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2003年7月のお嬢(上)




 7月12日

 またひとつ、歳をとった。

 と、ここまで書いて、そういえば去年は、一昨年はなんと書いただろう、と思ってみてみると、
 去年は確か鬱だったからだと思うが日記がない。で、一昨年を見ると、なんと!

 しかも、今年も祝ってくれた何人かの奇特な方がいるのだが、
 そのうちの一人を除いて、あとの人たちの誕生日はやっぱり覚えていない…。
 まったく成長がないということがよくわかる、という意味では、この駄日記にも少しは意味があるということか。



 7月9日

 と、昨日みたいなことばかり考えていたら、胃痛で倒れた。

 しょんぼり。



 7月8日

 職場である先輩が「突然『いつまでこんなことやりゃいいのよー!!』って叫びたくなる」と言っていて、
 そしたら別の先輩が「最近、家に帰りたくないんですよねー」と言って愚痴りあっていた。
 その傍らで私は今の自分の状態を何と言って良いかわからず、ただ背中を向けてふたりの話を聞いていた。

 ふたりの状況を知っている私は、自分の辛さとか苦しさとかは彼らのそれよりもずっとずっと軽くて、
 まだまだ頑張り足りないのだ、そう思った。本当はその話の輪に入りたかったのに。
 どこかで何か、手を抜いているという後ろめたさが自分自身を支配していて、
 そんなんだから、何をやっても効率が上がらないし、いよいよますますへこんでいる。

 一番よくないのは、こうやって誰かの辛さと自分の辛さを何かの物差しで計って比較していることだ。
 そうやっている限り、誰かの辛さに共感するなどというソーシャルワーカーなど、やっていけないだろうに。
 「自分が苦しいと言えないこと」=「他人の苦しいという声に耳を傾けられないこと」ではなかろうか。
 そこまでわかっていて、どうしてその物差しを捨てられないのか。
 それほどまでにその物差しは大事なものなのか。



 7月7日

 どういうわけか地雷を踏んでしまう今日この頃。
 手榴弾を投げたら、爆発するまでの間に色々な人の手に渡り、結局自分の手元で爆発した。
 まぁ、いいか。
 どうせなら人込みで爆発してくれたほうが色々都合がいいんだけど、と思うのは心が荒んでいるからか。
 いやしかし、そういう起爆剤が必要なときもあると感じる今日この頃。
 自分の力だけでは突破できないものが、あまりにも多すぎる。



 7月6日

 「ねぇねぇ、こなつさん」
 「なーにー?」
 「履歴書の趣味欄に『殺戮』って書いたらダメかねー?」
 「ダメかどうかは知らんけど、不採用になるのは確かやねー」

 こんな会話も仕事です。



 7月5日

 石川県立能楽堂で「観能の夕べ」が始まった。
 2ヶ月間にわたって、毎週土曜に狂言と能を一作品ずつ公演する。
 で、まぁ、先日の狂言の衝撃もあったもんだから、そういう週末も良かろうか、と思って出かけたのだが、
 狂言でケラケラ笑った後、能が始まるとほぼ同時にぐっすり眠った。
 泥沼のように眠りたいとは言ったけれども、思いがけずこんな形で願いが叶うとは。
 いつだったか、今と同じような精神状態の時にクラシックを聴きにいったのだが、そのときも熟睡した覚えがある。
 邪道だとは承知の上で、それから、申し訳ないという気持ちも一応あるということを断った上であえて、
 こういう楽しみ方もあってよし、ということにしておこう。

 帰りにunpocoで一人で飲んだ。
 その後、最終バスが来るまでの時間をつぶそうと、おばの経営するスナックに行ったら、
 フと気を抜いた瞬間にはまってしまい、結局2時過ぎまで飲んでしまった。
 あー、バカだバカだバカだ。
 何をやっているのだか。



 7月4日

 いよいよくたびれている今日この頃です。
 疲れれば疲れるほど、「イキイキしてるね、こなつさん!」とか言われて苦笑い。
 もっともっとくたびれれば、誰か助けてくれるのだろうか。
 いやいや、休息は自分でとらなくてはいかんのだよな。はぁ。

 ボーナスは思ったより少なかった。
 ボーっとした頭で銀行に行ってほぼ全額を引き出して、定期預金口座に入れようと思ったら、
 間違えて積立口座に入れてしまった。はて、どうやって下ろすんだろう?
 わからないなら聞けばいいのだが、何となく積立預金を崩すと言うのは、挫折感が伴ってよくない。
 「無理して積立なんかするからよ」とどこかで言われるような気がしてならんのだ。
 というわけで、妙な見栄を張っている私は、結局ボーナスを貰っても、手元には一文無しだ。

 そのくせ買い物だけは勢いづいていて、さして欲しくもないものまでバーゲンだからと買ってしまっている。
 それから、本。それから、登山用具。それからそれから。。。
 何かどこかでバランス崩しているなぁ、と自分でも感づいてしまっている。

 あぁ、ゆっくりと泥沼のようにどたぁ〜と眠りたいなぁ。