緑の洞門開削へ・・・ 松尾市長が決定!?


 8月22日付の新聞各社で、以下のような報道がなされています。(その他読売、朝日なども掲載)大変残念な決定ですが、その決定過程で様々な問題点があることがわかってきています。まだ市議会で予算が通っていませんので、当会としても出来る限りの行動をしていきたいと考えています。

北鎌倉トンネル開削へ 市、安全性踏まえ判断(神奈川新聞) 
 崩落の恐れなどから通行禁止となっているJR北鎌倉駅(鎌倉市山ノ内)脇の素掘りトンネルについて、市は21日、トンネル全体を取り払う「開削工法」で整備すると発表した。外部委託していた検証の報告内容を踏まえ、安全性や景観の観点から判断した。市議会9月定例会に関連事業費を盛り込んだ本年度補正予算案を提案する。
 トンネルは幅平均約2・7メートル、長さ約7メートル、高さ約1・9メートル。市が検証を委託した一般社団法人日本トンネル技術協会による中間報告では、現状のトンネルを残す案と、開削する案が示された。
 市は両案を比較した結果、(1)トンネルを残すには両坑口や側壁にコンクリート補強などを要するため、人工的な外観になり、現状の景観の維持は困難(2)素掘りの状態を一部残すことで、災害時などに不安が残る(3)開削することで安全性が高まり、植栽により周辺景観との調和も可能-とした。工事費や工期は未定。工事で道路幅が約4メートルに広がり、相互通行が可能になるという。
 トンネルをめぐっては、以前から剥落などの危険が指摘されており、地元住民らでつくる安全対策協議会は昨年8月に開削の方針を確認した一方、保存を求める声も出ていた。市が今年3月までに別の外部調査を実施した結果、新たに崩落などの恐れが指摘され、4月28日から通行禁止の措置が取られている。
 トンネルは生活道路や通学路として使われていたことから、市道路課は「この間、周辺住民に不便をかけた。道路本来の安全性を確保した上で、早期に通行機能を回復したい」としている。

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 ↑鎌倉市が提示した開削工事後の予想図

 北鎌倉隧道 取り壊しへ 松尾市長が表明 安全の緊急性重視(東京新聞) 
 崩落の危険性から、保存か開削(取り壊し)かで住民の意見が割れている鎌倉市山ノ内の市道にあるトンネル「北鎌倉隧道(ずいどう)」は、取り壊される見通しとなった。松尾崇市長が二十一日、市議会建設常任委員会協議会で「開削の方向で進めることを決定した」と述べた。市議会九月定例会に、トンネル開削関連工事費を盛り込んだ補正予算案を提出する。
 北鎌倉隧道は長さ約十メートル、九十年ほど前に掘られた。住民の一部は景観保護を理由に保存を主張。一方、トンネルは小中学校の通学路のため、保護者からは開削を望む声が寄せられていた。トンネルは、四月から通行止めになっている。
 市は、一般社団法人日本トンネル技術協会に調査を依頼。トンネルの保存には周辺の山全体を補強する必要があり、外観も人工的になって景観を保てないとの報告を受けた。市は保存案を退け、景観に配慮しながら開削することを決めた。工事の予算額は明らかにされていないが、技術協会は四十年間のメンテナンス費用を含む一億二千八百万円の数字を出している。
 市の決定に対し、この日の協議会で市議から「地元が保存か開削かでもめている。決定発表前にワンクッションおくべきだ」といった趣旨の発言や、住民への説明が少ないまま決定したプロセスに批判が出た。松尾市長は「これ以上、住民の意見を聞く余地を見いだすのは難しい」と述べ、安全確保の緊急性を重視する姿勢を見せた。 (草間俊介)