季節の栖〜Twenty Five Reasons〜

2000.5.20(土)八王子市民文化会館

1.唐八景
2.風の篝火
3.案山子
4.木根川橋
5.道化師のソネット
6.無縁坂
7.檸檬
8.主人公
9.北の国から
10.夜間飛行
11.ふるさと(唱歌)
12.秋桜
13.佐世保
14.遠い海
15.驛舎
16.桜散る
17.飛梅
18.修二会
19.ひき潮
EC1.聖夜
    防人の詩
EC2.夢の夢
PIANO:倉田信雄  PERCUSSION:川瀬 正人  GUITAR:石川鷹彦
MARIMBA:宅間久善   BASS:岡沢 章

開場17:30 開演18:00 
赤い地色に大きなゆりの花の絵が印象的な緞帳です。夕焼け雲の向こうに富士山が・・・。

18:06本ベル
唐八景
風の篝火
案山子

今日の衣装は、見なれたグリーンのスーツに中は黒のキラキラボタンのシャツ。これだと、アンコールのときの着替えが楽なんでしょうね。でも、ツアー最初の頃の、グレーのダブルスーツにパンプキンカラーのシャツも可愛かったのになぁ。

こんな雨の日に出てきていただいてありがとうございます。着ていくものに迷ったでしょうね。白はダメだとか(笑) 最前列の双眼鏡、やめなさい。ちょっと見せて。8×32?毛穴まで見てどうするの?(笑) いろんなお客さんに囲まれて、今日のコンサートを始めたいと思います(笑) 1年は早いですね。もうあと少しすると「長崎から」(笑) (はぁー)これじゃ、俺はすぐ死んじゃうんだろうなー。今日は、さだの古くからのファン・・・いや昔からの・・・いや、どう言っても傷つくんだろうなぁ(笑) ま、そういうファンには応えられない選曲でお送りします(笑)

この日は、朝から気温が低くお天気が悪かったんですが、特に午後になってから雨足が強くなって大変でした。私と言えば、お馬鹿なことにジャケットを邪魔者扱いにして、厚手だから平気よねと半袖ニットのセーター姿でした。とっても寒かったです。まったく後悔先に立たずとはこのこと。おまけに、よせばいいのに恒例の(笑)「入り待ち」なんかしたもんだから、余計に身体が冷えてしまいました。楽屋口で待つ1時間は、倍以上の時間にも感じられましたよ。好きでやっていることとはいえ、ちょっと情けない気持ちになってしまった。「私、いったい何やっているんだろう」って(A^^;) でも、そう思ったのはほんのつかのまで、「今日は(雨が)結構降ったみたいだねぇ」といいながら、楽屋入りされたまさしさんの笑顔を見たら吹っ飛んでしまいました。ははー(笑)ゲンキンな奴でしょ(笑) まさしさんは、スカイブルーのデニムのジャケットスーツでした。鈍色の空に、はっとするほど映りがよかったですよ。

「案山子」は、僕が24歳のときですから12年前ですか(爆笑)あらためて聴くと(?歌うと、だったかな??(A^^;))この曲は父親から息子へあてた手紙、あるいは兄が弟へあてた手紙というふうにも取られますが。すべてを知っているお城の松の木、そんな距離感もあるように思います。かぜこうじさんの描く絵のよう。親元を離れて下宿生活をしていたんでね、まわりが「九州男児だねぇ。すごいねぇ」っておだてるわけです。九州男児って言うと、熊とか鹿とかついているほうが毛深そうでいい(笑) ほんとは毛深くないほうが男らしい・・・松山千春が言っていました(笑) 長崎まで帰るのに、当時23時間57分かかったんですよ。57分ってところがすごいね。この3分が国鉄の意地だったんでしょうね。国鉄じゃなくて、JRだ(笑) 何でも横文字つけりゃいいと思って、俺、最初ジュニアと読んじゃったよ(笑) 
「人」という字・・・人と人とが支え合っている・・・人を支えるのは人なんです。俺はいい人に出会ってきたなぁ。この歳になってわかる。俺にとって宝物なんだなぁ。


