■ ハチの仲間について ■ 

ハチは、膜翅目(まくしもく)(膜状の翅をもつ種類)に属し、世界に約10万種が生息しています。

ハチといっても、種類によって生活様式がさまざまで、幼虫が葉っぱを食べる種類のハチ、ほかの虫に寄生するハチ、幼虫のためにエサを運び育てるハチ、ミツバチやスズメバチなどのように高度な社会生活をするハチまで多種多様です。産卵管が変化した針を持つものが多く、この針で身を守ったり、獲物を麻酔したりします。古典タイプのハチは、産卵管は産卵管のままの利用しかできず、全く刺さないハチもいます。(ハバチやキバチなど)
また、産卵管を持っていないオスのハチは、刺すことはありません。

ハバチの産卵管 ヒメバチの産卵管
ノコギリの歯状になっており、植物の茎などに
産卵管で切込みを入れながら産卵する。
虫の幼虫などに産卵するため、先が尖った状態になっている。
カリュウドバチ(カリバチ)の産卵管 ハナバチの産卵管
幼虫を育てるために巣をつくり、そこに幼虫のエサとなる昆虫や昆虫の幼虫を狩って蓄えるハチは、産卵管が鋭い剣状になっている。エサになる虫に産卵管を突き刺し、毒を注入し麻痺させる役目をする。 花粉や花の蜜を集めて幼虫を育てるハナバチの産卵管は、身や巣を守る防御のため、逆かぎの付いた毒針になっている。

社会生活を営むスズメバチやアシナガバチは、カリュウドバチの種類のような産卵管を持ち、危険を感じると、何度でも毒針で攻撃しますが、同様の高度な集団生活をするミツバチは、ハナバチの種類の産卵管を持っています。よって、敵に一度毒針を突き刺すと、逆かぎ状の毒針は抜けることはありません。要するに毒針を敵に突き刺したミツバチは、カラダがちぎれてしまい、死んでしまうのです。
これが、「ミツバチは一度しか刺さない」といわれる所以です。




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