松尾鎌倉市長との面会報告


  10月9日(木)午後1時30分から、11名で松尾鎌倉市長と面会しました。予定は20分だけでしたが、倍の40分に長引き、つぎつぎと思いのたけを伝えました。

 まず最初に、会の代表が、提出済みの鎌倉市長宛の請願書にそって保存の趣旨を説明し、鎌倉市都市整備部・道路課と「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」の不当なやり方を改めることを訴えました。
 さらに、「鎌倉は、海と山の美しい自然環境とゆたかな歴史的遺産をもつ古都であり、わたくしたち市民のふるさとです。」「わたくしたちは、鎌倉の歴史的遺産と自然及び生活環境を破壊から守り、責任をもってこれを後世に伝えます。」という鎌倉市民憲章の精神の尊重を求めました。

 つづいて、参加者のほぼ全員が発言し、さまざまな角度から市長に詰め寄りました。(以下、その概略・要約です)

 バイクや車がスピードを出して危ないのをトンネルが自然のバリアーとなって遅くさせ、安全面からも重要。トンネルを壊すと余計に危険となる。
 将来的に幅4mの道路が通ったら鎌倉街道の迂回路となり、歩行者の危険が増し、渋滞も深刻になる。

 トンネルの岩は本当に危ないのか。中立的な調査によるものか。友人の建築家に訊ねたら、崩れる危険は低いと言っている。ネットや鉄で補修・補強すればよいのではないか。強化特殊樹脂を入れる方法もある。糊面のコンクリートも古くなれば崩れる。JRホーム側の岩が薄い部分は天然の柱として支えになっている。

 納税者として、壊すために1億円も税金の無駄遣いはやめてほしい。補強ならずっと安くすむ。
 鎌倉の玄関である洞門山も守った。岩塊・トンネルも鎌倉の玄関であり、コンクリート壁の計画案を見るとぞっとする。

 JRの駅助役いわく、トンネル前の臨時改札を開けるとトンネルのところで観光客に写真を撮ってくれとよく言われる。観光客いわく、「駅を降りたらすぐに鎌倉らしい風景だ!」とのこと。誰が見ても残したいと思う。子どもたちが育つ環境としても大切。
 26年前、今回と同様の破壊計画があった際には山ノ内下町の町内会が反対した。
 今年8月には、道路課は「トンネル前に杭を打って車両の通行止めにする案も考えている」と言っていた。ぜひそうしてほしい。

 明月会町内会の班長会議では全員が破壊に反対した。それでも町内会長は協議会で反対を言えないという。地域住民が反対でも協議会で言えないという縛りはおかしいのではないか。
 協議会自体がおかしい。 壊すことを前提としていて、協議会は建前上住民の意見を聞いたというアリバイ証明となっている。

 協議会で学校も賛成しているらしいが、それは道路課が無理矢理作った話に基づくものだ。6日の大雨の日、道路課はトンネルを通行止めにした。その現場に行くと鎌倉市の人が立っていて、なぜそうしているのか尋ねたら、「安全のため」と答えたが、周りの人間を不安にさせるためにしているのではないか。名月川とか他に危険なところいっぱいあるのに、そこに鎌倉市の人はいなかった。道路課の心理作戦ではないか。安全のためというより、壊すために道路課はやっている。
 危険というなら、26年もの間、岩の上に根を張る木々をなぜ間伐し手入れせず、荒れ放題にしてきたのか。

 今日は北鎌倉里山連合会の方も来ているが、ここにいないたくさんの人が反対し、盛り上がっている。 住民全員に、破壊か保存化のアンケートをとるべきだ。

 世界遺産に向けて本気でやる気はあるのか。
 北鎌倉の町民だけでなく、皆の玄関口であり、鎌倉の顔が潰されることになる。私たちの正当な意見を受け取って行動してくれると信じている。

市長の散発的な発言はまとめずらいのですが、印象に残ったところを抜粋すれば、以下のようです。
「反対運動が起きないようにと協議会を作ってやってきた。」
「協議会のあり方を原点に戻して、市民自治は大事。」
「行政として崩すありきではやっていない。」
「安全性を目指しているが、強引にやろうとはしていない。」

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