「季節の栖」ツアー初日感想(1999/9/20)NO.2

この歌(本当は泣きたいのに)は自分でも気に入っているんです。他人から見たら傲慢とか、強気に見えるのは、シャイの裏がえし。自分を乗り越えるために頑張ってしまうから、他人から誤解されてしまう。老人ホームを訪問して、晩鐘を迎えている人たちの前で歌って、自分の歌が無力だということに気づかされたんです。最後は、みんなで歌える歌にしようと思って「ふるさと」を歌いました。そしたらね、それまで無表情だった老人達が、一緒に歌ってくれたんです。3コーラスまで。
「ふるさと」
中国で「ふるさと」を歌ったことがありました。中国で、映画(長江)の撮影をしたとき「あなた方の国にお邪魔させてください。」という、ご挨拶の意味もこめてコンサートをしたんです。北京でした。それを中央電視台(中国の国営放送)が録画して、全国放送したんです。忘れもしません。10月1日国慶節の夜でした。ぼくは、次のロケがあったんで急いでいたんですが、乗ってた船の船長が「君のコンサートを乗組員にも見せたい」って言うんで、その放送が終わってから出立しました。10月2日、「はくていしょう」と言う町に着きまして、今はダムの底になってしまった町なんですが、5千人が迎えに来てくれたんです。一夜にして有名人になってしまったんですね。2千人ぐらいの人が付いてくるんです。離れない。身動きできない(笑) みんなが「ヤーツー、歌え!」ぼくの名前「雅志」は中国語で「ヤーツー」と言うんですね。「歌えっていわれても、ギターを持ってきていない」というと「ギターが聞きたいんじゃない。君の歌が聞きたい」って。そうしてるうちに、誰かが箱を持ってきたんです。その箱の上に乗って、もう、歌うしかない(笑)・・・アカペラで「ふるさと」を歌いました。万来の拍手をもらいました。そのときに思ったことは、設備がないと歌えないというのは、間違いだということ。ぼくの歌を聴きたいって人が一人でもいたら、その耳元ででも歌ってあげる、それが俺の仕事なんだなぁって。でも、一度だけ照れたことがあったなぁ(笑) 車に乗ってたとき、隣りを走っているファミリーカーのお母さんと子供がずっと手を振っているんですよ。マネージャーの廣田が、「まさっさん、手ふってまっせ。芸人やで。愛想せな」「そうか、愛想したほうがいいか」「したほうがええでっせ」信号で止まったとき、窓を開けてね(窓から身を乗り出すしぐさ)「おまえを嫁に もらうまえに」(笑) そしたら廣田真っ赤になって、恥ずかしがってるの(笑) 「いくら愛想よくせなって言うても、安売りしたらあきまへんがな」


まさしさんが、中国でたったの声だけで「ふるさと」を歌った話は、忘れられません。想像だけで、すごく感動した記憶があります。あのときわかった「歌は場所を選ばない」ってことを、ずっと忘れないでいて欲しいと願っていましたけど、やっぱりまさしさん覚えておられたんですね。なんだか嬉しい(^^)

ロサンゼルスの老人達の歌を聴いていて、しみじみといい歌詩だなぁって思いました。「こころざしをはたして、いつの日にか帰らん」日系1世、2世は、この歌を歌いながら、どんな気持ちでふるさとを思っていたのだろうか。今学校では、この歌を歌わない風潮があるらしい。「志を果たして」が立身出世をあおるからいけないっていうんですね。ぼくは腹が立ちました。こんないい歌を、そんなことで消してはいけない。どんなに暗い・重い・臭い(笑)と言われても。
ぼくの故郷・長崎は戦争で大きな被害を被りました。でも、もう怨みつらみを言う時代は過ぎた。そう気づかされました。日本にいる日本人が、日本をダメにしている。老人達の歌を聴きながら、ぼくは申し訳無くて二重三重の涙がでました。


