16th まさしんぐWORLD(1999.6.23)
予ベルのあと、緞帳には「Twenty Five Reasons」の文字が映し出されています。ゆうぽうとの幕は柄物なので、あまりよく見えなくて残念です。開演のブザーとともに緞帳が上がり、真っ暗なステージから風がふきすさぶ音が聞こえてきます。まるで泣いているような風の音。ギター一本だけの静かなイントロが聞こえ、まさしさんのシルエットを浮かび上げるようにスポットがあたります。
「多情仏心」・・・わぁ!懐かしい!ソロデビューアルバム「帰去来」の最初と最後に入っている曲です。私「帰去来」には、すごく思い入れがあって、「マイベストアルバムはどれ?」と聞かれれば迷わず「帰去来」と答えてしまうくらい。他にもいいアルバムはたくさんあるし、一番好きな「まほろば」が入っているのは別のアルバムなのだけど・・・「帰去来」は、特別な大切なアルバムなんです。
それにこの曲は「一人百歌」の企画で、好きな曲を3曲あげてくださいという募集のときに選んだ曲だったから、なんだかとっても嬉しかった。ほんとは、私のベスト3に入っている曲ではなかったけど、あまり日のあたらなかった曲だったから故意に選んだのです(A^^;) エピソードには、確かこんなことを書きました。「グレープが解散して、もうさださんの歌が聴けなくなってしまうのではないかしらと不安が募った頃がありました。そして「帰去来」が発売されたとき、もう嬉しくてLPを抱きしめて泣いてしまいました。「帰去来」は全曲好きなのですが、中でも一番は「多情仏心」です。今のさださんの歌と比べると、短い歌ですが・・・。」(結局「一人百歌」には、採用されなかったけどね(A^^;))
「主人公」・・・おおっ!!ファンの人気投票で、ずっと1位を保っている曲を持ってくるとは!まさしさんの衣装は、生成り色のクレープ生地のスーツで、とってもスマート。インに着ているグレーのTシャツは、ちょっと光っている生地で、足元はベージュのスニーカー、全体的に軽やかなファッションです。
いつものバンドメンバーとは、違う顔ぶれ。(川瀬さんと福田さんが来ていません。)ストリングスが入って、シンフォニックなコンサート。やっぱり指揮は、渡辺さんですね。
<MC1>
「皆様、こんばんは。さだまさしでございます。・・・いらっしゃいませ・・・どうぞごゆっくりお席をお探しください(笑)・・・本日は6時から始めさせていただいております。25周年記念コンサートと銘打ったこのコンサート、華々しく武道館でやってもよかったんですが(笑)、さだまさしらしく地味に祝おうと(笑)・・・「まさしんぐWORLD」は、ファンクラブの会員を対象にはじめた1年に一度のお祭みたいなもので、もう16回・・・いままで、コンサートというときは、歌をやったり、フェスティバルというときには、お芝居をやったり、落語をやったり、顰蹙を買ったり(笑)・・・今回は何をしようかと思ったら、もうすでに「コンサート」でチケットが準備されていた(笑)・・・WORLDは、必ず座長挨拶から始めていたんですが、今回はね、25周年ということで、逆に普通のコンサートを見ていただきたい・・・中身は派手に出血大サービス(笑) さだまさしのファンにも第二世代が増えてきまして、小さい頃から親に無理やり「さだまさし」を聴かされてきて、知らないうちにファンになっていたという(笑)・・・これを「さだまさしの2次使用」と言います(笑)・・・(うちもそういう傾向になってますね〜。特に下の子は、洗脳計画(笑)が順調だし(爆)・・・若い頃にさだの歌を聴いていたファンが、子育てが一段落してまたコンサートに来てくれるようになって・・・まるでサケが川に戻ってくるように(笑)・・・しかし、戻りたい川でいるというのは、大変なんですよ(笑) 2曲目に聴いていただいのが、さだまさしのファンクラブで人気投票をすると、ずっと1位の座を明渡さない「主人公」という歌です。この歌は、20年以上も前に作った歌なんです。これ以上の歌を、私は作っていないと、みんなにののしられているわけです(笑)」
