「ニッコウキスゲ」松本編!?

2000.8.19(土)
♪知らない町を歩いてみたい・・・「遠くへいきたい」の歌じゃないですが、ふっと遠くへ出かけたくなる時があります。主婦としては、結構出歩いているほうでしょうけれど(A^^;)
実際のところなかなか遠くへは行けないけれど、この時期は事情もあって、家のことをあまり心配せずに出かけられるんです。もっとも日帰りという条件つきですがね。
ある人に言わせると「逃避行が好きなのね」って(A^^;) 一人で逃避行してもしょうがないですが(笑)、ふらっと出かける旅は、私にとって、忙しい日々の生活で失いがちな自分を取り戻す大切な時間です。

さて、前置き(いい訳?)はこれぐらいでにして(A^^;)
今回も諏訪へ行くつもりで、家族との朝ごはんを済ませてから家を出ました。JR東神奈川駅で、自由席特急券を買い、八王子から特急に乗り換えて・・・お昼には、諏訪に到着する予定。「この特急券分で、どこまで有効なのかな?」ふっとそう思って時刻表を調べて見ると、長野までは行けないけど松本には行けることがわかりました。他にも、岡谷から飯田線に乗るとか、木曽福島方面へ行ってみるとか、松本から大糸線で安曇野へ行くこともできたんでしょうけれど、帰りが一番楽そうな松本行きに決定しました。それに、松本もさだ歌の舞台ではありませんか!!(笑)

八王子から10:33分のスーパーあずさ5号に乗りました。ほんとうは、もう1本前のあずさ53号(9:36分八王子発)に乗りたかったところでしたが、横浜線からの乗り継ぎが悪くて、間に合いませんでした。新宿発だから、自由席車両はもういっぱい。なんとか乗降ドアのそばをゲットして、次の甲府までは立って行くことにしました。甲府で下りる人は結構多いので、座れる可能性が高いです。それにしても、スーパーあずさは揺れますね(笑)
山梨県に入ると、桃やぶどうの果樹園が続き景色が変わります。思った通り、甲府で座ることができました。車内は冷房が効き過ぎていて、念の為に持ってきた上着が重宝しました。家を出るとき娘に「荷物が多いネェ」と言われたんですが、持って行ってよかったですよ〜。上着と折りたたみ傘!(旅のお供に、時刻表も忘れずにね)

松本駅に着いたのは、12時半でした。「松本驛」と縦書きで書かれた古い看板を発見。いちおう写真を撮りました。駅前は、ファッションビルが立ち並んでいました。外国人の姿がやけに目立つんですが、旅行者の風ではなかったです。外国人による露天も出ていました。
陽射しはまだ真夏の強さでしたが、やっぱり心持ち涼しかったです。「ニッコウキスゲ」の歌詩に出てくる駅の近くの蕎麦屋は、どのお店かさっぱり見当もつきません(A^^;) 信州そばの本場だから、蕎麦屋さんはたくさんあるんですもんね。探すのは大変でしょう。
「かもすい」(1300円)が食べてみたくて、ガイドブックに載っていた「弁天」へ。「かもすい」というのは、ざるそばと鴨肉を煮込んだ汁(椎茸、ネギ、たまご)の2品のセットです。この汁にそばをつけながら食べます。ちょっと目先がかわった信州そばを食べたい方は、お試しあれ。

鴨肉で精をつけたところで(笑)、歌詩通りの山へは行かずに松本城へ(A^^;) 日帰りですからね、八ヶ岳に登る時間がないんです。諏訪にも行きたいし(A^^;) 松本城へは、徒歩で約20分。タウンスニーカーという周遊バスもありますが、バスは時間配分が狂いがちで心配だし、腹ごなしにと歩くことにしました。
駅前大通りから本町通りへ入り、女鳥羽川にかかる橋を渡って大名町通りを北上すると松本城です。城下町のおもかげは、歩いてきた道にはほとんど感じられませんでしたが、碁盤の目のように区画整理されている街並みは、江戸時代の名残でしょうか。途中に「牛つなぎ石」がありました。時間があれば、武家屋敷や土蔵造りも見てみたかったです。
松本城(国宝)は、約400年前の建てられた五層六階の平城。五層では現存する日本最古のもので、黒塗りは戦国時代に似つかわしい感じを受けました。城内は、古文書の展示のほか、急勾配の階段、石落としの仕掛けがあります。やっぱり夏休み、観光客が多かったです。(入場520円(民俗資料館と共通)8時30分〜17時 無休)

中を見るのはあきらめて、歩いて5分ほど先の旧開智学校へ。(明治9年建造)ここは、昔から行ってみたい場所でした。雑誌の旅行記事などによく写真が使われていますね。八角形の望楼に特徴があります。ここは、中を見学しました。
昭和39年まで小学校として使われていたそうで、明治から昭和までの教科書や教材資料が約8万点収蔵・展示されているそうです。木の床、高い天井、ステンドグラス、どれも明治の雰囲気たっぷりで、廊下をはさんで左右に分かれている校舎の作りも珍しく思いました。開け放った窓から吹きぬける風が、涼しくて心地よかったです。こんなに心地よい風は、久しぶりに感じました。(入館料310円 8時30分〜17時 無休・・・但し、12月〜2月の日祭日は休館となります)* 全体を写すには距離が短すぎたので、ななめから映した写真になりました(A^^;)