「佐世保」シングルカットになったこの歌、「季節の栖」の中では、「夢の夢」の次に好きです。いい曲をつけたなぁ、さすがまさしさんと感心しました。
「遠い海」まさしさんのふるさとの海を想像させますよね。海を見つめていたどこか影のある大人の女性は、まさしさんの憧れのイメージかな。
「驛舎」まさしさんが体をこわして、長崎へ帰った大学生のころの様子が浮かびます。バイオリン奏者を諦めた苦しみ、ご両親への申し訳無いという気持ち、心の傷をそっと包んでくれたのが、ふるさとの温もりだったんでしょうね。
「桜散る」おや、ちょっと季節はずれな曲が(A^^;) ふるさとや日本の叙情が出せる歌ということで選んだのかな? 「いつか年老いたら 君が愛した人を僕も 愛せるそんな日が来るといいね」というフレーズが好き。

本日の目玉、禁断のバラード4曲続きを聴いていただきました。「佐世保」は、ルクプルの藤田恵美さんが詩を書いてくれて、ぼくが曲をつけました。彼女のご両親のふるさとが佐世保なんだそうです。この歌詩にあるように、彼女のご両親の若い頃のことを歌にしたんですが、愛し合った二人が、事情があって逃げるようにふるさとを出てきた。ところが悲しいかな、そんなに愛し合っていても人の心は変わることがあります。ご両親は離婚されてしまったそうですが、彼女はそれを乗り越えて、それを歌にすることができるようになったんですね。
「桜散る」は歌う時期が難しい(笑) もう少しすると、受験生から「縁起が悪い」という抗議が来たりするんですが(笑) 前にラジオをやっているときにね、「思いあがってるんじゃないかぁ。「サクラチル」って電文は、東大だけだぞ!」って言ったら、「東大を受けるんです」って返事がきた(A^^;) 
こんなコンサートをやりたかったんです。無駄なトークは無しで(笑) ロサンゼルスで勉強したことを伝えたかった。(〆のトークへ)僕の知合いで、柴田先生「風に立つライオン」のモデルになったお医者さんですが、柴田先生がおっしゃたんです。「医者は、自ら立ち直ろうとしない患者を救うことはできない」って。心の元気と勇気、これは使えば使うほど増えるんです。どうぞ、お元気で。できるだけ早い機会にまたお会いしましょう。


「飛梅」おおっ!また驚いてしまいました。この歌がくるとは!この歌詩、大好きです。激しいストロークでまさしさんのギターの弦が切れたように見えましたが?
「修二会」何度聴いても、ゾクッとする曲ですね。ギターのリズムの取り方が、特徴的ですよね。背景が「松明」の炎を連想される赤になり、まるで情念の炎という感じ。
「ひき潮」激しい曲のあとに、静かな曲。「緊張と緩和」ですね(笑) これも「ふるさと」の曲ですね。「帰ろう」のリフレインが切ない。ホームシックになってませんか?>まさしさん

<アンコール>
素晴らしい拍手でした。幕が降りても明るくならないので、アンコールの拍手も楽しげです。なかなか出て来られないのは、きっと着替え中ですね。どんな衣装かな(笑)
オレンジ色っぽいのジャケットの中は、黒のシャツ、黒のズボン。さっきとは趣が変わって、大人っぽい感じ(A^^;)
「聖夜」珍しいですね。>この曲。短いけれど、しみじみと聴ける曲ですね。
「防人の詩」ええっ!今回は驚かされてばかり。この歌好きです。この歌を出した直後、いわれ無きバッシングを受けましたね。私は、戦争賛美なんて思ったことなかったわ。

<アンコール2>
照れながら再々登場してきたまさしさん。「ほんとね、疲れたのよ」と肩で息をしながら、ジャケットを脱いで、下手のスタッフに指一本で合図をしています。「1曲だけ」?それとも「一人でいいよ」という合図なのかな?他のメンバーは誰も出てきません。石川さんさえも出てこないなんて、珍しいですよね。
「夢の夢」弾き語りで歌ってくれました。まさしさんはギターも上手いんですよね。CDやWORLDコンサートとは、また違う味わいです。なんて素敵な歌なんでしょう!つい、ホロッとしてしまいます(A^^;) やっぱり、こういう歌はまさしさんしか作れないわ。