<MC2>
「雪の朝」・・・嬉しーい!! もう、ステージで聴くことはないと思っていたデビュー曲じゃないですか〜!! 私にとっては、これも大切な想い出の曲。あの頃、少女だった私だけど(笑)、まさしさんの「人の心の移ろい」の捉え方、諦念とも言える考えには、共感するところが多いにあったのよねぇ(A^^;)
「19才」・・・これまた、なつかしいー!! まさしさんに恋してた頃を思い出すなぁ(*^^*) (もちろん今も恋してますけど(爆))19才になったら・・・いつか、まさしさんのお嫁さんになりたいって思っていたもんです。(はずかしい!(A^^;))
「「雪の朝」は3700枚しか売れなかったんです。地元長崎で2000枚・・・「あと付け」という売れ方だったんです・・・「精霊流し」が売れたせいで、デビュー曲に遡って買ってくれた・・・オリジナル・コンフィデンスという雑誌で1週だけ198位だったことがありました。
(デビュー前事務所探しをしているとき、デモテープに写真を付けていたから苦労した(笑)、谷村さんのいた事務所ヤングジャパンの細川社長の「貧乏神」発言(A^^;)・・・)相棒の吉田は、VAPレコードで所ジョージさん、松本明子さんのディレクターをしています。バラエティ担当みたいになってますが(笑)・・・そのうち「なすび」もやったりして(笑)
結局、バードコーポレーションという事務所が、引きうけてくれたんです。バードコーポレーションには、「赤い鳥」という有名なグループがいまして、ナベちゃん、渡辺敏幸君は、その「赤い鳥」のドラマーだったんです・・・ナベちゃん、(渡辺さんのほうを振り向いて)かかとのこんな高いロンドンブーツに、大きなトンボ眼鏡だったね(笑)・・・今やNHK大河ドラマの音楽をやったりして・・・すずらんも、服部隆之がやってる・・・二人とも僕より偉くなっちゃって(笑)・・・「雪の朝」の頃、盛岡に岩手放送のレコードキャンペーンに行ったんです。雪の町の駅に降りたとき、僕はもう感激で、ずっと溶けない雪を見たのは初めてで。長崎にも雪は降りますよ。でも3時間くらいで溶けるんです。
名古屋にも、よく行きました。こんな僕等にも、あの頃、おっかけがいましてね(笑)・・・行くところ行くところに来て待っている・・・俺よりスケジュールを知っている(笑) 半年たって「精霊流し」が売れたとき、「あのとき、あんなに応援してくれた人達がきっと喜んでくれるだろうな〜」と思うじゃないですか・・・ところが、売れた途端にその子達は来なくなったんです。売れないでいたほうが、「私だけのグレープ」っていうのがよかったんでしょうか? 売れたら、途端に汚れたものに見えたのかな? 結局棄てられたんですよ(笑) 棄てて行くほうはいいですよ。残されたほうはもう(がっくり)・・・あの子たちは、どこへ行っちゃったんでしょう?(はぁー)(ここにいるじゃない!>マイダーリン(笑) ホラ、会場のあちらこちらに、たくさん!! みんな、まさしさんと一緒に年を取ったのよ〜(笑))
(名古屋のスーパーでキャンペーンをやったときの話)・・・第2ワシントンホテルというところで、1ステージ30分やると宿泊代がタダになるっていって、もうマネージャーが、(ステージの契約を)入れる入れる!(笑)・・・(振り返って)ちょうどこういう丸い台があって、そこで歌うんですが、これが回るんです。♪表は雪が降ってる〜(歌いながら、足を細かく移動させて回り出すまさしさんに、客席は爆笑です) 3曲歌うと酔いますね(笑) 大阪のミナミのキャバレーで、歌ったこともありました。サテライトスタジオになっていて、ちゃんとした番組だったんですよ。歌っている横で、酔っ払いのオヤジが、おばさんみたいなお姉ちゃんをはべらせてて(笑)・・・浜村淳さんに紹介されたんですよ。浜村純さんに紹介されるなんて、一流ですよ(笑) 「さて、次は、若いお二人に歌っていただきましょう。グレープで「雪のアサ」(笑)(浜村淳さんの真似は、何度聴いても楽しいです。