もともとはホビーデータの主催のメールゲームの一つで、いくつかのメディアで展開された。
当時の商業メールゲーム状況はホラー系現代物がほとんどでファンタジー物はなかった。そんな中でアラビア風ファンタジーとして開始されたのが「アラベスク・ファンタジー」だった。
しかし、シリーズを重ねるごとにアラビアっぽさが薄まり、3作目では単なるファンタジー物となってしまったのは残念だった。
本書はアスペクトが刊行していたログアウト文庫の一冊。あとがきにもあるようにログアウト誌上で読者参加ゲームがあったりしたのだが、ログアウトそのものが休刊してしまった。結構凝ったことをしていただけに残念だった。
小説としては、可もなく不可もない。文体と世界設定を除けばごく普通のライトファンタジーだ。