日本考古学協会が緑の洞門保存の要望書を提出!
1月28日、日本考古学協会埋蔵文化財保護対策委員会により鎌倉市長・同教育長・神奈川県知事・同教育長宛てに緑の洞門(円覚寺西側結界遺構)の保存を求める要望書(「鎌倉市円覚寺西側結界遺構の保存に関する要望書」)が提出されました。
※日本考古学協会(wikipediaより) |
考古学界最大の学会が緑の洞門のある岩塊の歴史的価値を指摘し、文化財保護の観点から安全性に配慮した保存を求めていることは大きな意味があると考えます。以下に要望書の全文を掲載いたします。
神奈川県知事 黒 岩 祐 治 様 |
一般社団法人日本考古学協会 |
鎌倉市円覚寺西側結界遺構の保存に関する要望書 |
標記の遺構は、JR横須賀線北鎌倉駅下り線ホームの中ほどに、北側の丘陵から突き出た岩塊です。小さな洞門の開けられた岩塊は、北鎌倉の風景によく溶け込み、近隣住民のみならず観光客にも鎌倉の入口の象徴的存在として永く親しまれてきました。しかし、この岩塊の意義は何よりその歴史性にあります。線路に切断されているとはいえ、本岩塊は鎌倉を代表する寺院の一つ円覚寺の寺域範囲を示す西側結界として、「円覚寺境内絵図」中に描かれているものであり、同寺創建以前には鎌倉幕府三代執権北条泰時がおこなった「四角四境鬼気祭」という境界祭祀の隣接地でもあります。さらにさかのぼれば源氏の先祖により、平安時代後期以来、鎌倉の北の境界とされてきた可能性の高いものです。まさしくこれは中世鎌倉の景観を今に伝える歴史的遺産であり、世界遺産再登録をあらためて目指す鎌倉市にとっても、将来、「武家の都」の資産として有効な活用が望めるものです。 |
記 |
1. 結界遺構の削平計画をいったん白紙に戻し、その上であらためて歴史遺産の保全と安全性の確保という双方に配慮した新たな措置を検討すること。 |
以上 |