そっくり(笑) 客席は大爆笑) 吉野さくらさんが売出し中で、楽屋と言っても畳が2畳分ぐらい置いてあるだけの部屋でね、僕等座るところがなくって、たくさん(人が)いるから・・・端っこのほうにいたら、世話役の人だろうな。 「さくらちゃん、何回目のデビュー?」「8回目です」それを聞いたときは、「あ、デビューっていうのは、何回してもいいんだ!」って思ったね。僕等デビューの年は、豊作といわれた年で、同期生に、中条きよし、西川峰子、浅野裕子、あいざき進也、城みちる、伊藤咲子、テレサテン・・・(客席から「ほーっ」と感心する声がしきりに聞こえてきます。)最優秀新人賞の授賞式があって、中条きよしさんが「誰か決まったら、みんなで胴上げしようよ」って言うわけ。その年は最優秀が2名で・・・最優秀なのに2名(笑)・・・最初の一人は中条さん、みんなで胴上げしたのね・・・もう一人、枠があるから、次は自分かも知れないってみんな思っているんだね、胴上げも張り切ってる・・・ところが、「もう一名は、西川峰子さん」と決まった瞬間、みんな力が抜けたんだな。胴上げも力がなくって、俺と吉田ぐらいだよ。落ちたら危ないから、一所懸命支えてて、それで落ちてくるのを受け止めた瞬間、腕がね、こういう感じで、ここに入っちゃったんだね(笑)(自分の腕が西川峰子さんの股のところに来てしまった、ということを、自分の太もものところに腕を回し入れて説明しながら、自分も大笑いしてしまいました>まさしさん) 次の日のスポーツ新聞が、悲惨でね〜。そのときの写真なの(笑) そのあとしばらく「股ぐら男」と呼ばれたなぁ(苦笑)
喉を潤すための水分補給をするまさしさんに、倉田さんがキーボードで音をつけるのが可笑しかったです。
「追伸」・・・おお!懐かしい曲が続きます。本気でまさしさんにあげたくて、ベストを編んでいた頃を思い出します(笑) ほんとに肩幅を教えてもらいたかったわ。 最後の「私、髪を切りました」ってフレーズが悲しくて(T_T)・・・いつだったか、まさしさんが「こんな手紙はもらいたくない」って言ってたのを思い出しました。
「精霊流し」・・・やっぱり、今のまさしさんがあるのは、この曲の大ヒットがあったからですもんねぇ。この日のステージで、最初のハプニング!(A^^;) ・・・一番の途中から、あれ?なんか変?ずれてない?と思ったら、やっぱり。バックとちょっとリズムが合わなかったみたいです。しきりに、細かく指を動かしたり、苦々しく首を横に振ったりして落ち着かない様子のまさしさん。たぶん、合図していたんですね。
「長崎小夜曲」・・・途中でスクリーンに、長崎の夜景が映ってとっても素敵です。「長崎から」のはじけた唄い方もいいけれど、いつかのスローな歌い方もまた聴きたいなぁ。この歌の時は、歌いながら首を(上半身を)曲げる癖があるまさしさん。こんな甘えたようなしぐさもカワイイです(*^^*)
「追伸」「精霊流し」「長崎小夜曲」3曲続けて歌ったあと、客席に向かって「ちょっと待ってて」というそぶりで、タオル(いつもの青いタオルです(笑))で、汗をふくまさしさん。ふざけて、腋の下まで拭く真似をして笑わせてくれます。
<MC3>
まだアマチュアのときに、グレープでデビューしたときからずっと僕のディレクターをやってくれている川又さんが来て、「もう、デビューしていい時期だから」って勧められたんですよ。僕等は「いや、あと1年勉強させてくれ。」って言ったんだけども、「チャンスに後ろ髪はない」って言われてね。まさか、前髪がなくなるとは思わなかった(笑)
ステージへ、スタッフがきちんと礼服姿で登場。マイクのセッティングなどを直しに来たみたい(笑) 「スタッフの長谷川です」とまさしさんに紹介されて、おどけてみせる長谷川さん(笑)
