朝日新聞に掲載されました


  5月3日付朝日新聞朝刊にて、緑の洞門問題が取り上げられました。以下をご参照ください。 

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 新聞を多くの方が読んでくださりこの問題が広く知られることは歓迎するべきことですが、一方で情報不足などにより誤解を生むこともあります。最近のさまざまなご意見から「私たちが市の主張にすりかえ・誤摩化し、嘘を感じていること」を以下に掲載しておきます。

・「亀裂が入っている」のは表面だけで、構造そのものに強度があることはトンネル技術委員会の検証で明らかになっています。私たちは専門家のアドバイスにより、逗子や最新のガラス繊維を利用した工法で補強・補修することで、安全の確保は充分可能だと考えています。(開削しても岩面を露出させた「切りっぱなし」工法なので、「大地震時の安全性には大差ない」という専門家の指摘もあります)

・私たちの運動のせいで市が工事を中断しているわけではありません。鎌倉市の手続き上の不備があるからです。

・よく町内会の開削賛成が言われますが、決定に際し町内会会員に諮られたわけでもなく、町内会長の個人的意見として賛成したものであり、実際には開削反対の町内会会員は多数いらっしゃいます。(この問題が発覚してから、町内会のシステムそのものに疑問を持つ方も多くなってきました)

・通行止めは住民の意見を分断させる目的で安全の名の下に恣意的に行った疑いが拭い去れません。

・史跡よりも今の生活のほうが重要だという考え方もあります。しかし鎌倉という場所は日本にとってもっと大事なところではないでしょうか。ましてや鎌倉は世界遺産登録を目指しているのです。(中世の遺構が少ないことが登録上のネックで、洞門尾根を開削することは市自らが首を絞めることになるとの指摘が専門家から出ています)

・2万名もの署名は「鎌倉の外からだから関係ない」と断言する市議もいます。今の日本国の内向き指向と劣化を象徴する恥ずべき主張だと思いますし、隣接する保存が決まっている「洞門山」の署名は、その多くが市外の方や観光客からいただいています。

(当会ブログへのコメントで御指摘を受けましたので、以下、追記いたしました。)

・税金の浪費について
 市が洞門を壊すためにいかに使わなくても良い税金を費やしているかです。開削にあたりコンサルタント会社に無駄に2回調査依頼をしていますが、これに3000万以上、今回の開削本体の予算は8000万円強、しかもこれには今後のメンテナンスコストは入っていません。今後も工事が市の手続き不備により延びれば、さらに費用は増加するでしょう。
 我々が提案している現実的な保存・補強案は、はるかに少額であると複数の専門家から助言をいただいております。
 また、北鎌倉まちづくり協議会さんも暫定案として1000万円で出来る工法を提示しています。
 むしろ節約になることを提案しているのに、あえて無視し浪費と非難するのは筋違いです。

・観光客の署名が無意味なのか?
 洞門山の保存運動の際には観光客の署名に意味があって、緑の洞門の保存運動の際には観光客の署名に意味がないという論理はどのような根拠に基づいているのでしょうか?
 市長自身も洞門山の保存について1期目の実績として色々なところで紹介していますが、これは2万ほど集めた署名の後押しによるものと聞いております。しかも洞門山の時よりも緑の洞門の方が市内の方の署名率は高いのです。
 世界遺産登録を目指し、観光客誘致に力を入れている鎌倉市なのに、鎌倉市のことは自分達で決めるから外部の人は関係ないと言ったらどうでしょうか?鎌倉の史跡や景観は市民だけのものではないのです。