7月27日住民集会のご報告


  7月27日(月)午後6時から、北鎌倉駅近くの山ノ内公会堂にて、「開発・破壊でなく鎌倉の恵みを慈しむ住民集会~旧図書館保存、鎌倉山開発問題、緑の洞門保存を語り合う~」を開催しました。住民集会は61名の参加で満席となり、とても有意義で画期的な集まりになりました。以下ご報告いたします。

 冒頭司会の挨拶に続き、緑の洞門を守る会の出口代表は、開会の辞で「市の行政を調べてみると、3つの会の活動の流れに共通性が見えてくる」と本集会の意義を語りました。

 まず、各団体からの問題の発生とその後の経緯について、報告がありました。

 図書館とともだちの和田安弘代表からは、まず旧図書館の建築物としての文化的意義が述べられ、昨年11月下旬に旧図書館の解体とプレハブの市庁舎建設を知ったこと、12月の議会で解体の補正予算が可決、成立したこと、この図書館は御成小学校の正門、旧講堂と一体の景観として意識されて建設されたこと、見学会、署名活動、チャリティーコンサートなど最近の活動が紹介されました。

 次に、鎌倉山二丁目の有志からは、小笹さんから、緑豊かな森が第一期、第二期、第三期に分けて、無残な姿に変わり果てたことが述べられた。ここでの問題は、鎌倉市側の勉強不足、誠実な業務の執行の欠如が原因で、その結果、市が不動産会社に翻弄されているという実態が紹介されました。

 次いで、緑の洞門を守る会の出口茂代表から、映像を使ってここ何十年にわたって鎌倉の緑がいかに失われてきたかが明瞭に明らかにされました。緑の洞門封鎖直前の映像も用いながら、開削を知ってから今日に至るまでの経緯の説明、そして情報公開で明らかになった「開発談合」、ごく少数の住民と市との癒着による住民無視の行政の実態が説明されました。

 さらに、御成小旧講堂保存を求める署名運動の会を行っている岩田薫さんから講堂自体の安全性とスレートのアスベスト濃度には基本的に問題がなく、かつて旧講堂については市が保存を約束していたこと、旧講堂は正門、図書館とともに残すことに意味があるとの報告がありました。なお、この問題では科学的な根拠に基づかないままに「旧講堂は危険だ!」、「屋根のアスベストは危険だ!」との発言が市議会で闊歩したとのこと。彼らのスタンスが北鎌倉の緑の洞門と全く同じであることに気が付きました。また、籐源治の開発に反対運動をしている方から開発が既に進行していること、問題の元凶は悪名高い某不動産会社の悪質な手口と鎌倉市の後手に回った対応であることが報告されました。

 以上のように報告があった後、多くの出席者から発言がありました。取りまとめると次のようになります。

○宅地の開発に対して鎌倉市は勉強不足で無力なので、悪質な不動産会社から狙い撃ちされている。○それぞれの団体が別個に活動するばかりでなく、協力して市民の結集を図ることが大事だ。○鎌倉市は、官対民の問題を民対民の問題にすり替えてゆく。

最後に、出口茂代表が「鎌倉市民憲章」の特に重要な部分を読み上げ、参加者全員で拍手をもって賛同し、19時55分会を閉じました。

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付け加えて、当日のアンケートによせられた意見・感想を、以下抜粋しておきます。

高いレベルの集会です。内容、方向性をまとめ、市、市民にアピールしたいものです。

基本的な姿勢・視点が共通している問題を抱えている人たちが集まって、共通理解・課題の共有ができたことが、有意義だったと思います。

いろいろな問題には、共通な原因があることが分かった。これらへの対応について、知恵を出して総合的に考えていく必要が感じられた。

鎌倉市が開発を主導しているようだ。解決策の1つは、鎌倉市職員を市民50%以上とか決めることだと思う。調整区域が何か、谷戸が何かもわからないよそもの市職員に行政をまかせておいていいのだろうか。

私は鎌倉生まれですが、市民ではないです。けれども、洞門トンネルも、講堂も、図書館も日本の大切な遺跡です。鎌倉市の判断だけでなくなってしまうのは、納得できないのです。日本の歴史の中で鎌倉幕府、鎌倉時代があり、国の史跡だということを鎌倉市に自覚してほしいと思います。

最後に発言された方の、賛否両論をおこさせて、市が行司役をする、そこからどう発展させるかは「市民力」にかかっている。市は全体を良い方向に向かわせる大きな見識をもってほしい。