「関西人は、どんなときでも必ず笑いをとろうとするね。こないだ、長谷川も一緒にゴルフをしたんだけど、アイツ良く飛ぶんだ。「たまねぎクラブ」っていう会を作っているんだけど、名称の由来はゴルフをする人ならすぐわかると思うけど、よくスライスする(笑)、めったに芯は食わない、目を出している?ということからね(笑) シドニーにコンサートに行ったときも、必ずゴルフをするんだけど、そのときは「しがらみ会」(笑) あの、オーストラリアのゴルフ場にあ、カンガルーが出てくるんだね。晴れた日じゃなくて、雨が降っていたり湿っぽいお天気の時に、良く来るらしい。打とうとするひと気を感じる、ふっ!と、振り返るとカンガルーがいるわけ。「わあ!」って声あげたもんな〜。最初ビックリして・・・。(パターの時の構えをしながら、ふりかえったらカンガルーがいたんでビックリしたという一連の動作をして見せてくれました(笑) おまけにカンガルーの真似まで)
カンガルーの手つきって嫌だね。柳の下にいてほしくない!(笑)(ほんと!ウラメシ〜の手つきに似てる(笑))長谷川は良く飛ぶのよ。飛ぶっていうだけだけどね(笑) あるとき、長谷川がプレイ中に、カンガルーの親子がいてね、すごいよ〜、カンガルー越えのショット!(笑) 長谷川が打ったのが、トップボールって言ってボールの頭を引っぱたいたのね、低く飛んで行って・・・カンガルーのお父さんの足に当ったのよ。その時、カンガルーはどうしたと思う。カンガルーが、怒って長谷川に向かって行ったら面白いから、写真を撮ろうと思っていたら・・・(ここでカンガルーになりきるまさしさん、長谷川さん達スタッフが控えているほうに振り向いて「いてえなぁ」、じっと睨み付けて大きく前方へ3歩、カンガルーのように跳んでいました。)よくできたカンガルーでね(笑)、長谷川のヤツ、そのカンガルーに向かって「大丈夫すか〜?」(笑)
歌(「長崎小夜曲」)の間に長崎の夜景を見ていただいたんですけど、長崎市内に稲佐山という低い山がありまして、333m・・・ほんとは、長崎の山っていいますと英彦山(ひこさん)なんですよ。交通機関の違いでね・・・長崎駅からだと稲佐山がメインなんだけど、長崎港から見ると英彦山が大きく見えるのね・・・稲佐山から見た夜景と反対側から見た夕暮れの2枚を見ていただいたわけですが、この稲佐山で「長崎から」というイベントをはじめて11年。おかげさまで、夏のイベントとしては屈指に数えていただいています。広島の原爆忌の日に、長崎で歌う・・・ただそれだけで、何も難しいことをしようというわけじゃなく・・・間口は広いほうがいいと思っていますから・・・平和について、愛について一瞬でも感じればそれでいいと思っています。それだけで、伝わる人には伝わる、伝わらない人には、いくら話しても伝わらない。今年もねぇ、加山さんが来てくれるんですよ(笑) 加山さんから電話がきたんですよ。「まさし君、8月6日だよね。」「加山さん、いいんですか?」「いいんですよ。君がいらないって言うまで、僕はいきます」とまで言ってくださって、「ホストでも、ホステスでもやりますよ。」っておっしゃるから「じゃ、司会やってください」と言ったら、「それは勘弁して!」って(笑) 加山さんは、1回目のときのことを「膝がふるえた」って。あの加山雄三がですよ。みんなの「ウワーッツ」という歓迎の声の、その音圧に圧倒されたって。他にブレッド&バター、尾崎亜美さん、雪村いづみさんが来てくださる。そしてまた、佐田玲子も参加します。
「あなたを愛したいくつかの理由」・・・わぁ!この歌大好き〜! 生で聴けるなんて最高です! 玲子さんの歌い方って好き!去年の「好いと」「破」もすっごくよかった。椅子に腰掛けて1番を歌うまさしさん、いいですね、こういうシチュエーションも。舞台上手から玲子さんが登場して・・・素晴らしいハーモニーを聴かせてくれました。さだ歌にはこういう、「別れても君の(あなたの)将来を見守っていくよ」みたいな、歌って多いですねぇ。大きな愛を持ちたいなぁ。今日の玲子さんの衣装は、赤でデザインに特徴のあるロングドレス。カジュアルな感じを残した衣装で、玲子さんによく似合っています。3番のアタマで、二人とも歌に入るところを間違えたのが、可笑しかったです。玲子さんもまさしさんも照れ笑いをしているように見えました(笑)
