6月19日 一般質問 大石議員 (議会中継録音より、要旨)

平成27年6月定例会 6月19日 一般質問
公明党鎌倉市議会議員団 大石 和久
北鎌倉駅裏トンネルの安全対策について

■大石議員
地元の12自治会町内会3つの学校幼稚園などを含む、北鎌倉駅裏トンネルの安全協議会が設立され、5回の安全協議を経て、開削工法による恒久安全対策を推進する方向性が決定された。安全協議会も続けられ、12月議会に「北鎌倉駅裏トンネルの恒久安全対策を速やかに実施し、安全性の確保と共に、その手法は周辺の景観にも配慮して」との陳情が提出され採択された。このトンネルからの道沿いには住居があるが、過去に火災が発生し人命が失われた経過もあり、消防車も救急車もここは通行できない。また台風18号の時にはトンネルが通行止めとなり、地元の住民は非常に不便を強いられている。市としては北鎌倉駅裏の道路については、どのような計画を持ち、将来的にはどのような形をめざそうとしているのか、答をいただきたい。

◆小礒 都市整備部長
北鎌倉隧道を含むこの市道について、道路事業としての計画はない。しかし北鎌倉隧道に関しては生活道路、通学路であることから、一日も早く通行の安全を確保していきたいと考えている。

■大石議員
道路の事業計画としてはないのかも知れないが、今対策をしようとしているトンネルから洞門山の方へ行くと道が1.2メートルくらいに狭くなる。将来的にはセットバックをしてもらって4メートルの道を確保したいという市の意向を了解してもらって、自分の敷地の中に下水道管を入れさせてもらったという経過がある。それを考えれば、この道路は、先の消防の救急車の話もあった、4メートル道路拡幅を将来的には目指している、という答弁がなぜできないのかと私は思う。また、陳情の最後には、高齢化社会を迎えるにあたり、緊急車両が通行できる道路の整備が必要だと結ばれている。その陳情が採択されて近隣12自治町内会、3つの学校幼稚園などの方々が早期の安全対策工事を望んでいる。
そもそもこの安全協議会は市長が地元にお願いをし、立ち上げた協議会だと聞いているが、どのような趣旨でこの協議会を立ち上げたのか。

◆松尾市長
北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会だが、地元町内会から北鎌倉隧道の安全性について心配する声があり、それを受けて地元の皆さんと市が協力して問題解決に向けた協議をする場ということで設けた。

■大石議員
市長が安全協議会との協議を依頼し、その協議会が開削工法による安全対策を結論付けし、議会でも早期の安全対策の陳情を採択しているにも拘わらず、半年経過しても動きがないという現状がある。その最大の理由は何か。

◆松尾市長
トンネル安全協議会の結論が出され、議会における陳情の採択があった。協議会に於いては手法として開削工法が方針として確認されたが、市民の中には景観保全のため開削工法に反対する声もあり、隧道の安全性の検証等を現在行っているため時間をいただいている状況だ。

■大石議員
建設常任委員会の時も確認させてもらった。景観とはまた別だが、貴重な史跡と主張する人も居たが、守るべき歴史的価値は認められず、史跡指定区域からも外れている、というような答弁があったと認識している。文化財部長、再度確認させてもらう。

◆桝渕 文化財部長
北鎌倉駅裏トンネルの文化財的価値に関して。
このトンネルの掘られている尾根は、元弘3年から建武2年、西暦1333年から1335年の間に作られた円覚寺境内絵図に、円覚寺境内の西の境界として描かれていて、元々この尾根の先端は現在の県道の辺りまで延びていたと推測される。この尾根は明治22年に横須賀線が建設された時に大幅に削られている。更に昭和2年に北鎌倉駅が開設された頃、現在みられるトンネルが掘られたと考えられている。以上から、このトンネル部分は中世以来の自然地形を一部分残しており埋蔵文化財としての取扱いは必要になろうかとは思われるが、文化財特に史跡としての価値は既に滅失していると判断され、昭和42年の国指定史跡円覚寺境内の指定には、その範囲からは除外されたと考えている。

■大石議員
史跡的文化的価値は認められないという答弁だったと思う。それでは地層というのは。凝灰岩の地層は鎌倉らしさを象徴するものという主張もある。先ほどの話で、北鎌倉駅前の県道付近まで山裾が迫っていたが明治22年の鉄道敷の確保のために大きく削られ、昭和2年、北鎌倉駅が開設された頃このトンネルが掘られた。とすると、鎌倉市が過去に約2億円で購入した赤の洞門といわれるところが、一連の形で県道の方へ山裾があって、同じように削り取られているから、北鎌倉駅裏トンネルと同じ地層が確認できると思うが、どうか。

◆小礒 都市整備部長
北鎌倉トンネルは凝灰質砂岩、砂の質の中に火山灰が混ざってできた岩石と、砂岩、砂が固まってできた岩石が重なり合う地層で、この状況については付近の法面に於いても類似の地層が見られると考えている。

■大石議員
トンネルの中の地層は付近の洞門山の付近の法面でも確認できるという答弁だった。
建設常任委員会の陳情審査の中で、学生時代から利用していたが、安全を第一に人命を最優先し、涙を呑んで安全対策に賛成した議員もいた。
反対署名も当初だが3372名の署名を私も全部確認したが、約7割が市外県外であり、円覚寺などに観光に来た方に署名を求めれば、危険性などを考慮して署名したとは考えにくいと思う。
残るは景観風情という点だ。古都鎌倉に於いて景観風情は重要ではないとは言わないが、景観風情と人命とではどちらが重いのか。松尾市長。