「木根川橋」
「道化師のソネット」

1年に8の字を2回書くように日本を旅しています。北海道と沖縄は、年に1回しか行けないけれど。忙しい慌しいなんて言葉はあまり言っちゃいけないけれど、忙しいなんて心が滅ぶって書きますからね。日本語は汚い言葉が少ないですね。言葉がなかったら殺伐とした世の中ですよ。
去年、ロサンゼルスに歌いに行ってきたんです。ロサンゼルスは僕の青春の町・・・なんて言うとカッコイイけれど(笑) 車の運転免許もロサンゼルスで取ったんですよ。僕は若くから売れちゃったでしょう(笑) だから忙しくて、免許を取りに行く時間がなかったの。お金はあったけど(笑) 
僕はね、ストリップを見に行ったことがないんですよ(笑) 顔が知られていたからね。嫌でしょ。あ、精霊流しが、ストリップ見に来てるなんて言われるの。まぁ、いまさら見たいとも思わないけどね。好きでもない女の裸見たって興奮しないからね(笑) 好きな女だったら、金払ってでも見たいかも(笑)
(運転免許を取る)試験は、全部英語です。簡単です。スーパーで問題集売ってます。答えも付いてます(笑) ただ昼間公道を走ったことがなかったんでね(笑) 夜中に、千葉の市川港の岸壁に砂まいて、スピンターンの練習していたなんていうのは、誰も知りませんから(笑)
1日だけ講師についてもらったんです。韓国人の先生で・・・カタコトの日本語だったんですが、いろんなことを教わりました。
(→運転免許を取った話)最後には、ささやかな友情も芽生えて、セイコーの時計をプレゼントしたりして。
免許証発行まで、ペラペラな仮免許証を貰えるんです。アメリカっていう国には、大雑把な国ですね。免許取ってすぐの奴に、レンタカー貸すんですから。その仮免許証があれば、車に乗れるんです。自分の車で、(正規の)免許証を取りに行ってもいいというこの矛盾。あの国には、B型とO型しかいないよ(笑) A型だったら、免許とりたての奴に車貸さないよ(笑)
B型は考えたくない。O型は考えられない(爆) 俺がA型だから言うわけだけど、A型は考えすぎだな(笑)。

よく話のタネになる血液型ですが、最近、自分と違う血液型の人との意見の衝突みたいなことがあり、人付き合いについてまで考えさせられたので、「なるほどねー」なんて思いながら聞いてしまいました(笑)

免許取って、嬉しくってね、ディズニーランドに行ったんです。男二人でね。僕の車に一番始めに乗った勇気のある奴は、皆さんと同じ客席に座っている和田和正です。小田和正じゃないですよ。楽しくなかったよ。男二人のディズニーランド。惚れてなくてもいい、女の声が欲しいのよ。キャーって言う声が(笑) 絶対に乗りたくないのが観覧車。なんで20分も、男同士で(笑) しまいには殺伐としてきますよ。
ディズニーランドは子供の頃からの憧れだったんです。今でこそ、ディズニーのビデオなんかがあって、いつでも家庭で見ることができるけれど、僕らの子供の頃は2週間に1回、三菱ゴールデンアワーでしか見ることができなかったんだから。
ディズニーランドの帰りちょっと渋滞していたんで、ブレーキを軽く踏んだ状態で和田と話しこんでいたんです。ブレーキが甘い車だったんじゃないと思う。足の弱い男だったのか(A^^;) ゆるゆると動きだしていたんですね。「エンジェルスのノーランダイアンが・・・」和田と話に夢中になっていたら、コン!
(→ロスで事故った話)和田ちゃん、オレ謝ってくるわって・・・「アイムソーリー、ソウソウソーリー」って言ったら、その外人、あ、外人は俺だ(笑) 薄毛の外国人だ(爆笑)そしたらそのアメリカ人のおっさん、ダッシュボードからレイバンのサングラスを取出して・・・(一部カット)「OK!、but be careful!」ドンッ、シューッ・・・かっこいい(*^^*)(指を口に、しなを作った芝居がかったポーズ)へへ(笑) こないだね、小林幸子ショーに行ってきたもんだから(笑)
(→新青梅街道で追突された話)「どうもすいません」「どうもすいません」「どうもすいません」「どうもすいません」・・・なんでこの話は疲れるんだろう(笑) 俺は、ダッシュボードをチャッとあけて(会場爆笑)話の見えたお客さんが多いようで(笑) えー(A^^;) ロサンゼルスのファーマーズマーケット安売りしていたレイバンのサングラスをかけて、重そうなドアを開けて外に出たら、そいつら俺よりこんなにでかい(A^^;) 俺は、ゴムでコーティングしてないバンパーをこう触って・・・OK!俺は大丈夫だ!だけど、お前ら、気をつけろよ。ドン!信号赤だったー(泣)もー最低。カッコイイはずだったのよ。


大学生に向かって「OK!俺は大丈夫だ!」って言うところで、今日もまたくるっと回ってくれました(笑)

ロスでコンサートをした話をしようと思っていたのに、こんなに時間がかかっちゃって。あとは2分ずつで処理して行こう(笑)

