仕事の内容

 

古くから家は大工の棟梁が間取りの計画から工事の請負いまですべてやっていました。
ですから昔の家は間取りも外観もよく似ています。
しかし、近年は住み手の価値観の多様化や、構造や仕上げ、設備などのバリエーションが
増え、とても棟梁一人で手に負える物ではなくなりました。
また、最近は省力化の必要な事や後継者難などで、残念ながら大工工事の 重要な部分
である構造材の墨付けや刻みと言われる加工一式を、コンピューター制御の機械加工
(プレカット)に依存する事になった結果、大工の棟梁の役割が減った事などもあり、
間取りや外観を計画し図面化する
設計者)と工事を請負う(施工者)とを分ける形に 変ってきました。
そして図面に基づいた工事が出来ているかをチェックする(監理者)が
必要となってきました。 監理者は、建て主の代理人として現場監督に指示を出します。
一方、施工者側の責任者は現場監督といい、設計者と細部を打合わせ 専門業者や
職人さんに指示を出したり、工事が指示通り出来ているか確認したりします。
加えて職人さんの技や知識を引き出し建物の完成度をあげてゆくことも重要な仕事です。
設計施工」で仕事を行う方法も有りますが、施主にとって好ましいやり方でない事は
以上の役割分担の違いから、 お分かり頂けるかと思います。
また、周りを見回すとハウスメーカーの住宅ばかりが目につきますが、
木や素材を生かし職人さん達が技をふるって建てた在来工法とは全くの別物と考えます。
「家を買ってはいけません」は真実です。
またハウスメーカー各社の住宅展示場のモデルハウスは最高級のグレードのもので
あたかも夢の住まいに映りますが、
現実にはグレードによって全く違った雰囲気の物になってしまいます。
またゼロエネと称して、やたらと重装備の設備をオプションとしていますが、
機械設備の寿命は建物本体に比べ短く、わずか15年ほどと言われています。
私は設計に当たって
「建物本体の断熱や気密などの基本性能を高くし
パッシブデザインを基本に冷暖房などの機械設備はできるだけシンプルに」
を信条としています。

具体的には
住い手の方からの相談を受けます。電話、FAX, E-mail 何でも結構です。
(電話&FAX:026-273-3066)アクセスMAP
新築・増改築・リフォーム及び建物用途に関わらず、お気軽に御相談下さい。
土地探しも御協力いたします。
   
設計図を作成し、確認申請など許認可をとります。
   
施工業者の選定をサポートします。
   
工事が設計図通り行われているか、仕事の出来はどうか、各工程毎に現場をチェックします。
   
建物完成時に最終チェックを行ない、役所検査や引渡しに立ち会います。
   
建物完成後の維持管理についてアドバイスやサポートをします。

どんなに小さな敷地でもいくら予算が厳しくても
こんなことはむずかしいかなと思っても、一度相談してみてください。
必ず解決策が見つかるはずです。
条件が多い程、また厳しい程、腕の見せ所があり、燃えます。


”『頼んで良かった』と言われるような建築”を創りたいと思っています。

 

設計・監理の流れ

 



1.相談・打合せ
建物に対するご希望を伺います。
この段階では、自由に夢や希望を聞かせて頂きたいと思います。
薪ストーブやOMソーラーを希望される場合などプランにかかわる大きな要素を確認します。
気に入った家の写真など有りましたらお見せ下さい。大体の好みが判ります。
   
敷地の状態・法規制などの調査をします。

ご要望に基づき、具体的にどんな建物が出来るのか、
スケッチ・図面などによって、ご提案いたします。
何度か打合せを行ったのち、作風や感性など相性が合い合意ができれば、
正式に設計監理契約を結びます。
契約では業務範囲や設計監理料などを決めます。
   

2.基本設計
図面・CGなどを使った打合せを行ない、
実施設計に向けて計画を詰めていきます。
   
いい家を創るためには、基本設計にはある程度の時間をかけ、
住い手とのコミュニケーションを大事にしたいと考えています。

3.実施設計
基本設計を元に工事及び見積の出来る設計図を作成します。
   
仕上材・家具・電気・設備等の仕様を決めていきます。
   
概算工事費を算出し、予算との調整をします。
   
役所に提出する確認申請の図面・書類を作成します。

4.施工業者の選定
設計図を元に数社(3社程度)の施工業者に工事金額の見積を依頼します。
(木造ならではの木の柱や梁をあらわした安らぎのある室内空間を求めた設計の場合は、
木の素性をみて構造材の刻みができる 棟梁を抱えた業者をお勧めしています。)
 
