寒山寺--張継(唐時代756年頃)


張継は唐代の詩人。役人登用の試験に落ち、煬帝が建設した運河を下り蘇州に傷心の気持ちでやって来た。
船着き場に船が停泊して夜を過ごすも、なかなか眠りにつけない。そこに寒山寺の鐘の音が聞こえてくる。と謳った「楓橋夜泊」。
日本では奈良・遣唐使の時代。この詩に郷愁を覚える。現代の日本人にも広く知られている有名な唐詩である。

月落烏啼霜満天
江楓漁火對愁眠
姑蘇城外寒山寺
夜半鐘聲到客船

張継は、また、年を経て後、この寒山寺を再訪している。若い頃とは違い白髪も目立つようになって、
また夜の梵鐘の音を枕もとで聞くのである。早いものである。その過ぎ去った歳月とともにある人生。
鐘の音の響きとともに感慨深いものがある。「重宿楓橋」

白髪重来一夢中
青山不改舊時容
烏啼月落寒山寺
欹枕猶聽半夜鐘

寒山寺の雪景色(写真クリックで拡大)(協力:呉雪晴さん)