9月23日 曇りときどき晴れ、一時雨
松本へ
始発列車を乗り継いで松本へ向かう。八王子あたりでは今にも降りそうな空模様。大月の手前からはほんとうに降ってきて、勝沼ぶどう郷ではとうとう山の中のようなガスガス状態になってしまった。しかし韮崎を過ぎてから徐々に回復してきて、甲斐駒と八ツは相変わらず雲の中だったが、地蔵のオベリスクは雲間から見えてきた。諏訪・塩尻と進むにつれて青空の面積が大きくなってきた。甲信国境で天気が変わる体験を何度かしているが、実におもしろい。松本には9:17着。アルピコ電車は9:21発なので急いで乗り換え。アルピコはあまり混んではいなくて、余裕で座れた。登山客が半分、残り半分は観光客かなあという感じだったが、電車が新村駅に着くと、観光客と思われた人々は一斉に降りてしまった。この日は新村駅で鉄道イベントがあり、人々は実は鉄ヲタだったのだった。車内は見事に半分が空になった。
上高地へ

バスは順調に進み、上高地にはほぼ予定通りの11:20に着いた。大正池からの穂高は、焼岳がよく見えていたのとは対照的に、我々が上高地入りするときいつもそうであるように、半分から上がきれいに雲に隠れていた。
12:01 上高地バスターミナル発(高度計:1555m)


この先は初めて歩く道だ。観光客に混じって木道を行くと、山々や木々が映る清らかで緩やかな渕があって、上高地らしい眺めを堪能する。とは言うものの、目指す穂高はまったくの雲の中なのだけど。
12:25 登山口(1570m)

12:37 標識9「岳沢原生林」(1620m)

標識を過ぎて5分ほどすると、道が大量の倒木で遮られていて、新たに巻き道が造られているところがあった。
12:48 標識8(1675m)

13:00 標識7「風穴(天然クーラー)」(1745m)


風穴を過ぎたところに、ゴゼンタチバナと思しき赤い丸い実がたくさんなっていてきれいだった。
13:18 標識6「見晴らし台」(1810m)


13:30 標識5「中間地点」(1880m)
ここは標高1880mとなっていて、プロトレックの高度計がきれいに50mずれていることがわかった。13:47 標識4「西穂高展望所」(1970m)

13:56 標識3「石階段」(2015m)


14:11 標識2「胸突八丁」(2090m)

14:27 標識1「小屋見峠」(2175m)

峠を越えたあと岳沢を右岸に渡るが、巨岩がガラガラで歩きにくかった。つい先日直撃した台風のせいかもしれない。
14:34 岳沢小屋着(2205m)
小屋に着いたのは上高地から約2時間半で、ほぼコースタイムどおりの歩きだった。道中のNo.9~1までの標識には小屋までのタイムも書いてあったが、それらはいずれも小屋に14時半に着くことを示しており、あまりに一致しているので気味悪いほどだった。テント場は小屋から前穂方面へ数分行ったところ。もう一度岳沢を渡りかえす。テント場に近づくにつれ、なんだか胸騒ぎがしてきた。・・・やはり、テント場は超満員のぎっちぎちだった。もうどこにも張れるスペースがない。受付では、どうしても張る場所がない場合には小屋の近くに張ってもよい、ただし翌朝7時までに撤収すること、との説明あり。見ていると、次々とキャンパーがやってくる。さっき通った時はまだ小屋の近くに張っているテントはなかったが、早く決めないと小屋のそばも埋まってしまいそうだ。というわけで、小屋に戻ってそばに張らせてもらうことにした。きれいに馴らされているかに見えた小屋前広場は意外にも石でゴツゴツしていたが、小屋に近いのは便利でよかった。結果オーライだ。最終的には、ヘリポートにまで5張りくらい張っていた。
この日の最大高度は2250m、最低高度は1555m、積算上昇は695m、積算下降は35m。最大高度は岳沢小屋到着時の記録よりも高いので、テント場をさまよっているときに記録されたのだろう。
寒い夜

夕食を済ませた頃にはテント内の気温は8℃ほどになっていた。今回、初めて象足を持ってきていた。こいつはイイ。寝る頃にはテント内は4℃程度まで下がっていたが、下は薄手のズボン2枚、上はTシャツ・夏用長袖シャツ・フリースセーターだけで寝られた。頭寒足熱理論は正しいのだ。小屋の近くだったので夜はうるさいかと思ったが、あまりに寒いせいか外で宴会をするような好き者はおらず、静かに過ごせたのは幸いだった。