席は1階5列だったので、双眼鏡なしで「生さだ」を十分に堪能しました。やはり初日だからでしょう。まさしさんもメンバーも細かいトチリがあったようです(A^^;) まさしさんの声が、時々割れるように聞こえるのが、少し気になりました。ちょっと鼻声っぽくなかった? 頑張れ!>まさしさん 
今回は、1階席からでは気づかない趣向があったそうで、2階、3階席になっても楽しめそうですよ。曲目メニューを見ていて、「ふるさと」「日本の叙情」を意識した曲が多いなぁと感じました。このメニューでツアーを通すかどうかはわかりませんが、ロサンゼルスの敬老ホームが、まさしさんに与えた影響の大きさを実感しました。

<うちわ振りかざし隊報告(笑)>
「初日」を長いこと夢見ていました。噂に聞く緊張したまさしさんのとっ散らかった様子も見たかったけど、緊張で初日前夜は胃が痛むというまさしさんの応援をしたくって。もちろん、まさしさんが気づかなくていいんです。勝手に応援したがってるだけですから。
いつも今年こそはと思いながら、なかなか行けなくて。今回も、日帰りできない場所だと聞いて諦めてました。ところが長崎で親しくなったMさんからチケットが余分にあるとお誘いをいただき、さらに千葉駅まで送りますよと優しいお心遣いをいただいて、「行きたーい!」が再発(爆) 調べたら、千葉発23時10分に乗れば帰れるじゃありませんか!午前様になっちゃうけど(A^^;) これはもう「行く!」しかありません(笑)
レナさんの「特製うちわ」をかかえ、地方だとサインもしてもらえるかも?なんて用意した色紙と厳選したサインペン・・・でも忘れてきてしまったので、現地で調達しましたが(A^^;) 千葉駅から旭までは、車で1時間ぐらい。電車だと1時間半ぐらいかかるのかな? 会場のまん前のお蕎麦屋さんで昼食を取っていると、スタッフらしきお二人が入ってきました。ひとつ置いたテーブルに座られたので、もう耳ダンボになってしまいましたが(A^^;) ロスのコンサートのことを話しておられるようでした。
14時過ぎて、そろそろまさしさんが「入り」かな?と楽屋口付近に移動。Kさんが待っておられました。うちわを取出して待っていると、まもなくまさしさんの車が! もうまさしさんたら、大爆笑というぐらいの笑顔で私達に手をふってくれました。「お見送り」では何度もうちわを使っていたけど、「とうとう「入り待ち」にも来たのかー!」と思われたのかな(A^^;) あの笑顔、とっても感動でした。サインはして貰えなかったけれど、まさしさんにあんなにウケていただけたので、もうそれだけで十分です(笑) 

「入り待ち」のあと、Kさんも一緒に銚子灯台までドライブしました。途中、見晴らしのよい展望台(名前忘れました(A^^;))の近くにあるレインボーと言う名前のレストランで、ドラマの撮影をしているのに出くわしました。大竹しのぶさん主演の火曜サスペンスで、11月に放映だそうです。5時ぐらいまで、あちこち寄りながらちょっとした旅行気分。久しぶりに見た太平洋の大海原・・・いいなぁ。風が強かったせいか、不思議に潮の香を感じませんでした。

コンサートが終わったのが21時13分。「もしかして、お見送りできるかも」と、ぎりぎりまで待つことにしました。23時には千葉駅に行かなきゃいけないので、30分くらいしか猶予はありません。でも幸運なことに、皆さん帰られるのが早くて(笑)十分「お見送り」できましたよ。石川さんが、いつも以上にニコニコ。宅間さんも珍しく手を振ってくれました。機嫌がよかったのかな?ちょっと感激!!きっと、みんなで初日の成功を祝ったのでしょうね。
まさしさんは、また携帯電話中でした。誰に電話してるのかなぁ。気になる〜(笑) でも、ちゃんと素敵な笑顔を見せて手を振ってくれましたよ。ありがとう〜>マイダーリン(*^^*)
終わり
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