「ひまわり」・・・まさしさんが、玲子さんのために書いた曲で、玲子さんのお気に入りの曲ですねぇ。先日、発売になったベストアルバム「ゴールデン・Jポップ/ザ・ベスト 佐田玲子」にも入っています。あるラジオ番組で、玲子さんは「兄は「おまえのために作ったよ」と言ってるわりに、自分のアルバムにもいれちゃうんだけど、この歌だけは兄のアルバムには入れさせない。」と言っていたらしい。でも、しっかり「おもひで泥棒」に入っているんですよね(A^^;)
<MC4>
兄妹で入るに入れず(笑)・・・やっぱり、入りをしくじったのね(笑)>マイダーリン(笑) ここで再び、長谷川さんが登場。今度は、ゴルフクラブを持っています(笑) どうして?コンサートにゴルフクラブ?(笑)・・・客席の視線を一人占めして悦に入ってるふうな長谷川さんに、まさしさんも苦笑してます。しかし、まさしさんの回りの人って乗りやすい人が多いなぁ(笑)
メンバー紹介・・・今日は普段のコンサートとは、違う編成になってます。僕を入れて22人、ステージに乗っています。・・・え〜、そちらの方は、見えないかもしれませんね。ま、見るほどの顔じゃありませんけど(笑)
ベースは、大仏さんこと高水さん・・・どうして?大仏さん?っていうアダナがついたんでしたっけ?(笑)・・・あ、見たまんま(笑)・・・信濃大町でやったコンサートの時のこと、覚えてる? 高水さんのスニーカーの靴底が破裂してね・・・あれ、不思議だったねぇ。どうしてだろうね?・・・電車に乗っているだけだったのにね、降りて歩き始めたらグシャ・・・ああいうこともあるんだねぇ・・・しばらく、「靴底(屈辱)の町」って言ってたねぇ(笑)
ドラムス、川野みちお・・・「長崎から」で彼の人気も上がってきました。ギター、松原正樹・・・お馴染み巨匠、石川鷹彦さん・・・控えめに後ろにいますが、やっぱり目だっている宅間久善・・・ピアノ、倉田信夫・・・今回のWORLDにずっとお付き合いいただきます14人のストリングス・・・え〜(笑)名前は・・・「出がらしストリングス」(笑)の皆さん!・・・え?駄目?(笑)・・・WORLDが終わる頃には、名前が決まっているでしょう(笑)
コンサートマスター長井明さん(バイオリン)は、いつもはバンクーバーのコンサートマスターなんです。このコンサートのために、アメリカからわざわざ来てくれました。・・・皆さんさっきから、年齢が高い人が一人まざっていて不思議だなぁとお思いでしょう(笑)・・・高橋まことさん(バイオリン)は、チェロの高橋あつきのお父さんです。よみうり日響?のコンサートマスターだった方です。さだのために、参加してくださいました。ありがとうございます。
それから、ご存知の方も多いでしょう。東京フィルの石丸さん(バイオリン)・・・鈴木たみおさんは、20周年コンサートの時にも参加してくれました・・・あの時、娘さんが「お父さんに会わせたい人がいる」って言ってるって、落ち込んでましたねぇ(笑)・・・娘さん、結婚したんですよ(会場からの拍手に嬉しそうな鈴木さん)
高橋あつし(チェロ)、このあいだ、結婚しました!(会場の拍手に応えて、紫色のハンカチを大きく振る高橋さん、この方もかなりノリやすい性格らしいです(笑))・・・僕はね、司会までして歌まで歌いましたよ・・・つい最近、離婚しましたけどね(笑) 短かったねぇ、結婚生活。何年?(笑)(泣きまねをする高橋さん)・・・しかし、明るい離婚だったね(今度はハンカチを大きく振って楽しそう?(笑)な高橋さん)・・・息子、なんとかしてくださいよ。お父さん。(笑いながら、高橋まことさんに訴えるまさしさんなのでした(笑))
