また、リサイクルのシステムではないため、焼却に伴う二酸化炭素排出増、埋め立て処分場の問題は解決しない。

 ゴミ問題を語る際、参考となる自治体例として、北海道富良野市の徹底した分別回収・リサイクルシステムの確立実施がある。ステーション回収と拠点回収は、徹底分別を市民が行う代わりに、基本的に無料である。

●ステーション回収ゴミ
 プラスチック、ペットボトル、生ゴミ(純粋に生ゴミだけで、水切り袋やアルミ箔などの異 物混入禁止)、空き缶・金属、新聞・雑誌類、枝草類、固形燃料ゴミ(衣類・革製品・ゴム製品・アルミ箔・新聞雑誌類にあてはまらない紙類・固めた油やしみこませた油・掃除機ごみ・吸殻・洟(はな)をかんだティッシュなど)、衛生用品・ペット糞、灰。

●拠点回収ゴミ
 空き瓶・陶磁器・ガラス(びんは色別3分別と、その他ガラス・化粧品びんの計4分別)、乾電池、蛍光灯・電球。

参照リンク:富良野市・住まいと環境>ごみ>ごみの分け方と出し方


 大きな自治体では、はなから完全分別は不可能だと決めている例もあり、小さな自治体でもやる気のなさが、ゴミ問題では如実に現れる。他人の家を訪問した時、トイレと台所を見ればその家の状況が判ると言われる。自治体のゴミ問題は、各々の自治体状況を如実に示している。
 札幌市内では、現在約84万所帯余りに毎月配布される広報誌や電話帳など、可燃ゴミとして焼却される割合が多くを占めている。毎週の資源回収に古紙が含まれていないため、燃やされて二酸化炭素排出増を招いている。一部PTAや町内会回収が行われているが、実態は民間業者頼みだ。毎月1~2回程度の自治体資源ゴミ回収ルートに載せると、政令指定都市であるが故、その効果は大きい。何よりも、このまま可燃ゴミとして焼却される現状は、早急に改める必要がある。

 私が1996年に札幌市環境保全協議会委員だった当時、古紙の価格は暴落し、税金による補助を求める関連業者の要望があった。下がった価格はいずれまた上がるので、税金投入に反対と私は意見したが、札幌市は税金投入、その後不正発覚となっている。

 私が小学生・中学生時代を過ごした、山口県の山間部では、年1回子供たちが廃品(ビン、空き缶、くず鉄、衣類・布切れなど)の回収を行い、地区のゴミ(資源)を学校に収集、業者に売り渡し、体育の運道具購入資金となっていた。

 現在、中国の国内需要増の影響により、資源ゴミ(紙類・プラスチック類・金属類)の価格はそれぞれ上昇している。多くの自治体が回収リサイクルを行って、予算的にも十分黒字を計上している。一部地域では、自治体と民間による、資源ゴミの奪い合い紛争が生じる程である。

 地球温暖化を考えた場合、分別すればリサイクルされる資源ゴミを、焼却や埋め立て処分に廻すのは、資源の無駄遣いであり、回り回って税金の無駄遣いでもある。温暖化対策は待ったなしの状況である。札幌市の広報誌なども、毎月発行を削減して北海道と同じく年4回発行を基本に、必要に応じた臨時版発行に変更すれば、資源予算とも節約になる。インターネット普及に伴うペーパー削減は可能である。
 以上 
 2004年10月31日 写真家 縄田賴信

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