「無縁坂」
「檸檬」
「主人公」


「主人公」という歌は、さだの曲の人気投票をするとファンの中では必ず上位に入る曲なんです。この曲を超える歌を、私はまだ書いていないと罵られているような気がします(笑)ところが、シングルにしたら売れなかった、不思議ですねー。

<メンバー紹介>
今日のメンバー紹介では、宅間さんが目立ってました。宅間さんが、上体を軽く右に曲げながら右手でピースサインをしたら、ご本人が思っていた以上に大ウケ(笑) 今度は左手でピースサインをしたら、また大拍手。最後は投げKISSでした(笑) 

「北の国から」
「21世紀の君達へ」

北の国からの間奏で、まさしさんのバイオリンが聴けました。

「21世紀の君達へ」は、大晦日の紅白歌合戦で全員合唱した曲なんです。スティービーワンダーが作曲して・・・NHKから「さだ、おまえ詩をつけろ」って・・・それがね、スティービーから曲が送られてきて、そのテープが俺の手元に着たのは12/13日。いつまでに仕上げればいいですかって聞いたら、15日(A^^;)
12/13日は弟の誕生日だったんです。それはまあいいんだけど(笑)3ヶ月まえから約束していたのよ。小林幸子と都はるみと一緒に酒呑もうって(笑) まあまあ、13日軽く飲んで早めに帰って作ればいいじゃない。盛りあがっちゃって、都はるみは帰らないっていうし(笑) 酔いがまわってるもん。隅々に。もー使いもんにならないわけ(笑) もー寝るしかないじゃない。よし、もう今日は寝て明日作ろう!
14日は、半年も前から約束が入っていたの。同級生で誰がゴルフが一番上手いかって、クラチャン戦(クラスチャンピオン戦)って言って・・・敵に後は見せられないじゃない(笑)・・・友達って重いのよ、紅白より(笑)
それで、クラチャン戦をやって、部屋に戻って夕方5時からループで聴きつづけた。食事も出前とって、トイレに入るときも聴いていたよ。でもね、なんかこう・・・ダメなんだ。聴いているだけじゃ。それで聴きながら譜面にとって・・・そうするとね、メロディが自分の細胞の中に沁み込んできて・・・最後は自分が作曲したと勘違いするぐらいになった。詩を付けはじめたのが、夜中の2時。9時間聞いてた。もー聴きたくない。ほんとは、歌いたくもないのよ(笑)
命が軽くなるようなこんな時代だから、メッセージとして伝えたかった。詩は3時間でできた。全員合唱だから、自分のフレーズを歌い終わって、次の人と交替しなければならない。フレーズとフレーズの間を取らなきゃいけなかったし、スティビー独特のフェイクするところ「フ〜ウ〜」なんて歌うところはカットしなければならなかったけど。手直しをして明け方出来あがって、15日は「はなまるマーケット」に出たのよ。辛かったねぇ。3日寝てないのに、おめざを食べに行かなきゃいけなくって(笑)
年が明けてから、NHKに問い合わせがたくさんあったそうです。楽譜を手に入れたいって。聞くところによると、学校関係者が多かったそうです。卒業式で歌いたいって。それでNHKから「さだ、おまえシングルにせい!」って。紅白の歌手をまた集めるのは大変だから、一人で歌えって。手柄を横取りしようとしたわけじゃないですよ。

最近、俺は「強い夢は叶う」って、言ったり書いたりしているんだけど・・・(→毛利さんの笑顔に魅せられた話)今日は、宇宙に飛んだCDがロビーに飾ってあるから、あとで見てくださいね。
ぼくらの世代は、男は皆宇宙飛行士に憧れたのよ。虫歯があったら宇宙飛行士になれません。180センチ以下は宇宙飛行士になれませんなんて・・・そんなことないんだって。虫歯があってもなれるんだって。身体が小さい方が、宇宙船の中では都合がいいんだって。
毛利さんが宇宙飛行士になったのは37歳のとき、俺は33歳だった。俺は何で、宇宙飛行士になるのを諦めちゃったのかなぁ。あのころ、(「長江」の)借金があったから、「宇宙まで逃げた」って言われそうだったし(爆笑)
毛利さんに「シャトルの打ち上げを見に来ませんか」って誘われて、コンサート2度延期して。そしたら向こうも延期して(A^^;) 1月29日の厚木のコンサートのあと、そのままアメリカに行ったんです。打ち上げの前の日に宇宙飛行士の家族のための見学会がって、毛利さんの奥さんが僕と弟を招待してくれたんです。近くで見るシャトルは、まるで大きな美しい鳥のようでした。翌日は雨・・・飛ばなかった。次の日からまたコンサートが入っていたから、そのまま日本に帰りました。2泊4日のフロリダの旅でした(笑)