音楽監督は、渡辺俊幸くんです。落ちついているねぇ・・・ほんと、人柄が変わらない・・・君が走っているのを見たことないよ・・・「ナベちゃん、遅れるよ」「そうかー」って左ト全じゃないんだから(笑)・・・顔にアセリが出ないよね(笑)・・・時間もちゃんと守っているし・・・(石川さんに振り向いて)「(あなたには)早く来るという人生はないんですか?(笑)・・・時間に正確に来ようという(笑)(突然、話を振られて驚く石川さん(笑)・・・まさしさん、今度は笑っていた倉田さんに向かって)飛行機に乗り遅れたこともあったね(笑)(また笑ってごまかす倉田さん)・・・いや、しかしナベちゃん、変わらないねぇ。この人、食べるのも遅いんだよね。僕等が飲みこむソバをかんでるもんなぁ。(「水もかんで飲むよ」>ナベさん)え!? 水もかんでるの?(「ははは、冗談、冗談(笑)」>ナベさん)あ〜、驚いた〜。普段、冗談言わない人が言うと、ほんとかと思うよ(笑)・・・体重20キロある?(笑) ・・・俺ね、タバコをやめて3ヶ月で1割太ったよ・・・って、こんなにゆっくり話してる場合じゃないんだった(笑)(ほんとにまさしさん、のんびり話してました(笑)) 贅沢なストリングスでお送りしていますが、お客さんはわがままだから・・・贅沢な音も聴いているうちに馴れちゃうんです。普通になっちゃって、飽きるんです。アイスクリームについているウエハースが美味しいのはなぜか(笑)・・・今度はギター曲をお送りします。さだの歌は、重いんです。ずっと聴いていると飽きるんです。だから柔らかい話が必要なんです(笑) 寂しいですよ。ウエハースから先に売りきれるアイスクリーム屋(笑)(そういえば、ずっと前もこんな話してた頃がありましたね〜。)
「Pineapple hill」・・・そうそう、このギター好きなんですよ。う〜ん、まるで私がリクエストしたみたいな選曲(笑) 嬉しいなぁ。石川さんと二人だけのアコースティックな演奏もいいですね〜。
「ムギ」・・・「季節の栖」からの選曲ですね。この歌もギターが素敵! 石川さんの編曲なんだぁ。弦の上を指が移動する瞬間の音が好き。胸がキュンとなってしまうのよね。
<MC5>
このあいだ、文化放送に出たときに、「トキの誕生に合わせて、こんなタイトルにしたんですか?トキの棲家って、さすが!」って言われたんですよ(笑) 深読みしすぎだって(笑) 今回のアルバムは、加山さんから曲をもらったり、永六輔さんに詩を書いてもらったり・・・加山さんからいただいた曲に詩を書いているときは、岩谷時子になったつもりなんですよ・・・この「ムギ」という歌は、来生えつこさんに詩を書いてもらったんですけど、作曲をするとき、来生たかおさんになったつもりで・・・永さんの詩に曲をつけているときは、中村八大になりたがっている、いずみたくさんになりたがっている・・・そんなふうに楽しく作りましたね 今日発売で、フライングして昨日から売っているんですけどね(笑)・・・もう買ってくださって方もいらしゃるでしょう・・・作詩作曲する時間はないけどコーラスだけならって、小田和正さんも参加してくださってます。・・・素晴らしいアーティストが、さだのために力を貸してくださいました。14曲入りです。その中に、ポールサイモンの曲もあります。ポールサイモンの曲を聴いたのは、中1の頃でした。長崎から急行「雲仙西海号」で東京に出てきて・・・あの頃、23時間57分もかかったんです。バンクーバーより遠いですね(笑)(後ろの長井さんに同意を求めるまさしさん)
千葉のおじきの家にね、居候して・・・中学生でしたからね・・・一人ぐらしなんてでないし・・・おじきの部屋に転がり込んだんです・・・テレビが部屋になくて、よくラジオを聴いていたんです・・・ロンドンのチャートで1位になった曲が、ポールサイモンの「サウンドオブサイレンス」だった・・・感動しましたね・・・サウンドオブサイレンス・・・どんな意味だろう・・・ジュニアサイエンスで調べました(笑)・・・「沈黙の音」・・・へぇ!沈黙に音があるんだ〜・・・哲学的なタイトルの歌ですね。ポールサイモンに会わなければ、こんなにくどい詩を書かなかったんじゃないかと思う(笑)・・・それほど強い影響を受けたわけです。「関白宣言」の頃、ポールサイモンの「時の流れに」というアルバムが売れていて・・・あるとき、ふっと見たインタビュー記事の中に「たかが音楽、いつでもやめられるさ」と彼が言っているのを見て、愕然としましたねぇ。ショックでした。ポールサイモンのようになりたくて、頑張ってきたのに。彼に「文句があるから、会いたい」と言ったんです(笑) その頃、ちょうどワーナーパイオニアに居たんで、副社長を通じて会う機会を作ってもらったんです。ちょうど、彼は「ワントリックポニー」という映画を撮っていまして・・・う〜ん、日本語に訳すと、「一芸しかできない」「馬鹿の一つ覚え」という意味です。彼は、この映画で多額の借金をしたらしいです。(「われも同じ」というように、肩をすぼめて立つ振りをして、笑いを誘います。>まさしさん)
