大 津 事 件


 1891(明治24)年5月、ウラジオストック
で行われたシベリア鉄道起工式に列席す
る途中日本に立ち寄ったロシア皇太子ニ
コライ(のちのニコライ二世)が、滋賀県
大津で巡査津田三蔵に切りつけられ、負
傷した事件で湖南事件ともいいます。
 津田三蔵はニコライ皇太子が軍艦7隻を
従えて日本を訪れたことやシベリア鉄道
が出来るとロシアの極東貿易がたやすく
なることなどから、ニコライ皇太子の来
日の目的を日本侵略のためと考えたので
す。
 日露関係の悪化を恐れた政府は津田三
蔵を死刑にしようとしましたが、大審院
院長児島惟謙は刑法に従い、津田に無期
徒刑の判決を言い渡しました。
 このことは司法権の独立を守った裁判
として有名です。

人力車上のロシア皇太子(長崎県立図書館蔵)

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