見てきました!宇宙に行ったCD!「ほのぼの」と「心の時代」2枚のCDに、毛利さんのサインがありました。横には、証明書?エンデバーに乗ったほかの宇宙飛行士のサインが記されていました。

「夜間飛行」

なぜこんな美しい星の中で、戦争が絶えないんだろう。サミットも宇宙でやればいいんだよ。アメリカインディアンの、これは差別用語だから、ネイティブアメリカンって言わないといけないそうです。彼らの言葉に「土地は私達の一部です」というのがあるそうです。
海外に行けば、この国の良さもわかる。さっき、ロサンゼルスでコンサートをした話をしようと思って(笑)別の話で長くなっちゃったんだけど。(→老人ホームで歌った話)お年よりっていうのは、優しいからね。拍手してくれるのよ。だけど、なんていうのかな。長い事、ライブをやっていると、その人の心に届いたかどうかわかるのね。ライブパフォーマーとしての意地がある。それでとっさに唱歌なら、って思った。俺あのときのことは、一生忘れない。「ふるさと」を歌ったら、老人達が全員一緒に歌い出した。
年を越えて「これはいい歌だ」と言われる歌を俺は作っていないんだということだ。どうする?これから書くよ。俺が死んでも誰かが歌ってくれる歌。もっとも(死んだら)確認しようがないけれど(笑)

「ふるさと」
「秋桜」

今度、ロンドンで歌うことになったんです。(拍手)ロンドンって言ってもただのロンドンじゃないのよー。楽しいロンドンでも、愉快なロンドンでもないの(笑)ロイヤル・アルバートホールよ。
(バックのスクリーンにロイヤルアルバートホールの写真が映し出されます)120年も経ったホール・・・中を見せてあげましょう(笑)(内部の写真に変わりました) この中央の大きい、コレがパイプオルガン・・・この上のところが天井桟敷。もちろんロイヤルボックスもあります。全部で8,800人入るそうです。いや、そんなには無理よ(笑) 日本から何人連れて行くかだな。
日本人男性の歌い手としては、僕が初めてだって。もちろんバイオリンも弾くよー。
(バイオリンを手にとって)コイツも喜んでいると思う。というのは、このバイオリンは、イギリスのグラスゴーで作られたんです。コイツが僕のところに来たのが、僕が中学のときだから14年前(爆) 34年前です(笑) 1894年製、106歳。きんさん、ぎんさんと同い年。RC.クロフォードという人が作っている。このクロフォードという人、あまり上手なバイオリン作りじゃなかったみたいで・・・このバイオリンは胴が太い。くびれがないんです。これはTBCに行っても治らない(笑) 板が厚いんだ。どういうことかと言うと、バイオリンとしては重たい音がでるバイオリンなんです。板が厚いということは、枯れにくい。水分が抜けにくいということです。水分が上手に抜けて行くとき、バイオリンは鳴り出すんです。ストラディバリのバイオリンが素晴らしいのは、ニスの調合がいいと言われています。作られてから150年ぐらい経つと鳴り出すと言われているんだから、コイツはあと50年から80年経って鳴り始めるんだね。僕の子供の代になって、やっと鳴り出す。最初に手に入れた人は誰だったんだろうね。コイツはどんな人の手を渡って、僕のところに来たんだろう。バイオリン1代にもいろんな歴史がある。今回、もっと時間があったら、グラスゴーにも行ってみたいなぁ。今度八王子でコンサートをやるときは、ロンドンでこんな旅をしてきたよって、お話したいと思います。

「佐世保」
「遠い海」
「驛舎」
「桜散る」

〆のトーク〜元気と勇気の話〜

「飛梅」
「修二会」
「ひき潮」

EC1.「聖夜」
    「防人の詩」

EC2.「夢の夢」


アンコールの衣装は、これまた見なれた(A^^;) 赤のジャケットです。でも、この赤と黒の取り合わせ、素敵です。ライトが当ったときの赤の色がいいのかな。「夢の夢」ギターだけで聴くほうが、とっても素敵です。


<うちわ振りかざし隊報告>
雨にも負けず(笑)恒例の「出待ち」をしました。振りかざし隊は、元祖さん、Tさん、みすずさん、黄菜の4人。メンバーの皆さんは、それぞれに駐車場まで出てこられて帰って行かれました。やっぱり、宅間さんが1番帰り支度が早かった(笑) まさしさんは、楽屋口に車を回して・・・。「見送りされる方は、向こうの標識のところまで下がってください」と警備のスタッフさんに誘導されて、車から4,5メートル離れた場所へ。暗くてまさしさんのお顔は、ほとんど見えませんでしたが、「さださーん、お疲れさまー」という皆の声に、車に乗りこむ直前に大きく手を振ってくださいました。
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