忙しい時で「20分ならいいよ」と言うことで、ニューヨークで会うことができたんですけど。時間どおりに来てくれましてね(わざわざ、石川さんに向かって言っているまさしさん。これで2回目(笑) よっぽど、時間に遅れたんですね〜>石川さん)・・・(「なんで?」と驚く石川さんに向かって)いや、別にね、ちょっと首がいたかったもんで(笑)・・・ポールサイモンに会ったとき、ウォークマンをプレゼントしたんです。ちょうど、ウォークマンが発売になったばかりの頃で、彼は「アメイジング!」と言って喜んでくれましたね。それから僕の「夢供養」を渡したら、「素晴らしいプレゼントだ!今聴こう!」と言ってくれて、20分だけと言ったくせに最後まで聴いてくれたんです(笑)。そのとき、ポールに会う約束まで時間があったんで、古楽器屋で古いマーチンのギターを買ってたんです。「それ君のギター?ちょっと見せて」と言って、その場で弾いてくれたんですよ〜(笑) ちょっとそのギター持ってきて・・・これは、マーチンのO−17というタイプで、ヘッドが変わっているでしょう。クラシックギターみたいなヘッド・・・シェルカットというらしいです。ホラ、フレットの間が丸くなっているでしょう?(最前列中央の人のところに持って行って見せてくれました)え?わからない?まぁいいや(笑) ポールサイモンが弾いたギターなんですよ(笑) ほら、ここにサインがあるでしょう。エッヘッヘ(笑)(得意げなまさしさん、宝物を自慢げに見せる子供みたいでかわいい(笑))見えない? 渡すと持って行かれるかもしれないからなぁ(笑)・・・1979年7月25日って書いてあるんです。明後日で、まるまる30年になるんだなぁ。(感慨深げに話すまさしさんなんですが、あの〜、まだ6月なんですけど〜(A^^;)・・・言い終わったあと、会場の反応に「あれ?」と気づいたらしく(笑))・・・え〜っと、明後日は6月25日・・・まぁ、まぁいいか!(笑)(照れるまさしさんなのでした(笑))
20分のはずが、1時間半以上(笑) そうだ!俺は文句があったんだ!(笑) でも、通訳はそうは言ってなかった(笑)「クェスチョン」と言ってましたから(笑)・・・彼はこう答えてくれました・・・「まさし、音楽は常に過去に向かって進行しているんだよ。」・・・そうだ・・・音が生まれた瞬間が音楽なんだ・・・歌が出来たとき「よっしゃー」(笑)暗い歌が出来たときのあの喜び(笑)・・・古い歌を聴いて「あのころ」を懐かしむ・・・それをノスタルジイと呼ぶのは止めよう・・・だからさ、音楽はいつでも止められるだろう・・・(全部書きとめられなかったので、記憶があいまいです。ごめんなさい。)
「JONAH」・・・これも「季節の栖」からの選曲ですね。まさしさんが尊敬するポールサイモンの曲に、日本語詩を付けたもの。JONAH・・・音楽の女神(ミューズ)に捧げる歌ですね。「虹」と「二千一夜」に込められたまさしさんの音楽への想いを、エッセンスとして入れたような感じの詩ですね。
「前夜(桃花鳥)」・・・多くを語らなくても、この歌を取り上げたことで、まさしさんの今の想いが伝わってきます。17年前の曲なのに、少しも古さを感じない。まさしさんの歌はみんなそうだけど(ちっとも古くならない)・・・あの頃のように、今も世界のどこかで戦争がある・・・コソボの苦しみを報道する傍らで、ワイドショーはタレントの噂話ばかり・・・とってもタイムリーな歌だと思う(朱鷺のことばかりじゃないですよ(笑))