◆松尾市長
それは人命が重いと考える。この北鎌倉隧道の恒久的な安全対策は目指して今取り組みを進めている。安全性を確保しつつ現状の景観を保全する方法がないかという確認をしている。結論を早急に出したい。

■大石議員
神奈川県の方のトンネルの調査もあった。今、日本トンネル技術協会の調査もかけている。市が、市長が言ったような、安全を確保しつつ現状の景観を保全する方法を、この日本トンネル協会に依頼しているのか。現状の景観を守りつつ安全対策ができるような工法も調査の中に入れているのか。

◆小礒 都市整備部長
トンネル技術協会への委託の内容は、一つは今まで市が行っている安全性の調査の検証。もう一つは、幾つかの条件を出しているが、今の姿を残したまま安全性が確保できる道があるのかないのか、その工法について提案をしてもらう、その2つが委託の内容だ。

■大石議員
ということは、若しかしたら、あそこは4メートルの道幅を確保しつつ、救急車も消防車も通れるような道路に整備をしつつ、あの景観を残すことができる可能性があるということか。

◆小礒 都市整備部長
その可能性も含め、検討してもらっているところだ。

■大石議員
建設常任委員会の委員もその当時のあそこを視察している。4メートル幅を確保し、高さを消防車救急車が通れるような切削をしたら、多分崩落してしまうのではないか、どんな工法があるか分からないが、その安全性を確保する工法というのは皆無に近いと私は思う。
5月30日、地震があった。北鎌倉駅裏トンネルの崩壊崩落が大変心配されたが、4月28日より通行止めの措置が取られていた訳だ。心配はJR側のホーム又は線路への崩落だったが、事なきを得た。
数年前から東海、東南海、南海トラフ地震がいつ起きても不思議ではない、またこの3つの地震が連動して起きることもあり得ると予想されている時期に、検討に要する暇はないと思う。ここへ来て人の絡むような事故が起きたら、それは天災ではなく人災だ。
現在トンネルが通行止めになっているが、北鎌倉駅から見てトンネル向こうの方々の非常時の避難路というのはどうなっているか。

◆小礒 都市整備部長
一部、例えば高校生とか小学生は円覚寺の境内を通らせてもらう形で迂回させてもらっている。その他の人については県道を回って通行していただく。いざというときにも同じような形で通行していただく形になるかと考えている。

■大石議員
通行止めにした関係で今回議会にガードマン配置の補正予算を上程予定だそうだが、5人で650万円だ。今回の調査についても、一回目の調査で判断できるのでないか、トンネル技術協会の調査費用というのは無駄ではないかと思う。ガードマンだけでも650万円。本当に余分な出費ではないかと思う。血税だから。市長がポケットマネーで出す決意なら問題ないと思うが。市長の判断決断の遅さが市民にも関係者にも担当している職員にも大きな迷惑を掛けており、また結果的には財政負担も伴っていることを市長は是非認識して欲しい。

◆松尾市長
北鎌倉駅裏のトンネルについて、景観面と安全面の両立を図れないかという思いが私にはある。これまでの経過において様々調査の内容が出されてきている。今トンネル技術協会に委託をしてこの結果を踏まえて速やかに具体的な安全対策について結論を出して行きたいと考える。

■大石議員
次の9月議会で補正が提案されて、通るかどうか分からないが、可決されたとしても、入札や工事の期間、開削するなら開削工事、残すなら残す工事、完了は年を越してしまうのではないか。一部土地の所有者であるJRとの協議もあると思うし、地元の安全協議会の出された安全対策の方向性が決定してからも1年以上経過してしまう。通行止めが4月28日だったので、工事完了までも早くて10ヶ月から1年は掛かると予想する。その間への地元の方々への負担は大変大きいと思うが、通行止めという対策のみならず、北鎌倉駅ホームや線路への崩落の危険性は排除されていないと私は考えているが、そういうことは無いと市長が考えるのであれば安全宣言をしてほしい。どうか。

◆松尾市長
決して安全な状況ではないというので、これまでも対応に取り組んできている。今後早急に結論を出して進めていくことになる。

■大石議員
先ほど言ったように、市長の判断決断が遅いからこんな状況になっている。
このまま9月に予算が通ったとしても、工事完了は来年だ。来年も2月3月だと思う。それまでの間、JRホームに人が居たらどうするのか、あそこに。崩れたらそのまま線路に落ちて行く。線路に崩落したものがあって、線路に電車が乗り上げたらどうするのか。あの地域の方々だけの問題ではない。大きな問題になってしまうので、早く決断をしてもらいたかった。特に人命に関わる問題は早く判断をしてもらいたい。今の市長の答弁については、安全宣言でも何でもない。市長、もう一度お願いする。

◆松尾市長
決して安全だということではないという状況だという認識をしている。なので早急に結論を出して進めて行きたいと考えている。

■大石議員
早急な判断を望む。これからも別件で、正しい早い決断をできるようにしていただきたい、これを要望する。安全宣言は残念ながら出なかったが、先日の質問で、御成小学校の旧講堂の屋根のスレート、アスベストの問題と同様、緊急を要する問題だと私思う。それと共に、隣接している、過去2億で守った洞門山という話もしたが、あそこも購入するときに建設常任委員会に掛かって、現状を確認して、崖がオーバーハングしている、オーバーハングしているところから更に木もオーバーハングしている、危険なので、市が買うのであればここの安全対策をすることが条件でということで、私はあそこを購入することに賛成した記憶がある。洞門山に関しても早急な安全対策を施すことを要望させていただいて、この質問を終わらせていただく。