見積書の数量・金額をチェックし、選定に関するアドバイスをします。
施工業者の最終決定は、コスト、技術、信頼性などが適正なものかよく見極めて選定します。
工事費の支払いは
契約時1/3、上棟時1/3、完成時1/3が一般的です。最近は契約時の支払いをしない場合も多くなってきました。

5.工事監理(とても重要な部分です)
地鎮祭を行い、いよいよ着工です。

工事が設計図通りに行われているか現場をチェックし、
不具合があった場合は改善の指示をします。


基礎地盤確認

鉄筋・型枠検査

材木検査

基礎完了

建方

上棟式

屋根の外断熱材施工状況確認

仕口・筋交い金物検査

構造床チェック

基礎断熱、先張り気密シートチェック

構造パネル施工状況チェック

エアコン配管チェック

断熱、気密シートチェック

外張り断熱及び壁下地チェック

 
図面で表しにくい部分、仕上材やカーテン、照明器具、家具などの細部や色など、
建て主の希望をお聞きし トータルバランスを考えながらアドバイスをし、決めていきます。
建て主と一緒にサンプルを眺め、あれこれと悩んだりしながら決めるのは苦しさよりも
楽しいひとときです。


仕上材選定

施工状況確認

足場払い前の外部検査

家具取付

内部仕上施工

建具・器具取り付け


6.竣工
最終検査を行ない、役所の検査に立ち会います。
竣工図や竣工書類のチェックを行い建て主に提出します。


外部完了

内部完了

入居半年後の夏

 
外構&植栽プランや建物完成後の維持管理の為のアドバイスやサポートをします。

7.1年後検査
竣工後1年を経過したのち、施主様及び施工者と不具合が出ていないか点検します。
もし不具合箇所がある場合は施工者に改善してもらいます。
竣工後も何年か経過するごとに必要なメンテナンスがあります。
また、家族の変化に伴う改修も必要になることもあります。
そのような時は是非ご相談いただけるよう、建物がある限りその後の様子を見守りたいと思います!

 

設計監理料

 

工事費   設計監理料
2000万円以下   一律160万円
2000万円以上〜5000万円   工事費の8%

住宅で新築の場合です。上記基準をベースに見積りし合意の上確定させて頂きます。
増改築・リフォームについてはお問合せ下さい。
また遠隔地及び構造計算の必要な時、都市計画法等の許認可に伴う手間、
住宅性能表示制度に関わる申請を行う場合の手間、
申請手数料(証紙代)、は原則として別途加算して戴きます。
また軟弱地盤地での地質調査費も別途御負担いただきます。
詳しくは御相談下さい。
予算の少ない方も御相談にのりますのでお問い合わせ下さい!

 


設計料って高い?
2000万円で建てたいけど設計を頼むと設計料を取られるから、残りの1800万円分の建物しか建たない。
だったら2000万円で工務店に設計施工で頼んだほうが得かも?設計料はただと言っているし

   ちょっと待って下さい!

 
2000万円の施工業者の見積りは、果たして本当に正しいのでしょうか?
何社か見積もり依頼をしますと数百万円の開きが出ることもよくあります。
見積書は素人がみても、なかなか判りにくく、適正な見積りかどうか
専門家にチェックしてもらう必要があります。
それを行うのが建て主の代理人である設計者の仕事なのです。
設計は建物のDNA(遺伝子情報)です。
近年、特に木造は省エネルギー基準などに添って断熱気密性能の考え方が大きく変わっています。 注1)
(気密に関しては建築を専門としている人でもシックハウスがらみの誤った知識で高気密は悪だと論じている人もいる有り様です)
要するに住宅も高機能化し多岐な工法が混在して同じ外観や内装に見えても目に見えない部分の性能がまるで別物と言う事があり得るのです。
安全で丈夫な事はもちろんですが、『自然環境を取り入れ快適でいて省エネルギーな建物』を創るには、
多くの経験と新しい技術、材料や構造、環境設備も含めた優れたトータルデザインセンスが必要となります。
そんな大事なものをサービスで出来る程度のもので、きちんとした物が出来るとは考えられないことがお分かり頂けたと思います。
適正な設計料をきちんと払い設計監理者と施工者を分け、工事金額以上の価値がある建物を建てる事がコストパフォーマンスが高いと言えます。
家を建てる亊は一大事です。失敗しては取り返しが尽きません!
信頼のおける専門家に依頼し、自分の夢や希望をぶつけましょう!


注1)
断熱気密に関する推薦書: 住宅が危ない!シリーズ3「外断熱」が危ない! 西方里見著 エクスナレッジ発行

 

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