JR東日本横浜支社に要望書を提出


  1月30日、会員4名がJR東日本横浜支社を訪れ、以下の要望書を提出し、JR側と話合いを持ちました。

緑の洞門の破壊に荷担しないように求める要望書

 昨年来、鎌倉市都市整備部は、緑の洞門を開削・破壊して4m道路を通すという計画を、地元住民の大多数の意志を無視して強引に推し進めようとしています。鎌倉市とともに東日本旅客鉄道株式会社(以下JRと略)が保有する当該地の歴史的・文化的価値を軽んずることなく、北鎌倉駅周辺の景観保護に尽力されるよう求めます。

<要望の理由など>

1) 北鎌倉駅は、運輸省(現・国土交通省)関東運輸局管内の駅として、1997年第1回選定駅として真っ先に「関東の駅百選」に選ばれています。「鉄道の日」記念行事の一環として選定されたのは「古都鎌倉にふさわしく、静かで素朴な駅」との理由からでした。この北鎌倉駅の価値は、緑の洞門をはじめとする、他に類をみない独特な周辺環境で成り立っており、JRにとっても大切な財産です。

2) 現在北鎌倉駅を利用する1日平均の乗車人数は約9千名です。地元民は、路地を抜け、駅沿いの狭い道を通り、洞門をくぐって北鎌倉駅にいたる風情を愛しています。駅に降り立ったときの空気感の違いに癒されています。地元住民が緑の洞門を含む駅周辺の風情の保存を強く求めていることは、これまでの署名運動を通じて日々明らかになっています。

3) 訪れる観光客もまた、大船や鎌倉駅周辺とは異なる北鎌倉駅周辺の独特の景観を愛で、森や木々の緑、駅沿いにいくつもの洞門のある風景を楽しんでいます。先日実施した署名集めにおいて、緑の洞門を通る大船高校生の約半数も保存を求める署名に応じてくれたように、多くの人々は北鎌倉駅周辺の景観が壊されることに反対しています。昨年12月2日に鎌倉市議会に提出した3372筆に加え、2月10日〆切の第二次署名が続々と集まっており、署名の数に示される保存の熱意を受け止めてくださるよう願います。

4) 緑の洞門は、重要文化財である円覚寺境内図に示されるように、円覚寺の結界として重要な歴史遺産であるだけでなく、鎌倉ガーネットとよばれる地層としても貴重であり、歴史まちづくりに資する北鎌倉のランドマークです。北鎌倉駅を中心とする約半径1kmの圏は、台峯と六国見山の森に囲まれ、寺社仏閣が密集し、路地が入り組み、洞門が残り、歴史まちづくりの重点地域にふさわしいところです。

5) 昨年3月に都市整備部が「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」に提出した資料は正式の報告書ではなく、そこで取り上げられている「推定破壊モード」「崩落して横須賀線を塞ぐ」との論拠は疑わしく、はじめから開削ありきの誘導、情報操作と言えます。緑の洞門について、内部補強だけでなく、上部の表土を取り除いての補強策など、現在の最高の保全技術を駆使すれば、保存しつつ安全対策を図る工法は十分可能です。鎌倉市都市整備部が公文書偽造までして推し進める緑の洞門破壊に土地や資金まで提供して荷担することなきよう、良識ある企業としての対応を求めます。

6) 地元住民はもとより、通学路として利用する教育機関も、共通して待ち望んでいるのは、北鎌倉駅に改札口を新設していただくことです。既にホームの混雑による危険を避けるため、朝の通学時間帯や観光シーズンに、臨時改札口があけられていますが、洞門の大船側に改札口を設ければ、JRが安全策を積極的に講じ、社会的責任を果たしたことになります。

2015年1月30日
(提出者)鎌倉市山ノ内904-201
     北鎌倉史跡研究会 代表 出口 茂
(賛同他)NPO法人 北鎌倉の景観を後世に伝える基金 理事長 出口克浩
     北鎌倉まちづくり協議会 代表 守屋弓男
     北鎌倉明月荘の会 代表 小林紘子
     北鎌倉湧水ネットワーク 代表 野口 稔

東日本旅客鉄道株式会社横浜支社 殿

 およそ1時間半におよぶ話合いの中で、様々な事実が明らかになりました。特に問題視されるのが以下の2点です。

1、北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会に、市がメンバーと紹介しているJR横浜支社が参加していないこと

2、緑の洞門の工事費に関して、市はJRと協議中としていたが、JRは一切金銭的負担をしないとしていること(=工事費は全て税金負担)

 この件については、以下の北鎌倉湧水ネットワークのブログでも紹介くださっています。
JR横浜支社、北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協には不参加