船 中 八 策
土佐藩士の坂本竜馬は尊皇倒幕の勢いが強まる中「幕府を 支持する藩はまだ多い、無理に武力で討伐しようとすれば 内乱が起きるし、そうなればイギリスやフランスの外国勢 が干渉してくるので平穏に事態を解決したい」 と考え1867(慶応3)年6月長崎から上洛する途中、船中で新 しい政治の方針をまとめました。 その内容は次の八つです。 1、政権を朝廷に返すこと 1、上下の議会を置き、すべて公論に基づいて政治を行う こと 1、公卿・大名のほか世のすぐれた人材の中から顧問を選 ぶこと 1、新しく国家の基本になる法律(憲法)を定めること 1、外国と新たに平等な条約を結び直すこと 1、海軍の力を強めること 1、親兵を設けて都を守ること 1、金銀の比率や物の値段を外国と同じにするよう努め ること この船中八策にもりこまれた竜馬の理想は慶喜の大政奉 還により一つの実を結びました。 竜馬はさらに新政府樹立にむけ奔走しましたが同年11月 同士の中岡慎太郎とともに暗殺され、血を流さずに平和の うちに新政府をつくる願いは消えましたが、この理想は明 治政府に引き継がれ日本の近代化の礎となりました。 |
![]() 坂本竜馬 |