洞門の岩の落下は「崩落」ではなく「剥落」


    8月11日に起きた緑の洞門の外側上部と外側側面の岩の落下について、鎌倉市は「崩落」と表現しています。いかにも洞門本体が崩れたような印象を与え、危険な感じのする言葉です。

 しかしながら、実際には今回の岩の落下で洞門本体部分は損傷を受けておらず、専門家の見解によると、岩の落下と今後懸念される洞門本体の劣化は全くメカニズムが違うため、今回の落下=本体がすぐに崩れると短絡的に結び付けて考えることは出来ません。

 当会では、洞門そのものが崩れ去るような印象を与える「崩落」ではなく、地層に沿って石が剥がれ落ちる(剥離する)「剥落」という言葉を8月11日以来使っています。今回、地質学の権威であり、緑の洞門の地層に詳しい松島義章・前鎌倉市文化財専門委員会会長も「剥離」が適当という見解を示されましたので、以下にご紹介します。

北鎌倉湧水ネットワークのブログより
「剥落」であって、「崩落」ではない:緑の洞門付近の岩落下

今後は鎌倉市も「剥落」という言葉を使っていただきたいと考えます。

 ↓「剥離」後の洞門外側側面 地層に沿ってきれいに剥離している
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