2014年6月16日の講演会のご報告


  6月16日夜、山ノ内公会堂にて、「鎌倉史の中の北鎌倉山ノ内 -北鎌倉駅ホームに突き出た塁壁の意味を中心に-」と題する講演会を開催しました。予想を大幅に上回る会場一杯の参加者48名で盛会となりました。
 馬淵先生が用意・配布したA4で20ページにおよぶ資料は、中世という時代の特徴から説き起こし、中世都市鎌倉と北鎌倉の変遷を説明する包括的な内容で、その中で鎌倉の北の境界としての北鎌倉、山ノ内や瓜ヶ谷の歴史を展開するものでした。この資料とパワーポイントによる説明を効果的に組み合わせ、北の境界、重要な結界として北鎌倉駅添いの岩塊・洞門(トンネル)の価値を浮き彫りにするしたのでした。
 こうした講演と、公演後の質疑応答を通じて、会場全体が歴史的価値あるものの保存を願う熱気で一杯になりました。参加者のアンケート(24名分回収)に記された感想もすこぶる良かったです。さらに、今後の催しの希望として、また馬淵さんの講演を継続して欲しいとの声が多くあがっております。参加した方からも、「町内会関係での様々な催しでもこんなに人が集まることがないのでびっくりした」と驚きの声が聞こえました。

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 以下ご参考までに、この講演会を呼びかけたチラシ(テキストデータ)を転載しておきます。

鎌倉にかかわる皆様、とりわけ、開発と破壊が推し進められる鎌倉の現状に憂慮される方々へ。昨年末に北鎌倉駅添いの塁壁(小さなトンネル)横に看板を建て、本年元旦に発足した北鎌倉史跡研究会から最初の催し物をご案内いたします。
 お誘い合わせのうえご参加下されば幸いです。

鎌倉史の中の北鎌倉山ノ内
 -北鎌倉駅ホームに突き出た塁壁の意味を中心に-

日時:2014年6月16日(月)午後6時半開場(6:45から約2時間)
場所:山ノ内公会堂洋室(北鎌倉駅から東慶寺方面に徒歩3分)
講師:馬淵和雄 参加費・資料代:500円
講師紹介:
1955年生まれ
日本考古学協会理事・同埋蔵文化財保護対策委員会事務局次長
(財)広島県埋蔵文化財調査センター勤務後、鎌倉市内遺跡を発掘拠点として、30年以上中世考古学の研究に従事。この間鎌倉市教育委員会嘱託・お茶の水女子大学講師等をつとめる
専門は中世都市論・陶磁器・生活文化論・宗教考古学・石塔などを専門とする
著書『鎌倉大仏の中世史』新人物往来社・『鎌倉地図草紙』歴史探訪社
編著『中世都市鎌倉の実像と境界』高志書院(五味文彦と共編)・『中世の都市と都市民』雄山閣(編著)他論文多数