「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」参加各位への要望書


  「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」の参加各位に以下のような要望書を提出いたしました。

「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」参加各位への要望書

1.要望の趣旨

 9月から10月にかけてすでにお送りしました「要望書」についてご検討いただいていることと思います。その後、岩塊・トンネルの保存を求め、破壊計画を止めたい私どもからすると信じがたい事実が明らかになりました。8月28日の協議会に鎌倉市都市整備部道路課が提出した「文化財専門委員会議事概要」は、トンネル破壊を誘導するための偽装、情報操作であり、こうした文書を元にした協議会の開削案採決は不当であり、いったん白紙に戻されるよう求めます。

2.要望の理由など

1)8月28日の第5回「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」(12町内会会長など、お寺や学校関係者、JR横浜支社、都市整備部が参加)では、議事次第の3番目と4番目にあたる「鎌倉市文化財専門委員会からの意見報告」と「JRとの協議について報告と今後の方針について」があり、これらを元にして、第4回協議会に提出された「トンネルの緊急架設工事」(補強工事)ではなく「トンネルの恒久安全対策」(全面破壊)でいいと採択をしました。このことは、当日傍聴した3名の当会会員が見聞きしています。

2)私どもが、9月29日に情報公開条例第5条第1項の規定に基づき行政文書公開請求し、10月14日に入手した文化財課がテープ起こしをして作製した7月文化財専門委員会会議の議事録は3ページのものでした。道路課が協議会に提出したものは2ページ弱で1ページ以上カットされたものです。要約として不自然なだけでなく、カットのしかたが恣意的で、虚偽をなすものです。(10月20日に開催しました「北鎌倉駅沿いの岩塊・トンネルの保存について考える集い」の資料集12ページから16ページをご参照下さい。)

3)たとえば「本件について、行政は、安全性に留意しながら景観を残す。住民にとっては大切な記憶、思い出であり、歴史の先生の定説を聞きながら、どういう形で残すかということが大事である」「円覚寺に参拝しようとするとき、北鎌倉駅から円覚寺のところまでだらだら行けるのは、車があまり通らないからである。ここが幅4mになると、観光客が車で来るようになると思う。」といった道路課に都合の悪い部分が削除され、隠蔽されています。

4)上述のように、道路課はテープ起こしをして作成した文化財課の議事録という公的文書の偽装までしてトンネル破壊計画への同意を誘導していると言えます。しかも、文化財課の議事録では文化財専門委員会の「松島会長」としているものが、道路課のものでは「松島委員」となっており、行政文書であってはならない改ざんをしています。

5)加えて、2013年6月7日にトンネルに接する地権者が道路課に手渡した保存を求める「意見書」がいまだに協議会に公表されていません。道路課による反対意見の隠蔽も許されることではありません。

6)さらに、道路課はこれまで、文化財専門委員会会議に対する資料という行政文書でも、トンネルの当該地が国交省から鎌倉市に管理が移ったのが平成5年と明記してきましたが、それも虚偽でした。9月25日に当会が9名で都市整備部道路課との面会を求め、様々に追求した結果、突然平成16年から移管していたと言い出すしまつです。

 以上のように、道路課は破壊を促すために都合のよい情報操作をしているのです。行政文書であってはならない偽装にまで手を染めており、危険だから安全のために破壊するという道路課の調査・計画全体の信憑性を失墜させるものです。
 こうした情報操作を元にして、開削案(トンネル全面破壊)でよしとする決をとったことは不当であり、白紙撤回されるよう要望します。

2014年10月27日

北鎌倉史跡研究会代表 出口 茂