レトロな気分(まるで「瀬戸内少年野球団」の夏目雅子になった気分でした(xx)\(~~))に浸ったあとは、また炎天下を歩いて駅へ戻ります。やっぱり諏訪に行かなければね(笑) 15:05分の上諏訪行き(各駅停車)に乗りました。塩嶺トンネル付近で大粒の雨・・・岡谷はまだ降っていませんでしたが、これはきっと降るなという予感。上諏訪の駅に着いたのは、15時48分ごろでした。
いつもなら、原田泰治美術館まで歩いて行くのですが、閉館時間も迫ってきているのでタクシーで行きました。湖岸通りのまるめろの並木には、袋が取り付けられていました。(諏訪の人は、まるめろをかりんと呼んでいるようです)
美術館では特別企画展として、一階で「岡田清和 貼り絵の世界」が開催されていました。(〜12月24日まで)昨年秋にテレビで紹介されたのでご存知の方もいらっしゃるでしょうけれど、岡田さんは口がきけず耳も聞こえないという知的障害を持っている青年です。岡田さんと原田さんの交流が始まったのは2年まえ、新潟県知事室にかけられてあった岡田さんの絵を見たことがきっかけだったそうです。最初、原田さんは知事に向かって「山下清さんの原画ですか」と尋ねられたとか。
拝見してとても感動しました。貼り絵になる紙の一枚一枚がとても小さくて、作品をひとつ作るのにどれぐらいの根気と時間がかかるのかを想像したら、私には真似ができそうにないと思いましたが(A^^;) 生き生きとした作品でした。原田さんが「神様から貰った才能」と絶賛する岡田さんの作品を、ぜひ多くの人が見てほしいなぁと思いました。

二階の常設展示を見て、諏訪湖が見渡せるティールームへ。ここで、湖を見ながらぼーっとするのがいいんですよ(笑) そとは激しい雨と雷鳴がとどろいていました。まもなく閉館だから、そう長くはいられません(A^^;) 傘を持ってきてよかった〜。
帰りは、諏訪湖沿いの道を歩いて、長野放送諏訪放送局の前へ。「さだまさしのゆく世紀くる世紀」5月3日のの放送をしたところです。以前にも何度か通ったことはあったんですが、まさかここにスタジオがあるなんて思いもしなかった(A^^;)
島崎川沿いの道を歩いて駅へ。毎回立ち寄る高島城ですが、今回は横目に見ながら通りすぎました。駅近くの踏みきりを渡るときに、NTTの塔が見えて、なぜか思い出したのが日本酒でした(笑) 茅野へ向う街道ぞいには、酒造りの店が多いのです。
「ごはん屋」で呑んだ日本酒を買おうと思って、製造元の伊東酒造へ。ここは「横笛」の銘柄で有名です。去年11月にも行ったんですが、日曜日でお休みだったんですよ。
もう閉店時間でシャッターが下りかけていたんですが、事務所に灯りが点いていたので思いきって電話を入れてみました(A^^;) 「どうぞ」という快いお返事とともに、ご主人がにこやかに出迎えてくれました。「さだまさしさんの東京のお店に置いてあるのと、同じお酒が欲しいのですが」というと、奥から冷えた「大銘酒 横笛 生」を持ってきてくださいました。ごはん屋で見たときはラベルもなく、野津さんも「まだ名前が決まっていないんだよ」と仰っていましたが、同じ色のビンなので間違いないです。(大きさは、380mlと720mlがありました。)「わざわざ買いに来てくださったんですかぁ」と驚かれてしまいました(笑)
聞き出したわけじゃないですが「まさしさんちとは、家族ぐるみのおつきあいをしていましてね。芸能人らしくない、きさくないい方ですよ」と仰ってました。羨まし〜い(笑)(ご主人もまさしさんと同年代のように見えました。お子さん同士が仲がいいそうです。)

帰りは、19:15発の特急あずさ70号に乗ることにしました。待合室で、知り合いにハガキを一枚書いて投函。旅に出たら、できるだけ誰かにハガキを出すことにしているんです(笑) 
雷もやんで雨も小ぶりになっていましたが、雷雨のせいだったのかダイヤは5分遅れ。でも、八王子で横浜線に乗り換えたのですが、まだバスがあったので10時半には自宅に帰ることができましたよ。コンサートで東京に行ったときより、早かったです(笑)
駆け足で回った松本だったので、いつかまたリベンジしたいなぁと思っています(笑)

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東神奈川―松本 乗車券3,890円 自由席特急券2,100円
松本―上諏訪 乗車券570円
上諏訪―東神奈川 乗車券3,260円 自由席特急券2,100円